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【読書感想】心に緑の種をまく

今日は絵本に関する本の世界へ📖
絵本の合間に読む、気になった本の感想を書きます。



まずは一言

<わたなべ しげお>さん
と聞いて絵本好きの方が頭に浮かぶのは、
『くまくん(くまたくん)』のシリーズでしょうか?
『どろんこハリー』?
『エルマーのぼうけん』?

たくさん有名な絵本を翻訳されたり、
ご自分でも絵本を創作された方。有名ですよね。

27年前発刊の本ですが、
ニューヨーク公立図書館に勤務された頃のお話や、
翻訳された絵本の作者とのエピソード、
3人のお子様に読まれた絵本、
そのご自身の子育てから生まれたご著書の事などが、
絵本の紹介と共にたっぷり記されています。


今日の本

『心に緑の種をまく 絵本のたのしみ』

著者 / 渡辺茂男 
発行所/ 新潮社(1997年)


感想

私はカバーや巻末にある著者について書かれているところを読むのがスキです。
この方はどんな風に人生を歩いてこられて、
作家さんになられたのだろう?と、
想像しながら絵本や本を読むのがスキなんです。

大家族に生まれ病弱だった幼少期の思い出、
アメリカでの児童図書館員での出来事、
海外の作家さんとの家族ぐるみでの交流、
3人の息子さんの子育てエピソード、
ご自身や息子さん達が大好きな絵本について。

<わたなべしげお>さんがご自身を語るこの本は、
私のスキを十二分に叶えてくれる本でした。

そして読みながら、
子育て中かプレママ期にこの本と出会えていたら!
と今更ながら残念に思う程、
心に緑の種をまく素晴らしさを教えてくれる本でした。
(もっと我が子に絵本を読んであげたくなります!)


うちの息子たちは、
絵本タイムに「好きな絵本もっておいで」というと、
必ずと言っていいほど、
仮面ライダーなどの戦隊シリーズの絵本を
(まぁ、私も買うからなんですが笑)持ってくる人で、

私が読み聞かせたい絵本を読んだ記憶があまりなく、
心に緑の種をまけたかどうか定かではないですが・・・(笑)

お母さんやお父さんの普段の言葉掛けや心掛けで、
幼い我が子の小さな心にやさしい芽を出す種を
みんなきっとまいていることだろうと、
この本を読んで感じました。

また、著者の日本語の原書と英訳の比較も
とても興味深かったです。
外国のストレートさとは違う、
優しく余韻を愉しむような表現だったり言葉遣いは、
日本の良さですね。

"How do I put it on?"    絵本『どうすればいいのかな?』

This is my shirt.      「しゃつをはいたら どうなる?」
Do I put on like this?    「どうすればいいのかな?」
No!            「そうそう」
I put my shirt over my head. 「しゃつはきるもの」

(中略)

Here goes…        「さぁ、」
Shirt.           「しゃつをきて、」
Pants.          「ぱんつをはいて、」
Cap.           「ぼうしをかぶって、」
Shoes.          「くつをはいて、」
I'm ready. Off I go!     「いってきまぁす。」

『心に緑の種をまく』P130より


シャツをはいてしまったり、
くつを耳にかけてかぶってしまうクマくん。

シャツは着る。
靴は履く。

そんな子供の間違いと、ことばの掛け違いを
絵と短い文章で面白おかしく表現した素敵な絵本ですが、
そんな愉しみを絵本に出来る文化は日本ならでは。

また、海外絵本を日本語で表現する時の美しさや、
言葉の使い方にも文化が出ていると思います。
これから英訳や翻訳した絵本もまた違った見方で、
味わえそうです。

他にも素敵な絵本の紹介がたくさんされていて、
また読みたい絵本が増えています^^


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