桃を煮るひとを読んで、食いしん坊な自分に気づき、エッセイとはと思った話。
以前読んだ、絵本『あんまりすてきだったから』、歌集『水歌通信』の著者である、くどうれいんさん。
私の中で本の世界がどんどん広がるnote、読書記録を綴るおうみのひとさんに教えて貰ったくどうれいんさんのエッセイ『桃を煮るひと』を図書館予約していたのがやっと届いた。
食にまつわるエッセイ。とっても面白かった!
世の中には車なんて、着るものなんて、別に何でもよいという人がいるように、食べられたらなんでもいいという人もいるだろう。
その反対側にいるであろう、こんな美味しい本を創ってしまうくどうれいんさんは多分食いしん坊だ。
(っていきなり若い女性にこんなこというの失礼ヨネ・・・ゴメンナサイ)でもそう思う程、色々な食べものや食べることにまつわる話であふれかえっている。
そしてその数々のネタでこんなにも私を共感させて楽しませてくれたエッセイはなかったかもしれない。前のめりに反応して楽しめてしまう・・・うすうす分かってはいたけど、私こそ間違いなく食いしん坊だったと気づかされた。
私はくどうさんのように小さいうちからキッチンに立っていたタイプの人間ではない。結婚して料理も人並みに出来るようになったが、決して得意な方ではない。
でも食べることも作ることもスキだから、食いしん坊だから、頭も心も反応するのだ。
食べている時は幸せである。なぜか感謝があふれる。
食べることは生きること。生きることは食べることなら私は幸せだ。
食いしん坊万歳!!と思い始終ニヤニヤしながら、このエッセイでも幸せを食べていた気がする。
エッセイとは、こころの中を言葉にする・・・こんな感じなんだと、私もいつもの”ですます調”をやめて書きたくなった。
私の絵本記録noteも(紹介というより感想メインなので)ある意味そうかもしれないけれど、全然違う。
(やっぱり文体の問題ではないよね・・・苦笑)
この本には瑞々しい文章が並んでいて(食べ物だから?)情景描写がすばらしく、常識や人の目にとらわれずに自分の内側を打ち出しているところが心地いいのだ。たまに口が悪いところも愛嬌となり、文章力もユーモアもあって、キャラクターもいいからだろう。
何度となくふっと笑った。
これがエッセイ…なんだなぁ。
肩に力が入っていないような感じはするんだけど、陰では何度もキーボードを叩きなおしているかもしれない。
でも、本文より少し綺麗目なあとがきは、さすが作家という感じがした。
凡人の私にはハードルが高いが、私もいつもの読書記録ではない何かについていつかチャレンジしたい。
特にスキや、共感したもの、よかったもの^^
「ひとりでごはんを食べられない」
「んめとごだけ、け」
「焦げちゃった」
「どらやきの女」