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「障害者は働くな?」
興味深い記事を読んだ。
要するに、「障害者には障害年金があるのだから、権利を最大限に行使して人生を有意義に過ごそうよ」という内容である。
資本主義の説明については複雑すぎて理解が追いつかなかったものの、「障害年金があるから働かなくていい」というのは斬新な視点で、非常に興味深く読み進めることができた。
「障害年金FIRE」という言葉は初めて聞いたが、言われてみればその通りで、「働かなくても暮らしが成り立つ」というのは幸福な立場であり、ある意味で贅沢な境遇なのではないだろうか。
プラトン、アリストテレスの時代には「働くことが卑しいこと」とされていたぐらいなのだから。
もっとも、一方では「障害年金だけでは食べていけない」という厳然たる現実があり、それについての議論も必要なのだが……。
しかしながら、時代に逆行した言説ではある。ノーマライゼーション、インクルージョンの美名のもと、「障害があっても働いて自己実現を!」というスローガンが声高に叫ばれており、「のんびり障害年金暮らし」と言った途端に袋叩きに会いそうな空気感だ。
私自身もまだまだ若いつもりでいるから、能力と体力、そして気力が許すかぎり人並みには働きたいし、自分で稼いだ収入に応じた暮らしを楽しみたいと思っている。
ただ、障害年金を大きなセーフティネットとして最大限に活用する考え方は、視野を大きく広げる意味でも役に立った。