002_確認状対応における非効率を考える
被監査会社と監査法人との間で起こりうる非効率を考えることがテーマの当note、今回は監査対応で必ず実施するであろう【確認状】について考えたい。
1. 何を書くか
監査対応で必ず発生すると言っていいほどの対応のひとつ【確認状】の対応について考えたい。
2. 監査対応の「確認」とは
監査基準委員会報告書505によると確認の定義は以下。
※監査基準委員会報告書は「監基報」と省略されることが多く、簡単に言うと会計監査人のよりどころ。
定義の通り、取引先である第三者に監査法人から直接確認状(手紙のようなイメージ)を送付して、取引先から回答を直接入手するということで、監査対応ではかなり重要な手続き。「直接」送りあうので、間に被監査会社が入らないため、仮に被監査会社が嘘をついていたらばれやすいですね。
3. 確認状の送付先
確認状の送付先は基本的には(他にも種類はたくさんあります)
・預金残高とか借入金残高等を確かめるために銀行に送付する「銀行確認状」
・債権債務(売掛金とか買掛金とか)の残高を確かめるために取引先に送付する「債権債務確認状」
・訴訟案件等を確かめるために弁護士さんに送付する「弁護士確認状」
の3種類が基本的なものと思います。
4. 確認状対応の基本的な流れ
「2. 監査対応の「確認」とは 」に書いた通り、確認状は基本的には監査法人と確認状送付先とのやり取りになります。確認状対応の基本的な流れは以下であり、次回以降各種確認状における非効率を考えていきたい。
①確認状発送対象について監査法人から被監査会社に連絡をする。
②被監査会社が確認状を作成する(社判とか押印が必要になる)
③②を監査法人に渡す
④監査法人が確認状を発送する
⑤確認状発送先の取引先が回答を記載して監査法人に確認状を返送する
⑥内容に問題がなければ完了。問題がある場合は追加対応が発生する。
ちなみに確認状対応はかなり重要な手続きでありつつも、監査法人では新人の方が対応しているのが多いと感じています。その上で前年に起こった事象等は引き継がれていないことが多いので、毎年何かしらの事象が発生して非効率が生じている印象があります。
次回以降、種類に区分して確認状対応について考えていきます。
皆様ご意見等いただけますと勉強になるのでうれしいです!