🇱🇰Return To Innocence
旅をしている時、なるべく五感を研ぎ澄ませるよう意識する。
視る、触れる、味わう、嗅ぐ、・・そして澄ます。
普段の生活では、イヤホンをつけて周りの音を遮断することが多いが、旅先ではつけないようにしている。
聴覚を開放して、音からの刺激を受け取るためだ。
けれど、スリランカの中央部、ジャングルの中に突如現れる高さ200mもの遺跡シーギリヤ・ロックを目の前にしたときはいつもとは違う衝動に駆られた。
その雄大な姿を眺めているとある曲が頭の流れ始めたのだ。
「あれ、この曲なんだっけ・・」確かに音楽は流れているのに曲が思い出せない。
シーギリヤロックを登るにつれて、曲は鳴りやまないどころか、激しくなっていく。
この曲がどうしても聴きたい。
悶々とした気持ちでシーギリヤを登る。
何がそうさせるのかわからない。
その曲とシーギリヤに対する僕の持つイメージがぴたりと重なったのかもしれない。
そして頂上に辿り着くまさにその瞬間、ふっと思い出した。
まるでシーギリヤからのプレゼントみたいだ。
シーギリヤの一番高いところでairpodsをつけると、周囲の観光客の雑音が消える。
遠くから民族的な独特のボーカルが耳に流れ込んでくる。
そして360度見渡す限りの絶景と音楽がひとつになって僕をつつむ。
弱さを恐れないで
強さを誇りすぎないで
友よ、自分の心を見つめてごらん
それが本当の自分に還る道
無垢へと戻る旅路
周りの声に耳を貸さず
自分の道を進むんだ
諦めないで、決して諦めないで
還るために、無垢の世界へ
君が伝えたかったことはこれかい?