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crageディレクター勉強会 第6回 ChatGPTを使ってみよう!AIキャッチコピー作成
デザイン×エンジニアリング×ディレクションをベースに「新しい価値観」を創造するクリエイティブ集団、crage(くらげ)株式会社のディレクションチームのおすぎです。
ディレクションチームでは月に一度、勉強会を開催しています!
テーマはジャンルを問わず、メンバー自身がこれまで学んできたことの中からチームに還元できそうなものを持ち込み、プレゼン形式で発表しています。(勉強会についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!)
勉強会の内容
今回の勉強会のテーマは「ChatGPTを使ってキャッチコピーを作ってみよう」です。
目的は2つあります。
実際にAIを使い、ツールに慣れてみる
どこまで的確な指示をだせるかを考えてみる
ディレクターメンバーは今回初めて触ると言った声もあり、どんな結果になるのか未知数な部分もありました。
そこで、まずは慣れてもらうこと、そしてお題に対して的確な回答を引き出すために、ユーザーがどのような指示を出す必要があるかを学びたいと思います。
ChatGPTとは
勉強会についてご説明する前にChatGPTについて紹介をします。ChatGPTは、サンフランシスコにあるOpenAI社が開発した自然言語処理のAIモデルです。GPT-3.5アーキテクチャをベースにし、対話型で人間のように文章を生成・理解します。様々なトピックに関する質問や会話に適しており、幅広い言語タスクに対応しています。2022年11月にリリースされ、現在では1億以上のアクティブユーザーがいるサービスとなっており広く利用されています。
AIモデルとは機械学習やディープラーニングなどの技術を使用して訓練されたプログラムやアルゴリズムのことを指します。これらのモデルは、Web上にある情報を大量のデータとして学習し、特定のタスクを実行できるようになります。例えば、画像認識、音声認識、言語処理などが挙げられます。AIモデルは様々な用途に利用され、人間の知識や行動の模倣、自動化、予測などの目的で活用されます。アイデアの生成やカスタマーサポートの補助、プログラミングサポートから教育補助の使用も考えられます。
リリース開始時には精度が高くない部分もありましたが、現在はより高い精度が出るように研究が進められており、これから使用するユーザーもまだまだ増えそうです。
といった紹介ですが、実はこの文章もChatGPTに手伝ってもらって書いています。
チームメンバーに壁打ちをする感覚で答えが返ってくるので使いやすさは抜群です。
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今後のWeb制作においても使えるツールである点と、AIモデルが関わる案件を想定してディレクターチームでもChatGPTを体験しようということで今回の勉強会を企画しました。
キャッチコピー作成
今回は個人ではなく3〜4人ずつの3チームに対して同じお題を出し、それぞれがワークしてもらう形で進めていく内容にしました。
お題は「お寿司のキャッチコピーを作成する」です。
短い文章で的確に表現することを求められるキャッチコピーを題材とし、私がお寿司好きということもあり、美味しそうなお寿司の写真を用意しました。
コピーを使用する場所はポスターや看板、WebサイトTOPや動画サムネイル、写真など多岐にわたります。
私たちディレクターもサイト制作の際にライティングを少し行うことがありますが、「いいキャッチコピーってなんだろう」「これでターゲット層に伝わるか?」と悩みながら作るので、そんな時に役立てられるように勉強をしていきます!
まず最初にコピーを作る上での要件を決めました。
よくあるチェーンの回転寿司のレーンに書いてある札のコピーを目指したので、コピーを考える上で最低限の必要な要素のみ決めます。
<伝えたいこと>
・朝獲れの天然まぐろ
・三貫で500円
・回転寿司なので家族に来て欲しい
・土日に多めに出す予定
<コピー条件>
・10文字〜15文字程度
・ファミリー向けにわかりやすく
・写真と合うような内容
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この内容をもとにチームで話し合ってもらい作成します。ただし10分で作成するよう設定したのでかなりタイトです。チームメンバー内でどのようにChatGPTへ質問をすれば最適なコピーができるかを悩みながら各自入力して作業に取り掛かりました。
そして出揃ったキャッチコピーがこの3つです。
Aチーム「家族でまぐろ三昧、満足度満点!」
Bチーム「家族で楽しむ朝穫れ鮪三貫500円」
Cチーム「極上まぐろ三昧!500円三貫」
同じお寿司のコピーですがそれぞれ違ったものが出てきました。強調している要素も違い、なかなか面白いです。ではChatGPTでどのように出力したか、これも3チームとも異なります。
Aチームの場合「会話をする」
実はこの会の説明時に「丁寧に接すると同じように丁寧な回答が返ってくる」と言ったナレッジがでてきており、Aチームはそれを参考にして作成しています。「会話ベース」で最初に要件を入れた後にブラッシュアップを進めています。その相手に感謝や柔らかい表現で伝えて人と話す感覚で何度かやりとりを行なっていくと、最初は固い印象のコピーでしたが最終的には柔らかく要件にあったものを導き出しています。
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Bチーム「質問内容を明確にする」
続いてBチームはシンプルに1つの質問の中に依頼内容、要件、出力命令を全て納めています。ただ、聞き方が違うためかAチームのコピーとは全然違う結果が出力されています。「ファミリー」「土日来店」と言った単語で馴染みやすいコピーとして出力されたのかなと思います。
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Cチーム「ロールを付与する」
こちらはユーザーとChatGPTではなく「クライアント」と「マーケティング担当」と役割を与えて聞いています。これは解像度を上げるためのテクニックで「ロールを与えてAIの役割を明確にする」という手法です。これにより、更に現実に即した出力ができるようになります。このチームは担当者と決めるような会議の装いで進んでおり、最終的に1案をブラッシュアップしています。
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3チームとも違うアプローチですが、要件に沿ったコピーを出すことができました。
10分という短い時間でも、「一つの質問の質を上げる」「量を投入してブラッシュアップする」「深掘りをして精度を上げる」の対応ができることがわかります。
1つのコピーを考えるのに30分以上かかる場合もありますが、ChatGPTを使えば短時間で思考の整理やアイデアを出すことは容易でしょう。
実際に利用してみたメンバーからは、「文章を書くのに便利そう」「考え事の壁打ちに良さそう」と言った声もあり好感触でした。
総括
作成後、全員でコピーを見せ合いながら各々のChatGPTとのやりとりを見比べました。会話量に驚いたり、質問内容の違いを見つつコピーの発表と合わせて聞きながら、使い方や入力内容によって多様なアプローチの仕方を学べました。実際に仕事でどのように使うかはメンバーそれぞれですが、実は私も、この勉強会の企画を捻り出す時に壁打ちで使っていました。
結果としてChatGPTを使ってみるということ自体を勉強会のテーマにして、メンバーにも新たなツールに触れる機会ができてよかったです。
日々新しい技術が出てくる業界なので、自身のスキルにできるようAIに慣れてもらい、実際に指示をすることでAIのクセや傾向を知ることができたので、今回の企画の目的は達成されたと思います。
今回の勉強会の紹介は以上です。いかがだったでしょうか。
ChatGPTに限らずAIモデルは現在様々なツール、分野で発展しています。
文章だけではなく映像や画像も生成できるように開発が進んでいるので、いずれは案件でも扱うことになるだろうと感じています。その時に仕組みや向き合い方がわからないままにならないように、crageディレクターチームとしては、これからもAIの扱い方を考えていこうと思います。
最後に
crageのディレクションチームでは、WEBに関する知識だけにとどまらず、幅広く様々な内容を勉強会に取り入れて個々のスキルアップにつなげています。
今後も定期的に勉強会の内容をご紹介していきますので、次回はどのような内容をメンバーが持ちこんだのか、ぜひ楽しみにしてください。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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