「SNSで話題」というシールを見かけたのだが、果たしてこれは宣伝文句になるのか
目の前の現物を信じるという話。
はじめに 「SNSで話題」というシールが貼られていた
札幌で立ち寄ったセブンイレブンで新商品が発売されていた。焼きたてのパンを提供するってやつで、現在そうした店舗をどんどん増やしているというニュースを見たことがある。
そのお店では結構力を入れて宣伝しているようで、実際に新しい商品を求める人々で結構賑わっていた。
ディスプレイに美味しそうなパンが並べられている。購買意欲をそそる雰囲気を醸成している。
ディスプレイに「SNSで話題」と書かれたシールが貼られていた。
今日はこの「SNSで話題」シールについて、本当に「今」「ここで」貼るべきものなのか考えてみたい。
「SNSで話題」のシール
シールはこんなのだ。
ディスプレイに貼ることで商品がSNSで人気が出ていることを伝えている。
今日はこれについてツッコミを入れたいのだが、「SNSで話題」は宣伝文句になるのだろうか。「うおおSNSで話題かぁ、買おう!」って、なるかなぁ?
いかにその理由をいくつかのセクションに分けて考察してみよう
話題のSNSを見ていても、見ていなくても・・・
まず、話題とされるSNSを見ていたかどうかで考えてみよう。おそらくイイね👍的なものやリポスト的なものが多くなされてこのパンが話題になっているということなのだろう。
でも私はそれをみていないし、一方でもしSNSを見ている方がこのシールを見たとしてもそれは既知の情報であり、シールを見ずとも商品を見た時点で「SNSで見たあれかぁ!」となるはずだ。
要するに、
1 そのSNSを見ていないから効果がない
2 そのSNSを見たから効果がない
シールといえるのではないか。つまり意味がないのでは? ということだ。
SNSで「どう」話題だったのか?
SNSで仮に話題になっていたとして、どう話題になっていたかまで現代では考究する必要がある。具体例を出すまでもなく「悪目立ち」してSNSで話題になっているモノや人ってのは、結構ある。バズったコメントの中で批評されている可能性もある。
そうした点はシールからは窺えない。
シールを見た時点で「SNSでバズってるのか、さてどんなんだろ?」とスマホを見て投稿などを探し当てなくてはならない。
「SNSで話題」シールは私たちに昨今求められるネットリテラシーを舐めてかかってやいないだろうか?
というか! 目の前にある美味しそうなパンをまず宣伝しろよ!!
この小見出しの通りなのだが、なぜわざわざ「SNSで話題」とか迂遠なことをするのか。
目の前には、リアルな、パンが、ある。
パンが目の前にあるのだ。現物のパンがホカホカ焼きたてで実存しているのだ。
なぜそれを宣伝しないのか。
なぜ焼きたてのパンを無視するのか。
なぜ眼前の美味しそうなパンの宣伝能力を無視して、SNSで話題であるという謎の武器を手に取るのか。
なぜまずそこにパンがあるのに、一度私たちにSNSで話題であることを考えさせる仕組みになっているのか。
これは絶対におかしいと思う。
「どうだぁ? 美味そうだろぅ?」
このシールでいい。
このシールを貼れ。貼るべきだ。
「今」「ここに」あるパンに即して宣伝をするシールを貼るべきだ。
ではどんな時に「SNSで話題」シールを用いるべきなのか?
「SNSで話題」シールはどのようなシチュエーションで用いるべきだろうか。それは今回のような美味しそうなものが眼前にある場合では、少なくともないだろう。
個人的には、目に見えないサービスに対しての宣伝として貼るのが良いと思っている。例えばお化け屋敷的なものはいいだろう。中に入らないと体験できない。SNSで話題になっていることで、入ってみるかぁ? となる。
他には脱毛体験とかでもいいだろう。銭湯のお風呂上がりの整体なんかも良さそうだ。食べ物関連だと、作る過程にエンタメ性のある食べ物は相性がいい気がする。半熟気味の卵が最後にふわっと割れるオムライスとか。
おわりに あまりにSNSの評判に期待しすぎではないか
目の前に美味しいそうな食べ物があり、私たちはそれを見て食べたいかそうでないか判断しうる。それなのに、「SNSで話題」シールが貼られている場面に遭遇したわけだ。
みんなSNSに期待しすぎだ。SNSで高評価なことは大したことではない。いや、大したことではあるんだが、目の前にある視覚情報、すなわち美味しそうなパン。そして、そういえば美味しそうな匂いもしていたな。いい匂い。さすがに現代であっても、ここではそれを優先するべきではなかったか。
売る側も注文する側も、SNSよりもこの目の前に広がる状況に自信を持って、目の前の情報から宣伝・判断するべきではないだろうか。