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松吉食料品店

かつては街にこういうお店は珍しくなかった。

全てが地のもので聞くまでもなく丁寧につくられた品物でそれこそ僕の育った京都でもいつも行きつけの店が二つばかりあった。

それが伝統的なものさえ“古き悪きもの”と当の日本人が言い出した、意味不明なHACCPなる国際的基準を満たせとは、いつから日本は日本を捨てることを決め込んだのだ?

同意するかさえ尋ねられたこともないのに突然勝手に何もしない間抜けな“国側”が都合良く決めたのを押し付けられた。

その結果、こういう店は製造を外部にさせるしかなくなり、その長きにわたって守ってきた秘伝をコンマ何グラムまで伝えその通りやるよう指示して完成品を引き取るしかないという。

店主の老婆曰く、それだけ伝えたってそのようにやってはいないと言っていた。

快活な老婆、うちの母親が生きていれば数年上だがこんな感じにチャキチャキだったのだろうと何故かこの世代と話をしていると懐かしさを覚え話せば止まらなくなるのでこの日は控えた。

粒の違う胡桃は厳しめに見ても国産、口っぷりからは石川の胡桃だろうと想像、フグも日本海のよきものを丁寧に干したもので、ふぐ子の糠漬けも同様。

高いか安いかと言われたらこの価格では他では中国産の材料のものしか買えないレベルですから、安価だと思いますが、本来のあり方とはこれが適正だと僕は思っています。

外国人特に中華系入店もお断りのお店、静かで落ち着いて適正な商売ができる金沢に戻ってもらいたいと切に願います。

インバウンドに血眼になって商機を追い求める前に己を見つめ直す必要がこの日本にはあると強く感じたひと時でした。

またそう遠くない日に訪ねますので、どうぞお元気で。

※追記

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000662484.pdf

端的に言えば国連の押し付けのようなもの。

正直、またかと言うレベルの、いつもの二枚舌です。

多様を云々騒ぐのであれば(いやそもそもが多様など人の身勝手による都合の良すぎる言い回しで本来的なところに意味などありません)こういう食文化の外部からの破壊に対して日本政府として乗るなど愚の骨頂です。反対し続け、それを無視するくらいやって当然。

国際基準なる怪しさはその裏には明らかな彼ら(誰とは言いません)に都合良きゴールが明確にあるわけです。完成すれば世界はまた誰かにとってとても扱いやすいつまらないものになるだけの話。そこには日本が長きにわたり蓄積して編集を重ねてきた全ては片鱗さえないだろうと思うのですが・・それでも良いなら別にどうぞなのですが、まず個人的に言わせて貰えばいいわけがない。そんなくだらぬ西洋一辺倒のひとつの価値基準など反吐が出ます。

日本人として日本の振る舞いに形容し難い怒りのようなものを覚える時点で何もかも間違っていると言っても間違いではなかろうと思いますが、いつになったらこう言う愚行をグローバルと言う怪しげな言葉のもとに追従し続け、日本を破壊し続けるのでしょうか・・

松吉食料品店
達者な店主

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