議論をすることが会議の目的になってはならない
新型コロナの被害を抑えるために、ついに4月16日に全国に非常事態宣言が出されました。私が住んでいる東京は、それに先駆けて4月7日に出されており、私も仕事柄ほぼリモートワークで仕事をしています。
当初は慣れなかったリモートワークも段々と慣れてきて、快適に仕事ができるようになってきました。
そして、お互いがリモートワークをしていると、会議がこれまで以上に容易にやりやすくなるものです。私も、通常の仕事のメンバーはもちろん、普段は中々お時間をいただけない方とも、リモートでお話させていただく機会があるなど、新型コロナという災いを転じて福となそうと、日々仕事をしております。
しかし、会議が増えてくると、段々とダラダラと議論をする様になるもの。そんな議論のための議論について、自らの人生を通して改善をした本をもとに、所感を書きたいと思います。
フランクリン自伝(ベンジャミン・フランクリン)
ベンジャミン・フランクリンは、アメリカ合衆国建国の父の1人とも言われ、(あまり見ないですが)$100紙幣にも肖像画が使われています。
フランクリン自伝は、自伝という形をとっていますが、自己啓発的な要素での学びが非常に多い本です。特に、十三徳という彼が自分自身に課した戒律は、「7つの習慣」を始めとしてその後の多くの人に引用されています。
今回は、十三徳全てではなく、議論好きに焦点を当ててみていきましょう。
まずは、その十三徳の一節から。
第二 沈黙:自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄するなかれ。
自分自身に課した戒律ですので、彼自身が元々議論好きだったのでしょう。しかも、十三徳のうち二番目に上げるほどです。
(ちなみに、一番目は「節制:飽くほど食うなかれ。」理由は、彼の写真を見ていただければよく分かる気がします。)
議論の仕方として、次のフレーズが心に刺さりました。
いきなりその主張の不当を指摘して、快を貪るようなことをやめる
ついつい、議論相手の主張に間違いや、論理的な矛盾があると、誰しも指摘をしたくなるもの。その指摘が議論をゴールに持っていくためにプラスになるものであればいいのですが、本論とは全く関係ないところで矛盾をしてきし、鬼の首を取ったようになってしまう。
皆さんは、そういうご経験がないでしょうか。
私は、つい先日もありました。
振り返ってみても、最初の指摘まではゴールに向かってプラスになる主張だったと思っています。ただ、その後が完全に蛇足でした。。。
その点は、部下の考え方でも全く悪くなかったし、全体で見ると些細なことだったのに、ついつい口出しをしてしまう。
そんな時にこの本を開いて、改めて、自分の会議への臨み方・相手との議論の仕方を見直さないといけないと思い返しました。
少し、蛇足になるかもしれませんが、
ベンジャミン・フランクリンの「沈黙」というキーワード。
最近のリーダーシップスタイル(サーバント・リーダーシップなど)では、「傾聴」という言葉に置き換えられるのかもしれません。
サーバント・リーダーシップでは、まず傾聴があります。
傾聴:部下の発言を心を込めて深く聴き、共感を通じて部下の気持ちや考えを正しく理解し、信頼関係を築く力
その傾聴の後に、質問につながっていきます。
質問:部下の頭の中にあるものを整理し、気付きを与え、自発的に考えて行動を促していく力
まずは相手の主張をしっかりと聞くこと。
そして、その主張を認めつつも、より良くできる部分について、相手が考えを修正できるように質問をしていくこと。
その様な建設的な議論をして、ともに1つのゴールに向かっていく。
そんな会議をもっと増やしていきたいものです。