新記録
7年前の冬、保育園の園長をしていた時、
園長としての僕の仕事はまず、
朝に石油ファンヒーターの
スイッチを入れることだった。
古い日本家屋を借りて
保育園にしていたので
毎朝園内が冷え切っていたのだ。
まだうす暗い建物の中で
スイッチを入れて、
設定温度と室内温度の差を
確認するのが日課だったのだが、
その頃は最も低くても
室内温度は6度くらいだった。
カチカチカチ、ボーっと、ファンヒーターの点火する音がなんとも寂しかったのが印象的な記憶だ。
同じファンヒーターを
熊本に越して来た今でも使っているのだが、
熊本は盆地で冷えるので、
今日の朝、いまだかつて、
見たことのなかった室内温度、
3度というのを目視した。
こうして思い出は更新されて、
寂しかった思い出も
だんだんそうでもないものになっていく。
熊本の気候の厳しさにちょっと感謝。
思えばこのファンヒーター、
保育園開園のために
リサイクルショップで
7千円くらいで買ったものだが、
あれから7年、よく持ってくれている。