パンとスープ
身体を拭いて
シャツを着替える
硬いパンをスープに浸して口に運ぶ
蝋燭の火に前腕の筋が浮かぶ
家を囲む森はどこまでも黒く
虫たちはざわめいて歌う
誰もがしばらくは無口だ
腹いっぱいになるわけじゃないが
皆がコーヒーを楽しみにしている
ぽつりぽつりと会話がはじまる
遠い街
ステンレスのような道
目もくらむような光の下で
食べきれない料理をよそに
ノートに数字をびっしり書き込む
食べ始めればテーブルマナーは完璧だ
規則的に回るプロペラの風を受け
彼らは金色の歯を見せて笑う
終わりのない言葉の応酬には
お偉い人の嘘と罵倒が溢れている
爆音に驚いて
鳥たちはみな飛び立った
彼らが突然家にやって来て
深々と頭を下げてにやりと笑った
森の美しさや僕たちの暮らしを
美辞麗句で語り涙さえ見せた
彼らの足跡にはもう二度と
草が生えることはなかった
僕たちの土に呪いがかかり
誰にも解くことができない
いつもの森
粗末なテーブル
硬いパンをスープに浸して口に運ぶ
泥のついた顔は透き通っている
僕の髪を撫でるがさついた手
いつまでもここにいたいと願う
だが明日はここを出る
奪われたものを取り戻しにいく
かならず戻るよ
またパンとスープを食べよう
Nuclear War(Version 1)
※多少の刺激を得ていることを除けば、この詩と動画の曲は関係はありません。
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