米から農業を発信する店「EWALU」のハナ氏。
こんにちは。ハナ氏です。
まずは、なんとなくでもこのページを開いてくださり、ありがとうございます。大変光栄です。
9月に入り少しずつではありますが秋を感じるなぁと思うことが増えてきました。
稲刈りの時期にも入り、すこしずつ新米も出てきましたね。
そして世間では米不足が騒がれており・・お米の有難さ、農家さんの有難さをひしひしと感じる今日この頃です。
今回は米農家の会社が営むが米粉パン店「EWALU」のデザインについて聞いてみました。 こちらの企業さんの「お米から農業を発信する」という考えや取り組みをダイレクトにデザインした店舗となっています。
版築仕上げには、工事中の基礎残土や農業で出る廃棄物とされるもの(米ぬかや籾殻)を利用し、建築で地産地消を実現したこだわりの詰まった米粉パン店です!
Q1.米粉パン店「EWALU」のコンセプトを教えてください。
A1.パンと米っていうある意味両極端な商品・・日本人って朝食でさ、パン派か米派かってあると思うんだけど。調べると半々なことが分かったんだよね。この店舗は 米を原材料にした米粉パンと米商品の販売をしているから、パンと米というものを ビジュアル的に境界線で半分半分で分けた。そこに対して原材料がどちらも米なので、この境界線を人も商品も自由に行き来ができるデザインした。
Q2.お米の販売エリアは米=白だから真っ白な空間ですよね?グレーのパン販売エリアはなにか店内のデザインでこだわったところはありますか?
A2. 背面の収納とかはこだわってるかな。薬箱のようなデザインにしてる。実際これは開き戸なんだけど、薬箱のように いろいろな種類のものが入っているようなデザインにしてみた。
スタッフが出入りするアーチになっている部分はピンクのカラーにしたんだよね。「不思議な感じを出したい」という要望もあったから、魔女の宅急便という軸ともう1個ハリーポッターという軸があったんだよ。ホグワーツ魔法学校のような。何かちょっと不思議な感じがほしいって言ってたから、掛け合わせ 何かインパクトのある色とか形をつくろうと思った時に、ピンクかなと思って。
お化粧室はからし色で全て整えて綺麗に見せた。色を統一して、ちょっと照明とかで仕掛けをしたという感じかな。
Q3.外観は不思議な形で切り取られたデザインでしたが・・?
A3.
SOLIDOのところの切り取りはおにぎり型をイメージした。
おにぎりって三角のイメージがあって、ここの会社さんが農業の会社なんだよね。お米をつくっていて、おにぎり屋さんもやってたんだよ。今回、おにぎり屋さんを一旦閉めて米粉パン店をやっていくっていうことだったから、今までのお客様の中にはおにぎりの印象を持ってる人もいるでしょ?だからその要素をを少しだけ入れ込んだ。
あと、もともとが「米とか農業をより発信できるような場にしたい」という店舗づくりで始まっているので、単純に米粉パンの店という位置付けではないんだよね。
農業って重労働だし、耕作放棄地もあるし、後継者問題とか様々な問題がある。だからこそ、今の農業ってどういうものなのかとか、農家の方がやっていることとか、お米からつくられる商品は色々とあるんだという、アンテナショップみたいな立ち位置にしたかった。実際に米粉パンやお米だけじゃなくて、米ぬかのコスメやワンちゃんが食べれるようなノングルテンのクッキーとかも売ってるんだよね。
それに、農業をやっている方たちって田んぼで仕事をすることも多いから、田んぼを風景としてあまり見ないというか。
窓の切り取り方とか、フォルムで切り取るとか、それよってこの田んぼがすごくきれいに見えたりするんだよね。それを最外周の外壁でやった。だから、店内のイートインスペースの窓からは田んぼの風景がきれいに見えるようになってる。
Q4.版築の部分が地層のようになっているのが印象的でした。
A4.
版築って本来はもっときれいな仕上がりが多いんだよね。でも、今回はちょっと荒々しさを出してるんだよね 凸凹とか色合いとかっていうのを。きれいな感じだとさ、スンとしちゃうんだよね。ここはあくまで、農業の会社で農業のいいところもあれば泥臭さとか、ひたむきにやらなきゃいけないこととかそういうのも表現したかったから、版築っていうのをきれいにはつくらないようにした。ちょっと荒々しく土っぽい感じで。なんで地層っぽく見えてるんだよね。
工事中に発生した基礎の残土を一部混ぜて壁の仕上げにしてる。ある意味建築による地産地消をここで実現させている。あとは、お米づくりのときに廃棄物になる稲わらとか籾殻とかも混ざっているよ。
この廃棄物を堆肥として利用する場合もあって、その取り組みをしている会社さんなんだよね。だから、その考え方を踏襲したっていうのもあるかな。
Q5.新旧の道具にも着目したデザインも印象的でした。
トラクターが置いてあったでしょ? トラクターは今の時代っていうか機械で農作業をする。
昔は 鎌・鍬・鋤とかで畑を耕して農業には欠かせないものだったよね。それに建築って地鎮祭のときに鍬入れとかあって、地祭で使った鎌・鍬・鋤をどこか建築で取り入れようかなと思って、エントランスの取っ手に利用したっていうのもあるよね。
店舗ってビジュアルで見せなきゃいけないからさ、2次元で見せるというのが 1つポイント。写真を撮った時に魅力的に見せるとか繁盛させないといけないわけだから流行りとか追いがちなんだけど・・
今回はここのクライアントさんの考えとか、取り組みとかっていうのをダイレクトにデザインして、それを普通に農業だから農家っぽくじゃなくてパン屋さんという、きれいめなイメージと掛け合わせて、深く考えてつくったデザインしたという感じかな。
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