不登校の原因が分かりません~2023年の不登校傾向~
「不登校の原因がわからない」
今年の相談で目立ったのが、
これまで登校渋りも不登校もなく、
友人関係も集団活動も勉強も 特に問題なく学校も好き。
なのに今 学校に通えない。
生徒さんも親御さんも 首をひねるばかり。
もしかしてそれは…
自律神経の乱れから起こっているのかもしれません。
2023年、今年の夏は
1989年の統計開始以降、最も高い平均気温となりました。
その異様な暑さだけでも
体には相当こたえていたことでしょう。
夏の疲れもたまったまま、
厳しい残暑は秋になっても収まらず
10月となっても
全国的に平年より高い気温が続きました。
そして11月、
季節外れの暑さから一転、
気温は急に低下し 本格的な冬の寒さに…。
急激な変化に見舞われた今年。
自律神経の働きが乱れてしまったとしても、
何の不思議もありません。
自律神経とは24時間365日、
身体を最適な状態に保つために働いてくれている神経。
ストレス・生活習慣・気温の寒暖差などによって
働きが乱れます。
また、
2歳頃から10歳頃にかけてストレス的暗示を受けると
自律神経の乱れが起きやすくなるとも言われています。
その年齢の頃に
コロナ禍などで恐怖や不安を強く感じていた子達には
特に起こりやすいことかも知れません。
(参考文献:子どもの発達と診断3 幼児期Ⅰ)
自律神経の働きが乱れると、
本来持っている力を発揮できない、
気力が出ない、
ストレスを乗り越える力が弱くなるなど
さまざまな心身の不調が現れるようになります。
特に朝や休み明けの日など、
OFFの状態からONの状態に切り替えようとする時が
大きな負担が掛かる時。
そのような時は とても調子が悪く、
ネガティヴな感情に支配され
他人に命じられることが不快でたまりません。
意欲が出ない、身体がスムーズに動かない理由は
本人は分かりませんから
「起きられない」「学校行かない」ととりあえず答えます。
何故かと問われれば、
衝動的に思いついた理由を答えるしかありません。
こどもの『学校(園)に行かない』は
『エンジンがかかりません』『今、本調子じゃありません』の意味。
ここで
「学校に行かないなんて!」と
焦って無理にエンジンをかけさせ頑張らせるより
ペースダウンを心がけましょう。
感情的になると 更なるストレスが加わりいい結果を生みません。
昼前や昼過ぎ、
夕方近くになるほど
気持ちも落ち着き
エンジンも回り出します。
そうなった時に、
「学校に行ってみてもいいかな」と
思えるようだったら行ってみる、
「教室に入れそうだな」と思ったら入ってみる、
「いや!無理!」と体が緊張するようなら今はやめておく。
これまでの
急激な変化の諸々に頑張ってこたえ
知らない内に疲れてしまっていた身体を労るよう、
ペースをゆるめて
焦らず、できそうなことからゆっくりしていくと良いと思います。