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おすすめの一冊『そして誰もゆとらなくなった』
こんにちは。紀藤です。毎週日曜日は、おすすめの一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナー。本日ご紹介の一冊はこちらでございます。
文字でそれだけ笑えるってなによ?
ある方が「めちゃくちゃ面白くて、笑いに笑った」と紹介しているのを見て、何の本なのかもよくわからず、タイトルも面白そうだし、というだけで買ってしまった一冊です。
一言、「電車の中で読むのはやめたほうがいい」と強調されており、本当かなあ・・・と思いつつも読んでみた土曜日の夕方。家族で食卓に座りながら、電子書籍で読んでいると、腸をわしづかみされるような笑いが吹き上がり、声を出して笑っていました。なんなら涙を出してました(笑いすぎて)。
期待通り、否、期待を遥かに越える面白さで、活字で涙を出して笑っていたのを見ていた妻が「え・・・文字でそれだけ笑えるってなによ?」と思わず聞いてきたほどでした。
最高にくだらなくて、最高に元気をもらえる本
さて、本書の説明を全くしていいませんが、こちらは「エッセイ集」です。
著者の朝井リョウさんは、『桐島、部活やめるってよ』や『何者』など、映画化もされた有名小説を書かれており、直木賞も受賞した作家。
その実力のある著者が、日々の中で起こる何気ないエピソードを、その才能溢れる筆致で、最高に面白おかしく仕立ててくれた本です。
たとえば、「おなかがゆるくて、う◯こを漏らしそうになる」とか、「結婚式の余興で人体交換マジックをする」とか、「肛門科の先生とお食事を食べに行く」など、エッセイならでは日常エピソードを描くのですが、声を出さずに入られない、爆笑の渦に連れて行ってくれるのは、エピソードの面白さとその才能がシナジーを生み出した結果なのでしょう。
何がそんなに面白いかというと、それ以上は説明ができず「読んで下さい」としか言えませんが、真面目で知性を感じる文章の中に、突如やってくるしょうもない話が、緊張と緩和の落差に椅子から転がり落ちる感じを覚え、最高にくだらなくてい最高に笑える一冊に仕立ててくれているようです。
まとめと感想
すみません、もうこれ以上書くことができないのですが、「ぜひ読んでいただきたい」の一言。特に仕事で疲れている、ちょっと楽しめなくなっている、そんな顔面筋が硬直しがちな方には、超おすすめです。色々忘れて、ただただ楽しい読書体験をさせてもらえる一冊です。
以下、目次でございます。
時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く第三弾にして完結編。
怒涛の500枚書き下ろし! 頭空っぽで楽しめる本の決定版!
修羅!腹痛との戦い
戦慄!催眠術体験
迷惑!十年ぶりのダンスレッスン
他力本願!引っ越しあれこれ
生活習慣病!スイーツ狂の日々
帰れ!北米&南米への旅etc……
一生懸命生きていたら生まれてしまったエピソード全20編を収録。
楽しいだけの読書をしたいあなたに贈る一冊です。
エッセイというジャンルの魅力を教えてもらえる一冊でした。
さくらももこさんの『たいのおかしら』『もものかんずめ』『さるのこしかけ』を小中学校時代に読んで、大好きだったことを思い出した次第。
いやはや、ただただ面白かったです。