事例活用法の効果的な使い方
ブーメラン話法 YES・But 法 YES・And法 質問話法 話題転換法
などなど、営業スキル本やサイトでご紹介されるお馴染みの応酬話法。
今日はその中の一つ、事例活用法についてお話しします。
まずは事例活用法のおさらいから。
名前のとおり、
「2015年の発売当初より、ご利用いただいたお客様から効果があった!
もう手放せない!というお声を寄せられる、弊社一番の人気商品です」
と、商品・サービスの効果を、利用者の事例で伝える方法。
営業パーソン本人から商品の利点を伝えるよりも、説得力がありますよね。
ただ、この事例活用法は、商品や場面によって使い方にコツがあります。
商品特性がダイエットやITソリューションなど、
実績が数として求められる場合は、上のような表現が用いられることが多いもの。
ただこれが、例えばハネムーンに出かけるカップル向け商材に使ったら
どうでしょう。
事例活用例1)
「こちらは、ご案内開始以来、たくさんのハネムーナーのお客様から、
泊まって良かった!紹介してくれてありがとう!と
お声が寄せられる人気のホテルです。」
実績はたっぷりのようです。
ただ、イメージするのは、右も左も自分たちと同じハネムーナーだらけのホテル。よほど旅慣れていない人以外は、泊まろうという気持ちにならないのではないでしょうか。
これを、
事例活用例2)
「つい先週も、帰国されたお客様から『二人の時間をゆっくり過ごせた。紹介してく れてありがとう!』と、ご連絡をいただいたばかりのホテルなんです。」
としたら、いかがでしょう。1)より心が動きますよね。
2)は、「お客様」という存在を一括りにした一般論で伝えるのではなく
実在する「あるお客様」のリアルなレポートとして伝えています。
相手は、その「あるお客様」を自分に置き換えて、イメージすることができます。
もちろん、その前に相手の期待をじゅうぶんに聞き取っていることが前提。
だからこそ、そこに近い「あるお客様」の事例が伝えられますから。
こんな風に研修で解説すると、「該当する『あるお客様』がいない場合は?」というご質問を受けます。
営業は個人でしているものではありません。
「私」にはいなくても「私たち」の中には、そんなお声を受けた人はいるはずです。
社内やグループ内に寄せられたお客様のお声は、そこに属する皆のもの。
自分ごととして、活用させていただきましょう。