「Colabo叩き」は新しい「公務員バッシング」である―暇アノンと新自由主義
こんばんは、烏丸百九です。
長らくnoteの更新をしておらず、申し訳ありません。Youtubeでの活動の他、先週から体調不良で寝込むなどしており、あまり積極的な発信が出来ませんでした。
今回は、一連の事件に大きな動きがあったことから、昨年ぶりに「暇アノン(暇空茜)問題とColaboバッシング」の話題に触れていきたいと思います。
事件についてよく知らないという方は、昨年のnoteを是非お読みください。
ついに崩壊し始めた暇アノン運動
最近の動きをよく知らない方のために簡単に説明すると、昨年私などが予想したとおり、暇空茜氏がColaboとの裁判で「事実上の敗訴」をしてしまい、シンパが続々と離脱・Colaboと和解する動きが広がり、いよいよ「暇アノン運動」そのものの崩壊が始まった状態と見られています。
少々解りづらい点として、暇空氏は自身の動画に対する著作権違反の申請などが不当だとして自ら仁藤氏≒彼女が所属する団体「のりこえねっと」を訴えており(つまり暇空側が原告)、裁判により訴えが棄却された≒事実上の敗訴、という流れになっています。単に「暇空敗訴」と書くと法的には誤りなので、ご注意ください。
また同時に、改めて後述しますが、暇空氏が再三追求していた「Colabo不正会計問題」にも一端の決着が付くこととなりました(192万円について経費と認められなかったものの、持ち出し費用だったため問題なしとの判断)。
また、この結果を受けて、改めて仁藤氏側が原告となり、暇空茜氏や彼に賛同した川崎市議の浅野文直など数名を相手取り、改めて名誉毀損による訴訟を起こしています。
複数の裁判を争っていることから、この裁判結果を受けて暇アノンにはかなりの動揺が走ったようですが、表面上の変化はあまりありませんでした(少なくともネット上の議論では)。
しかし上記名誉毀損の提起から、ネット上の一部アカウントが次々と「Colaboへの謝罪文」を投稿する事態が起き、「名誉毀損について和解」「暇アノンからの離脱」をはかる人々が現れたことが示唆されました。
(↑謝罪した人たちについてのまとめ(特に読む必要なし))
この流れが続けば、仁藤氏の提起した名誉毀損訴訟についても勝訴の見込みが濃いものと考えられるものの、一年間の「騒動」を受けて東京都はColaboへの貧困者支援事業委託を取りやめており、おそらく都との関係修復も難しい状態と見られるため、仁藤氏の事実上の負けであると考える人たちも少なくないようです。
Colabo叩きは新たな「公務員バッシング」である
あえて「事実上の負け」と書きましたが、暇空氏が正しかったかどうかとは一切関係なく、今回の件でColaboはじめとする、貧困者女性支援、若年女性支援などの事業主体に激しいバッシングが行われ、今後国内での活動がより困難になったことは間違いないと思われます。
そのことについて、「(正しかったかは別として)暇空は一定の成果を上げた」と評価している人もいるようです。
「市民運動」によって市民への福祉を削る、またそれを「成果」と誇るのは一見異様に見えますが、私はこれに近い現象を見たことがあります。公務員バッシングです。
これは2012年の記事ですが、最近では保守派と呼ばれる人々も公務員の方々の境遇に同情しているのか、はたまたパソナなどの企業による公務員支配がある程度完成を見たからなのか、バッシングも大分鳴りを潜めたように思えますが、「派遣」や「委託」が当たり前の業務形態になって以降、「公金を無駄遣いする委託業者」というフレーミングでColaboその他の団体がバッシングされている、という流れはあるのではないでしょうか。
私も含め、社民主義的な政策を支持するリベラル派であれば当たり前だと思いますが、そもそも国家がやるべき事業(貧困者支援や若年者支援)を民間委託している時点で「無駄遣いを削減する」「利益を追求する」目的があるわけで、それすらも「否認」「切り捨て」「厳格化」するのは社会の自殺に見えてならないのですが、一連のColaboバッシングを「フェミニスト批判」「ミソジニー」「ネット陰謀論」といった切り口でだけ捉えていると、案外こうした問題の側面を見逃してしまうのではないかと思います(無論、そういった切り口も非常に重要ではありますが)。
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