2024年 ベスト音楽総まとめ(雑多部門)
どうもです。
2024年の総まとめ的な記事、第3弾。
最終的に「2024年 ベスト音楽総まとめ」記事に反映される「雑多部門」です。昨年までは「J-POP部門」としていて、毎年他の部門に入らないのをまとめてこの部門に詰めていたので、流石に名前を雑多部門に変更。今年は多くなり8枚の選出となりました。
#1『memento』/ tayori
Tazuneru×樂による音楽ユニット"Islet(アイレット)"の楽曲にて数多くフィーチャリングしてきた歌い手"倚水"の三者が2023年7月に正式にグループとして結成した"tayori"、待望の1stアルバム。
Islet時代はM3にも参加されていたので、同人部門で選出していましたが、2024年からはこちらの部門で。「星になる」「春を待つ」「白昼夢」「雪解け」とIslet時代の代表曲に、tayoriになってから制作した新録曲も加えた集大成的な1枚になりました。倚水さんの切なくも力強い透き通った歌声は依然として美しく、新録曲を通して新たな一面も見れてとても良かったです。Tr.6「ビビッド」のリズミカルなメロディに乗った軽やかさや、Tr.9「夢遊」での温度感の高い息遣いは特に新鮮でした。素朴で優しい音色の数々や御伽噺の様な幻想的で美しい旋律、詩的で叙情的な言葉に溢れた歌詞、緩急のある徐々に熱を帯びていくドラマティックな曲展開はtayoriでも健在で、彼等の音楽が紡ぎ出す世界がやっぱり好きだなと、改めてそう思えました。2024年は初のワンマンライブと追加公演の2回も現地に行けて本当に嬉しかったです。これからもっと大きく羽ばたいていって欲しい。
★特にオススメするTrack
⇒Tr.1「風のたより」、Tr.2「星になる」、Tr.3「春を待つ」、Tr.5「花がら」、Tr.9「夢遊」、Tr.11「メメント」
#2『神話集Ⅰ[兆光]』/ Lucia
映像制作に作詞作曲と、マルチな才能を持つ歌い手として活動するLuciaの1stミニアルバム。昨年4月にリリースした1st コンセプトソング『光の形』の作詞作曲を手がけた音楽ユニット「未来古代楽団」とタッグを組んだ全6曲を収録。
『光の形』がリリースされた時の感動は今でも刻まれているんですが、その感動を更に拡張してくれた1枚でした。暗闇だからこそ見える光を聴く者に感じさせる"救済"や"祝福"など神話的な世界観は統一されつつも、幅広い曲調の楽曲が展開されるので一つの物語としての形も保たれていますね。「未来古代楽団」を象徴する民族楽器を始めとしたサウンドの幻想的で色鮮やかな美しさは迫力もあり、これに見事に溶け合いながらも確かな存在感を放つLuciaさんの繊細で神秘的な歌声には只々圧倒されるばかり。声色や表現力の巧みさにも改めて驚かされました。特にアルバムを締めくくるTr.6「命と祈り」は、彼女の歌唱力にフォーカスしたミサ曲的な仕上がりで本当に素晴らしいです。2024年6月にはクラファンを経て開催された初ワンマンライブにも行くことができて、最高の想い出になりました。
★特にオススメするTrack
⇒Tr.1「光の形」、Tr.3「carousel」、Tr.4「月の夜のけものたち」、Tr.6「命の祈り」
#3『LUMINOUS』/ SCANDAL
大阪で結成され、昨年8月21日には結成17周年記念イベントで「同一メンバーによる最長活動ロックバンド(女性)」としてギネス世界記録に認定されたSCANDALの、前作から約2年ぶり、通算11枚目となるアルバム。既存曲に加え、SCANDALメンバーと旧知の仲であるボーカル・Lacoを有するEOWやRhythmic Toy Worldが提供したナンバーを含む全11曲を収録。
コ〇ナ禍を経て"また新しく明るい世界に行こうとしている"と、未来の自分たちへ希望も込めて制作された1枚。そんなテーマにも納得感しかない、美しく明るい雰囲気の楽曲が揃ってました。Tr.1⇒Tr.2の爽やかな風と共に勢い付く流れから既に素晴らしく、歌詞も前向きな気持ちにさせてくれる言葉が詰まってます。EOWが作編曲で参加したTr.4「Plum」は遊び心のある多彩なサウンドが鳴り響く失恋ソングに仕上がっており、Rhythmic Toy Worldのメンバーが作編曲で参加したTr.9「あなたへ」は歌詞も相まってサビのエモーショナルさが加速してて泣き。久々の提供曲でありながら、SCANDALらしさを感じられたのは、親交が深いからこそ実現した相乗効果だと思います。アルバムを締め括る「ハイライトの中で僕らずっと」は結成17周年記念イベントで初披露され、SCANDALに関わる愛が込められた1曲なので、力強い余韻が希望そのもの。全国ツアー東京公演も新鮮なステージが最高でした。
★特にオススメするTrack
⇒Tr.1「群青pleats」、Tr.2「ファンファーレ」、Tr.4「Plum」、Tr.8「Line of sight」、Tr.9「あなたへ」、Tr.11「ハイライトの中で僕らずっと」
#4『Origin』/ Odd
記念すべき1st EP。「Odd = 逸れ者、奇数、不安定な」という意味で、何者にも成れなかった人間が、何者かに成るためのプロジェクトとして、今年3月に活動開始。作詞、作編曲、エンジニアリング、映像編集などは全てセルフプロデュース。
期待の星。ジャケットイラスト通りのキラキラと澄み切ったスケール感のある世界観が全体的に広がっている1枚。表題曲「Origin」は力強くエモーショナルなメロディと、"これから始めるんだよ 自分の物語を。"の歌詞など一歩踏み出す勇気をくれる様な1曲で、このプロジェクトの主人公的ソングだなと思います。爽やか系ロック以外にも、Tr.4「Infenction」では結構アグレッシブなアプローチも見られましたし、Tr.5「或る話」は素朴で優しい音色に溢れており、透明感ある柔らかいボーカルの魅力が引き立っています。丁寧で多彩な音作りと、手を差し伸べる様な歌詞が素晴らしいので、少しでも生き辛さを抱える人に本作が届くといいなと思います。活動当初は正体不明すぎましたが、メンバーが明らかになる等少しずつ解像度が上がってきたので、今後の活躍が楽しみです。他のシングルもオススメ。
★特にオススメするTrack
⇒Tr.2「Origin」、Tr.4「Infenction」、Tr.5「藍に凪ぐ」、Tr.6「或る話」
#5『DOLL』/ 9Lana(クラナ)
1st EP。昨年末にリリースされた初のオリジナル楽曲「右ポケット」や、Giga & TeddyLoid提供のメジャーデビューシングル「Let me battle」などリリース済みのシングルに、新曲として2曲を加えた全7曲を収録。
オリ曲を出してからメジャーまでうなぎ登りの快進撃を魅せた彼女ですが、改めてその実力と魅力が詰め込まれた1枚でした。強烈ながなり声から色気あるウィスパー、優しさが滲み出る歌声まで、底が見えない様々な声色や歌い方を惜しみなく披露されており、表現力の高さには度肝を抜かれるはず。Tr.1「Let me battle」がタイアップ曲だった事もあり名刺代わりになりそうですが、Tr.4「BALALAIKA」の怪しげな雰囲気と色気ある揺蕩う歌い方も最高に好き。LoFi-Hip-HopなTr.6「真似事」の距離感の近い歌声には癒されますし、ミディアムポップナンバーTr.7「言っといてよ」の歌声からは、行き場のない切なげな感情がしっかり伝わってきましたね。今後益々ご活躍の場が拡がっていくと思うので、ライブとか機会があれば足を運びたい処。
★特にオススメするTrack
⇒Tr.1「Let me battle」、Tr.4「BALALAIKA」、Tr.6「真似事」、Tr.7「言っといてよ」
#6『光』/ DUSTCELL
3rdフルアルバム。 前作『自白』からは約2年9ヶ月ぶり。「足りない」や「可笑しな生き物」等これまでリリースされたシングルやミニアルバム収録曲に、新録曲7曲を加えた全16曲を収録。
Vo. EMAが、"自分にとっても、DUSTCELLにとっても、どこか「救われる」ようなアルバムができた"と語った1枚。ドープなサウンドを鳴らしダークな雰囲気漂う前作までとは対照的でありながら、ずっと変わらずに根底を流れていた「光」が表題曲に辿り着く事で表面化した様な作品でした。新録曲では、繊細なピアノの旋律が存在感を放ちつつ、環境音含むアンビエント要素も取り入れており、時にその先の超自然的サウンドにまで拡がる奥深さが魅力的でした。お洒落かつ叙情的なメロディも多く、感情を揺さぶられながらもそこに何とも言えない心地良さがある。歌詞では、生きる事に関する問い掛けや模索の先で共感を誘い、聴く者にも光が差し込んでくる様な真っ直ぐな言葉選びが秀逸。Vo. EMAの儚くて優しい歌声も相まって、その想いがゆっくり沁み渡る時間を過ごせるはずです。ラスト「光」を聴いた時のカタルシスは勿論、日常により馴染んだと云うか、DUSTCELLとの距離がより縮まった感じもした1枚。アルバム引っ提げたツアーファイナル公演も圧巻でした…。来年3月は遂に武道館。ガチで楽しみです。
★特にオススメするTrack
⇒Tr.1「GAUZE」、Tr.4「蜜蜂」、Tr.8「雨の植物園」、Tr.9「帰りの会」、Tr.10「Caffeine」、Tr.12「Void」、Tr.13「足りない」、Tr.16「光」
#7『heart bookmark』/ 水瀬いのり
自身初となるオリジナルハーフアルバム。アーティスト活動10周年を来年に控えた今、ブックマーク=しおりを挟む事でこの先も物語が続いていったり、”お気に入り”が沢山詰まってたりするアルバムという想いが込められたタイトルとの事。新録5曲を加えた全7曲が収録。
アニメタイアップもしたシングルTr.3とTr.4は、ライブアンセムにもなりつつある人気曲。それらを除くと、全体的には非常に華やかでありながら、日常にも寄り添ってくれる優しさと親しみやすさを感じる1枚でした。曲調やアプローチは様々だけども、そこは一貫してたと云うか。表題曲「heart bookmark」は正にそれを象徴する1曲だと思います。Tr.2「フラーグム」は、愛を感じる歌詞と温もり溢れるメロディが魅力的。Tr.5「ほしとね、」は、新鮮さもあった夜に聴きたいLo-Fiポップナンバー。Tr.6「グラデーション」では、アコギを軸に街の雑踏音や環境音も取り入れており、彼女の歌声も合わさって癒し成分の高い1曲。そして、お馴染み栁舘周平が手掛けたTr.7「燈籠光柱」は、溢れ出る祝祭の雰囲気と胸に迫るエモーショナルメロディが最高な、ライブ映え必至の名曲。11月のツアーファイナル公演では、一生忘れない多幸感と感動を味わう事ができました。2025年はアーティスト活動10周年、どんなライブが待ってるのか楽しみです。
★特にオススメするTrack
⇒Tr.1「heart bookmark」、Tr.3「スクラップアート」、Tr.4「アイオライト」、Tr.6「グラデーション」、Tr.7「燈籠光柱」
#8『Bloomy』/ 小倉唯
5thアルバム。約2年半ぶりとなるリリースで、日本コロムビア移籍後は初ですね。移籍後にリリースされてきたシングルに、自身が作詞も担当したリード曲「Wind of Bloom」を始め、新録5曲も含む全12曲を収録。
今年2024年8月に29歳を迎えており、感慨深くなったりもしたんですが、改めて色んな面で成長を感じる1枚でした。タイトル通り、美しく華やかに咲き誇る花を彷彿させる楽曲が揃い、それをより引き立たせる切なげな楽曲も挟まれています。彼女自身が作詞を手掛けた曲もかなり増えてきて、大人になった今の気持ちと併せて、歌い方もより深みのある表現が増えたなと。特にTr.10「センチメンタルメッセージ」は只カッコイイだけじゃない、複雑な感情が歌声に乗せられていたのが魅力的でした。可愛い高音ボイスも好きですが、息成分も巧く使った中音域が一番好きかもしれない。新録曲では、彼女らしいキュートでパワフルなTr.8「Lovely Happily Shiny Days」と、希望溢れるメロディと歌詞に勇気づけられるTr.9「One & Only」が特に気に入っています。どちらもライブ向きな楽曲で、ツアーファイナル公演ではシンガロングもして今迄とはまた少し違う一体感を味わう事ができましたね。
★特にオススメするTrack
⇒Tr.1「Wind of Bloom」、Tr.3「恋の秒針」、Tr.5「スターチス」、Tr.6「Empty//Princess.」、Tr.7「君色のキセキ」、Tr.8「Lovely Happily Shiny Days」、Tr.9「One & Only」、Tr.10「センチメンタルメッセージ」
以上、雑多部門の8選でした。昨年からまた枚数が増えたのは、それだけ新しい出逢いがあったからと云う事で。ここまでお読みくださり、ありがとうございました!ではまた!