![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/160654602/rectangle_large_type_2_844933b2a67df272a986b94478ba307b.png?width=1200)
Photo by
rai_yade
パンとスープ
身体を拭いて
シャツを着替える
硬いパンをスープに浸して口に運ぶ
蝋燭の火に前腕の筋が浮かぶ
家を囲む森はどこまでも黒く
虫たちはざわめいて歌う
誰もがしばらくは無口だ
腹いっぱいになるわけじゃないが
皆がコーヒーを楽しみにしている
ぽつりぽつりと会話がはじまる
遠い街
ステンレスのような道
目もくらむような光の下で
食べきれない料理をよそに
ノートに数字をびっしり書き込む
食べ始めればテーブルマナーは完璧だ
規則的に回るプロペラの風を受け
彼らは金色の歯を見せて笑う
終わりのない言葉の応酬には
お偉い人の嘘と罵倒が溢れている
爆音に驚いて
鳥たちはみな飛び立った
彼らが突然家にやって来て
深々と頭を下げてにやりと笑った
森の美しさや僕たちの暮らしを
美辞麗句で語り涙さえ見せた
彼らの足跡にはもう二度と
草が生えることはなかった
僕たちの土に呪いがかかり
誰にも解くことができない
いつもの森
粗末なテーブル
硬いパンをスープに浸して口に運ぶ
泥のついた顔は透き通っている
僕の髪を撫でるがさついた手
いつまでもここにいたいと願う
だが明日はここを出る
奪われたものを取り戻しにいく
かならず戻るよ
またパンとスープを食べよう
Nuclear War(Version 1)
※多少の刺激を得ていることを除けば、この詩と動画の曲は関係はありません。
#詩 #創作 #パン #スープ #蝋燭 #前腕 #筋肉 #森 #虫 #歌声 #無口 #コーヒー #ノート #光 #テーブルマナー #プロペラ #教訓 #罵倒 #美辞麗句 #足跡 #土 #草 #呪い