うつに陥る人の物の考え方
人はなぜ「うつ」に陥るのか?
今回は私の体験から一つ事例をご紹介して、そのメカニズムを考えてみたいと思います。
真面目な人が「うつ」に陥りやすいとよく言われます。
この言葉はある面では当たっているように思えるのです。私は長い職場生活の中で多くの仲間たちが「うつ」に陥るのを見てきました。
初めは「抑うつ気分」から始まり、これがしばらく続くと「抑うつ状態」になります。そしてすっかりエネルギーが涸れ果て「うつ病」になります。これが、人がうつに陥る一般的な流れです。
辛い出来事を体験したからと言って、いきなりうつ病に陥るわけではないのです。
かつて私の後輩が、あるプロジェクトチームの一員として大きな企画を進めていましたが、その企画がふとしたことから頓挫してしまったのです。
責任感の強い彼は、責任はすべて自分にあると思い込んですっかり落ち込んでしまいました。
担当の部署を変わった彼は、周りから励まされたにもかかわらず、抑うつ気分は改善されることなく、うつ病に陥ってしまったのです。
今、改めて当時の後輩の考え方や感情を推測し、私なりに分析してみると次のようになります。
彼は責任感が強く、何か問題が生じてもその原因を他人に求めることなく、常にその責任を自分で背負っていました。
そこには「この問題は私が・・・・・・しなければいけない」というビリーフ(考え方、信念)が強く働いていたと言えます。
そして、なかなか思うように仕事が進まない中、さらに周りから頑張るように励まされると、それに応えようとして彼は一層努力をするのです。
しかし、それでもうまくいかないと「これだけ一生懸命やったのに、私は何てダメなのだろう」というビリーフに行き着くのです。
同じ体験をした他のメンバーも多かれ少なかれ抑うつ気分は味わったのですが、ここまで深くうつに陥ることはありませんでした。
同じように辛い出来事に出会っても、深く落ち込む人もいれば落ち込まない人もいるのです。
なぜ彼一人がうつ病にまで陥ったのか?
もうお分かりだと思います。彼一人が、あまりにも柔軟性のない不合理な考え方をしていたため、この考え方が罪責感を生み出すことになったのです。
さらに、「自分は何てダメなのだろう」という二番目のイラショナルビリーフ(不合理な考え方)によって自己嫌悪に陥ってしまったのです。
彼がそのときもう少しラショナル(柔軟で論理的で現実的)に物事を考えることができていれば、このような結果にはならなかったはずなのですが・・・
よろしければ、メールカウンセリングで詳しくお伝えします。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回も、お時間のある時に読んでいただけたら幸いです。
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