釧路市某所の1階男子トイレについて
はじめに 斜めの便座
釧路市は北海道道東に所在し、漁業や水産加工業、製紙業などが盛んな地域だ。かつては石炭鉱業も隆盛し、周辺には釧路湿原と阿寒摩周の国立公園があり、海浜のそれを含めて多様な自然環境を有する地域だ。
その釧路市のある場所に存在するトイレについて、今日は語ってみたい。
斜めの便座の効力
端的に言えば、トイレの個室(大便器があるお部屋)にたいして、大便器が斜めになっているトイレがあるのだ。
図にするとこうだ。
まずは普通のトイレを確認しよう。こうだな。
おもちみたいなのが便器な。多分一般的にはトイレはこんな感じだ。ところがである。釧路市内某所のトイレは以下のような構造になっている。
便器が斜めになっているのである。おそらく、内開きの扉の開く空間を確保するためなのだろう。部屋が四角いのにトイレが斜めなのだ。
都会ではこういうのは多いのかもしれないが身の回りではあまりみたことがない。
それではこの斜めの便器で用を足すことで発生するリスクについて考えてみたい。
斜め便座のリスク
便器に対して斜めに座ってしまう
私は毎回ここでうんこする時、間違った座り方をしてしまう。すなわち個室に並行に着座してしまうのである。その結果、便器に対して45度の変な体勢で便座に座ってしまうことになる。
これでは安心安全にうんちができない。
このことからは重要なことが判明する。私たちはおそらく、大便器に座るときに便座を見ていない。部屋の角度から判断して便座に座っている。部屋の形と便器の向きはほとんどの場合一定だ。部屋の形と便器の向きは普通は連動する。だから、部屋の向きから判断してノールックで便座に座る。
45度ずらしてしつらえられた便座は、図らずも私たち日本人が何を根拠に便器に座るのかを明らかにした。同時に、部屋に対して変な角度の便器については私たちは脳がバグってちゃんと座れなくなってしまう危険性を孕んでいる。
小便器勢に対してウェルカム体制をとってしまう
二つ目の問題点はあらためて図を用いて説明してみようと思う。この場所の大便器と小便器の位置関係は次のようになる。
なんつーか、大便器のお部屋にいるときにおしっこしにきた人が来ると、「ささぁ、どうぞどうぞ!」と出迎えている気分になってしまうのだ。
小便器に対しての斜めの姿勢が良くない。なにかトイレの案内人のような気分になってしまう。私は大の方をしているので、何となくトイレ内の序列も高く、先輩というか先達というか上に立つものとしてトイレを案内している気分になってしまうのだ。
畢竟、これも小便器に対して小便器側から斜めの姿勢になっていることが悪さをしている。45度ずれていることで、我々人類はこの釧路のトイレにおいて、今までにない小便器との位置関係を生じさせてしまっている。
「おしっこしてる人を座って出迎えている水先案内人」みたくなってしまう。
おわりに 時空間は割と簡単に歪む
いかがだっただろうか? 大便器を部屋に対して45度ずらすことで、私たちは脳が簡単にバグってしまう。空間を歪ませることは実は難しいことではないのかもしれない。当たり前にある位置関係を少しずらしてやることで、我々はパラレルワールドに行ける。
少なくとも釧路市には「それ」がある。