大好きだったものへ興味が薄れる恐怖
私って何が好きだったっけ
心療内科に掛かって「適応障害」という病名をつけてもらう前から、
憂鬱な気分は続いていて、何をしていても悲しくて、苦しくて、楽しくなかった。
明確にいつからそうだったか?今となっては思い出せないけど、じわじわと頭と心のなかに黒いもやもやしたものが侵食していたように思う。
もやもやの侵食率が高くなればなるほど、今まで好きだったものに集中できなくなる。好きなものがなくなっていく自分が嫌で、どす黒い感情がさらに私を支配していく負のループ。
病院にかかる頃には、「元気なときのあなたは何が好きだった?」という質問にさえ、うまく答えることができなかった。
着飾ること、美しくて尊いものへの投資
どちらかというと内向型で繊細で落ち込みやすい性格(自分で言うのは好きではないが)ではあったけど、元気なときは好きなものがたくさんあった。お洋服もカバンも靴も大好きで、ファッション誌やSNSをみてはクリップしていたし、ボーナスの時期が近づくと憧れのハイブランドの時計や鞄を吟味した。
コスメやスキンケアも毎シーズン新作をチェックして情報収集し、自分のパーソナルカラーや顔タイプに合うメイクについて動画をみては練習したり、美容皮膚科に通ったり、興味本位で化粧品検定2級も合格した。
韓国カルチャーやアイドルにもハマって、ハングルの勉強をしたり、推し事もしっかりしていた。
友達からおすすめのコスメやスキンケアを聞かれたり、推しがメディアに露出してたら連絡が来たり、韓国旅行前にホットスポットを聞かれたり、すきなものを周りに勧めるたびに嬉しくてたまらなかった。
そうだった、私には好きなものがたくさんあった。
美しくて尊いものは、人でもモノでもカルチャーでも映像でも文章でも大好きだった。私は美しくて尊いものにはなれないから、そこにお金を使うことで大好きなものを守っている気持ちになった。
好きなものが私のアイデンティティの1つだった。
休職するまでの不調になったとき、しんどかったことの1つで
これまで大好きだったものに興味が持てなくなったことはとても大きい。
新しい洋服もコスメももう随分買っていない。
ユニクロやドラックストアで必要最低限を済ませてしまう。そんな自分が嫌だけど、お洋服やコスメを買いに百貨店へ行くのが怖い。
私はこれが好きだったと思い出して、確信することはできた。
はやく、好きなものを思いっきり愛でることができる私に戻りたい。