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CSKのルーツを手繰る「尾道伝統の畳表編」

『CSKの原点である「畳」にフォーカス』

CSKの始まりは、遡ること60数年前「村上馨商店」という畳表を製造販売する卸問屋として創業いたしました。その後、畳を生産する為の紙工資材を製造販売する会社へと業態を変え、貼り合わせることで価値を生む「ラミネート」業界にも業態を広げて日々努力を重ねています。

 詳しくは最初の記事を参照
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なぜ畳業界をクローズアップしようと思ったのか

かつては尾道にも多くの畳表製造会社がありましたが、現在では2社を残すのみとなりました。
畳には多くの魅力があると思います!畳商材を扱うCSKとして、改めて畳に焦点を当て、「畳業界を盛り上げる一助になれば!」という思いでこのnoteを活用し、畳の魅力を発信していきたいと思います!

第1回目は佐々屋商店へ

CSKプロモーション映像でお世話になった佐々屋商店さんへ取材に伺いました。

有限会社佐々屋商店
1984年創業。尾道市西藤町にある畳の製造問屋。創業から10年は備後表を製造し、その後 龍鬢表(りゅうびんおもて)の製造に切替え現在に至る。40年間兄弟2人で営んでいる。
代表取締役 佐藤 恒俊さん(兄) 
専務 佐藤 知久美さん(弟)

プロモーション映像より佐々屋商店で撮影したシーン

龍鬢表とは

佐々屋商店で製造されているのは龍鬢表(りゅうびんおもて)と呼ばれる畳です。畳と聞くと家屋の客間や居間に敷かれた座敷畳を思い浮かべるかもしれませんが、龍鬢表は床の間に敷く畳のことをいいます。床の間は人が歩いたり寝たりすることはないので、強度よりも見た目を重視します。

床の間に敷いてある龍鬢表

龍鬢表には青いものと赤いものがあり、赤いものに使用する方は藺草(いぐさ)を干して色付けをするそうです。佐々屋商店の始業は夜明け前。太陽が昇って風が出る前に干さなければならないからです。この作業は1時間程度かけ全て手作業で行われます。藺草最大の敵である湿気から守るために、天気予報やアメダスを細かくチェックし、雨予報が出ると回収を行うそうです。雨で濡れてカビてしまうと使用できなくなってしまうんだとか。

青色の藺草(いぐさ)
赤色の藺草(いぐさ)

佐々屋商店のこだわり

藺草には丸藺(まるい)と三角藺(さんかくい)があり、龍鬢表に使用されるのは丸藺です。上記の通り見た目を重視しますので、藺草の美しさにはこだわっているとのことです。佐々屋商店が信頼を寄せる熊本八代の契約農家から仕入れた藺草を目で見て、丸藺の中でも特に丸いものを厳選して畳表を織ります。
長年の経験から、色を見れば瞬時に選別できるそうです。手際よく流れるように作業が行われ、あっという間に藺草の束が機械にセットされます。

畳表を作る機械は30年選手

佐々屋商店の畳表を支えてきた機械は、なんと30年以上稼働している機械です。最新の機械はもう少しコンピューター制御されているとのことですが、基本的な構造は60年余り変わっていないそうです。メンテナンスをしながら使い続けている機械は、現代でもまだまだ現役で畳表を織り続けます。

畳の良さと今後の展望

機械で織られる様子を見ていると、一本一本の藺草がピンと張られているので一見堅そうに見えますが、実はフワフワとした感触をしています。藺草の中はスポンジ構造になっていて、この構造こそが自然の畳の柔らかさを生み出しています。柔らかさを生み出すだけでなく、スポンジ部分が畳の様々な機能を支え、重要な役割を担っています。空気を多く含む構造は、熱の伝導を妨げ高い断熱性を発揮します。また、湿気を吸ったり放出したりする性質が調湿の役目を果たし、室内を快適な湿度に保ちます。これらのおかげで私たちは、夏はひんやり冬は暖かいという畳の良さを感じることができるのです。

二股に分かれた上側白い部分が藺草の中のスポンジ構造

ここまで40年間、大きな喧嘩もなく兄弟二人三脚で歩んでこられました。
朝4:00に起床し17:00頃まで畳を製造されています。
「同じ年齢の郷ひろみがテレビで元気に活躍する姿を見て、活力を貰っているよ。まだまだ張り切っていかんとね。」と弟の知久美さんは言います。
長年の知識と勘を結集し、尾道にある数少ない畳表製造会社として最高級の龍鬢表のご提供を続けてくださることでしょう。

左:代表取締役   佐藤恒俊さん    右:専務   佐藤知久美さん

お問い合わせ先
CSK株式会社
電話:0848-48-3911
有限会社佐々屋商店
住所:広島県尾道市西藤町1935-1
電話:0848-55-6143