エンゲージメントを上げるには、もうこれしかない! 今こそ経営にHeart Beatを。 その①「で、Heart Beatってどんなもの?」
日本における会社へのエンゲージメントは先進国でもダントツで低い状態が続いており、それを受けてかなんとなく人的資本経営の大切さがうたわれるようになってきた昨今。
しかし、いまだ状況は悲しいくらいに好転していません…。
そんな中、勝手な使命感とともに日本のすべての会社を、働く人を、“Heart Beat(ココロ躍る状態)”で変えるべく、わたしたちCUOREMO(クオレモ)社は独自の新サービス「Heart Beat PROGRAM」をローンチしました。
そして、すべての根源となる「Heart Beat」とはどんなものか? そして、会社や組織はどう進化できるのか? これからこの「Heart Beat総研」で研究&発信していきます。
この公式noteでは、説明するのもたどり着くのも簡単にはいかない(だから面白い!)この「Heart Beat」を、エンゲージメントやリーダーシップ、さらにはインクルージョンなど、さまざまな組織のあり方とともに深掘りしていきます。
第1回となる今回は、そもそもわたしたちCUOREMOはどうしてこの「Heart Beat」というもの(状態)にたどり着き、それを追求しつづける意志決定をしたのか。代表の木村貞宏と取締役の加藤翔大が、ちょっと熱めに語り合いました。
Heart Beatという概念はいつ生まれたのか?
加藤 「そもそも『Heart Beat』というキーワードを最初に言い出したのは僕だったと記憶しています。当時、僕と木村はそれぞれ違う会社で経営に携わっていたのですが、お互いにしっくりきていないモヤモヤした感じがあって…。そんなお互いの状況を話していたのが、そもそものきっかけでした」
木村 「僕は仕事に向き合うにあたって。世界平和であったり、「みんなで幸せになる」ということだったりを個人的なミッションステートメントに掲げてきました。そんななか、以前勤めていた職場の空気や文化に“売り上げ至上主義”のようなものを感じてしまい、『この目標を追いかけることは、誰のためなんだ?』という疑問が湧いてきたのが原点だったと思います。
その後、自分で会社を始めたわけですが、仕事の原動力みたいなのものには『自己』と『他者』の二軸があると感じていて、当時は僕の中で『他者』へのベクトルがすごく強かった。自分が経営方針を考える時でも『自分がやりたいこと=他者のやりたいことをどんどん形にしていくこと』になってしまっていて、『自己』と『他者』の整理がうまくできていなかったことが、モヤモヤした違和感の原因だった気がします」
加藤 「僕は28歳くらいまでに会社を4社変わっているんですが、思い返してみると、当時は自分に軸がなかった。そんな中、EQ(Emotional Intelligence Quotient)の講座を受けて自分がやりたいことに向き合う中で、その大切さにあらためて気付かされました。当時は『自分が何をしたいか』がなくて、『この経営者はかっこいい』とか『ここで働いている人はかっこいい』といったように“人”に依存して会社を選んでいたのですが、そのうち人のイヤな部分も見えてくる。そうなると、会社までイヤになって……と、負の連鎖に陥ってしまう。少しでもモヤっとすると全部がモヤモヤしてきて、結局転職してしまうということが何度もありました」
木村「そうやって、それぞれの仕事での体験を通して『働く上でのモヤモヤを解消し、コアの部分にたどり着きたい』という思いが徐々に強くなってきた頃から、お互いの中でHeart Beatの概念みたいなものというか、その輪郭が少しずつ見え始め、やがて2人で一緒にこのCUOREMOで事業として追いかけることになります」
加藤 「大学時代、僕が木村の後輩だったんですが、思えば初めて会った時から『ハッピーな空間を
作る』とか『人の幸せを作っていきたい』みたいなところにお互いシンパシーを感じていて、『将来一緒に何かできたらいいね』という話はしていました」
木村「大学時代からの付き合いを通して、一緒に事業を始めるまでの道は徐々に形成されていったのですが、僕が先にCUOREMOをつくり、その後、加藤と話を重ねる中で彼がEQを通してたどり着いたHeart Beatという概念をぶつけてくれて、それが僕の思いにも似ていると感じました。そこから今までかけて、だいぶ解像度が上がってきたのだと思います」
かくして生まれた「Heart Beat」の概念は、議論を通してさらに言語化されつつブラッシュアップを重ね、今ではCUOREMOの社内ではみんなが常に立ち帰るキーワードとして機能し、風土にもなり始めています。
そんな「Heart Beat」を分かりやすく言うと?
木村「僕の中でHeart Beatというのは、『心踊る状態』というのがすごいしっくりきています。未来に対して『ああしたい、こうしたい』が、どんどん出てくる状態というのがまさにハードビートできている状態。そして、その状態を作るのに必要なのが、『自己理解』と『他者理解』と『相互理解』で、なかでも自己理解がそもそもすごく大事だと感じています。この自己理解がない中で他者理解を行おうとすると、結局、他者の理想へ流されてしまい、本来の自分の理想とギャップが生まれてしまうので、まずは『自分がどう生きていきたいか』という自己理解が何よりも一番大事なのかなと思っています。
ただ、何かを成し遂げる場合、その多くはチーム活動。なので、実現に向けてはメンバー個々の理想を別のメンバーがわかっている状態も必要で、そういう意味では自己理解に加え、他者を理解しにいくことも等しく重要になるわけです。さらに、それがお互いで出来上がっている状態、すなわち相互理解が実現すれば、Heart Beatはチームや組織に広がっていく。自身がHeart Beatしているだけでなく、Heart Beat広がる状態…それこそが心躍る状態であって、そのためにも自己と他者との相互理解は必要不可欠だと思っています」
加藤 「僕にとってHeart Beatは、道半ばの状態でこそ生まれるもの。自己実現をゴールとするのであれば、それを達成した人はきっと、燃え尽き症候群のような状態になってしまう。なので、この自己実現にちゃんと向かう自分がしっかりとイメージできている時がまさに『Heart Beatできている状態』だと思っています。 自己実現に向けた“旅”をそれぞれが続ける中で、他者からサポートしてもらいながら、他者の自己実現もサポートしていく関係を会社を通じて行っていく…。そんなサイクルを後押しするのが、我々がやりたいことだと思っています」
Heart Beat は経営をアップデートする最強のドライバーになるのか? 道のりは険しいけれど、本気で追いかける価値がある!
とはいえ、組織運営を通してメンバー各人がHeart Beatしていくという状態を作るのは、人が集まれば集まるだけ難しくなるのも事実。まして会社経営に紐付けるとなればなおさらですが、それでもなお、組織にとってチャレンジするべき価値があるものだとCUOREMOは考えます。
木村 「Heart Beatを経営につなげるメリットとして考えられることは、各々が幸せを担保しながらどんどん前につき進んでいけるということだと思っています。Heart Beatの中には、本人のミッションステートメントや個人として『どう生きていきたいか』という指針が含まれているので、そこを大事にすることは本人の人生にとっても大事なんです。なので、そこを大事にしながらも前に進んでいけると、たとえば無駄なマネージメントが必要なくなるとか、無駄な配慮が必要なくなるとか、人間関係における悩みがなくなるとか、そういったことも実現できると思っています。
無駄な悩みがなくなれば、それはシンプルにお客様への貢献を研ぎ澄ますことができるということでもあります。お客様への貢献度が高まれば、それは当然売り上げにも跳ね返ってくると思います。ビジネスにおいてそれは切り離せないものだし、個人的にはそこがきちんと実現できていければ、 会社のメンバーみんなが幸せな状態でどんどん前に進んでいくことができて、会社が大きく成長する好循環が生まれると思っています」
加藤「もう少し具体的な話をすると、2022年の1月から僕は取締役としてジョインしているんですが、その時はCUOREMOの従業員は3人でした。でも今、2024年の5月時点で従業員数は約20名になっていて、離職率は0%です。他の企業に聞くと、やっぱり人の入れ替わりが激しいようで、そういった状況のなかで僕らのような小さい会社でも、ブレずに、みんながHeart Beatというものに共感して集まった成果だと思っています。
売上規模についても順調に拡大していて、前年比で150%くらいに延びているので、やはり各々が最大限に、生産性高く、自己実現を目指しながらしっかりと働いている、まさにHeart Beatしながら働いていることで、しっかりパフォーマンスも向上していることの裏付けだと思っています」
うまくワークすれば、経営における恩恵にもしっかりとつながるHeart Beat。ただ、実際には、実現に向けたハードルは決して低いものではありません。
木村「Heart Beat経営、正直言って難しいことしかないです(笑)。自己実現も、『マズローの欲求5段階説』じゃないですが、1つ1つ地道に達成していかないと辿り着かないというものでもあります。だから『自己実現をみんなで目指そうぜ!』とは言ってみても、 各々の解像度が当然違う。それぞれの解像度を上げ、かつ理解していくこと自体、大変な取り組みですが、加えて、本当に解像度を上げることがその人の人生に必要なのか、という問題まで目線を引いて考えてみる必要もときにはあるかもしれない。そこまで向き合う時間を考慮すると、やはり自社の顧客や取引企業など、外にのみ目を向けていた方が合理的ではないか…という発想にもつながりやすいんです。でも、そうなってしまっては多くの会社のやり方と何も変わらなくなってしまい、僕らが目指す意味がなくなってしまいます」
加藤 「つまりヒトではなくコトに向かいそうになりますよね。正直に言えば、自身の経営においても、やっぱコトに傾きそうになる瞬間はあります。でも僕らには『Heart Beat』という軸があるから、『いやいや、そっちじゃないよね』といった具合に立ち戻ることができる」
木村 「でも本当は、コトを提供することと、Heart Beatが紐づく世界もあるのだとも思っています。それは、会社において上のレイヤーに行けば行くほど、コトの重要性に向き合う経験をするからこそわかるものです。まずは経験を積み、その経験を踏まえより最短でHeart Beatへの紐付けができるようになると、お客さんへの価値提供と自分の考える価値が合致して、どんどん事業を推し進めていくことができるよい世界になると考えています。まだまだ道半ばですが(笑)」
まだまだ探求し始めたばかりの、このHeart Beat、そしてHeart Beat経営。自ら率先して押し進めているCUOREMOでは具体的にどのようなことを実践しているのか、そしてそれによってどんなことが生まれ、今後も期待をしているのか。
新規事業である「Heart Beat PROGRAM」の立ち上げにもつながっていくストーリーの続きは、次回お届けします!
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