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【読書感想】有頂天家族

今日は楽しい本の世界へ📖
絵本の合間に読む、気になった本の感想を書きます。



はじめに

前回読んだ『聖なる怠け者の冒険』の著者のあとがきと、下さったコメントにより読もうと思った本。

この辺で著者のこと色々と調べると、本書をはじめアニメ化舞台化された作品も多いことを知りました。でも2011年からスランプも経験されているとか…粉骨砕身。
そしてそれを抜けての最新刊!図書館の予約は今だ回ってきませんが、また読むのが楽しみになりました。






今日の本

『有頂天家族』

著者:森見登美彦
発行所:幻冬舎(2007年)




この本、要約すると・・・

要約にチャレンジしています。個人的記録です(^^;)

この本は、




【下鴨神社・糺の森に住まう下鴨家四兄弟の、阿呆の血のしからしむる話】





感じたこと

図書館で初めて森見登美彦コーナーの前で何から読むべきかと何の下調べもなしに思案していた時、この存在は知ったのですが、続編と共に並ぶ2冊の本の厚みから敬遠しておりました(笑)
そして借りてきてもなかなか手を伸ばせずにいたのですが、読み始めるとそんな心配はどこ吹く風。続編も借りてきておけばよかった!!
テレビアニメ化もされているだけあって、やっぱりおもしろい。

今回で、もりみー作品3冊目。
刊行順ってどうなってるんだろう??京都が舞台の作品はすべてどこかしら繋がっているのかしら??そういう繋がりがまたおもしろい^^

1冊目『宵山万華鏡』2009年
2冊目『聖なる怠け者の冒険』2013年

本作は2007年刊行なので、二冊よりも以前に書かれた作品。これがあって、宵山劇場や土曜倶楽部、天狗ブラン・・・が出来たのか。
(四畳半シリーズは読んでないから、ひょっとしたらもっと前のヘタレ大学生が出てくる作品が基になってるのかな?)
なるほどなるほど、つながるつながる( *´艸`)


狸と天狗と人間の話。(毛玉シリーズ第一弾?!)
今回はゾクフワっとする不可思議さが少なかったからか、その分ハッキリわかる面白さが常に感じられる作品でした!アニメ化にもしやすかったのかなぁ^^


「酒を支度して待てと伝えろ。気が向いたら出向いてやる」
来ると考えて間違いない。毛深い腹のうちでペロリと舌を出したとたん、先生が達磨を撫でながら「矢三郎よ」と言った。
「おまえ、今、これは来るに違いないと思うたろう」
「さすが先生、先刻御承知ですか」
「毛玉風情の考えることなぞ、先刻御承知である。まったく阿呆な連中だ」

『有頂天家族』第六章より


天狗である恩師・赤玉先生と、狸である主人公・下鴨家三男矢三郎の先刻御承知のやり取りが何度となく出てくる。ハッキリ言ってメンドクサイ笑のだけど、おもしろい。ある意味先生を敬い気遣う思いやりのある行為で、お互いが心得ていないと成り立たないのが味噌である。赤玉先生を上手に動かす手管なのだけれど、それも矢三郎の優しさであり阿呆でなければ出来ない。
機転が利き頼りになる矢三郎だが暢気で兄弟きっての阿呆だから、やっぱり色々とやらかしているのだけどそこがいい。

タカラヅカ好きでいつも麗しい美少年に化ける四兄弟の母上の愛は大きく深いし、母上に対する四兄弟の思いはみな同じで清い。亡き偉大な父上の豪快さ懐の深さがかっこよかったし、次期偽右衛門にせえもんをめぐってバトルする夷川家の金閣銀閣も憎めない可愛さ、口が悪く姿を見せない元許嫁の妹・海星の矢三郎への支援も可愛らしい誠意で、狸らしからず頑張る矢一郎兄貴、蛙になるしかなかった矢二郎兄さん、弱虫の弟だが最後に兄弟結束のきっかけを作る矢四郎と、挙げるとキリがない個性的なキャラクター達がみんな愛おしく感じてきます。
徐々に狸界・下鴨家に起こった悲しい出来事の真相が明かされていくも、もりみーが所々に見せるあたたかく優しいエッセンスが、やっぱりしっかりこの楽しい物語を底から支えているのだと思います。


「それは阿呆の血のしからしむるところだ」

『有頂天家族』より

何度となく出てくる言葉。
暢気で楽しく面白く生きていればよいという名言。

この作品もまさにこれに尽きる!

そして私は狸ではないけれど笑、退屈せず人生をそんな風に捉えて生きていたいなぁと思いました^^

「面白きことは良きことなり!」


次は…
赤玉先生の御令息が帰還!楽しみなり^^

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