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「私たちにできることは」

映画「ウィ、シェフ」をAmazonプライムビデオで鑑賞。実在するフランスのシェフをモデルとしたヒューマンこめでぃ。

(あらすじ)

いつか自分のレストランを開くことを夢見るカティ(オドレイ・ラミー)は、一流レストランのスーシェフとして働いていた。ところが、シェフと大ゲンカして店を飛び出してしまい、ようやく見つけた職場は、移民の少年たちが暮らす自立支援施設だった。質より量で、まともな食材も器材もなく、カティは不満をぶつける。すると、施設長のロレンゾ(フランソワ・クリュゼ)は、少年たちを調理アシスタントにすることを提案する。フランス語がちょっと苦手な少年たちと、天涯孤独で人付き合いが苦手なカティは、料理を通じて絆を結んでいく。やがてその関係は少年たちの将来だけでなく、カティの世界も変えていくことに……。

(引用:MOVIEPRESSWALKER

(ネタバレ感想)

クセが強く、ワケありの主人公が個性的な登場人物と関わり、時に振りまわされながらも人間として成長していく……日本でも鉄板として受け継がれている、王道のストーリーである。

「ごくせん」といい「GTO」といい、日本では主に学園物でこのパターンが多い印象がある。

あらすじとしてひと言で説明してしまうとありきたりで、陳腐なストーリーのように思われるかもしれない。

ただ、「ウィ、シェフ」では冒頭から随所にフランス社会に横たわる移民問題が過不足なく描かれ、大きなうねりとして増幅し、壮大にして切実なクライマックスへとつながっていく。

単なるコメディで終わらせないあたりは、さすがフランス映画である。

物語の中盤、主人公のシェフ、カティが生放送の料理番組にエントリーするあたりから少しばかり中だるみ感がよぎったが、ラストでの大胆な「伏線回収」によって思わず唸らされてしまった。

今も世界のどこかにいる彼らのために、今、私たちにできることは……。

上質なコメディは、すぐれたジャーナリズムでもあるのだ。

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