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「Equalityについて考える」~英語多読のための読書ガイド [ノンフィクション]~
英語学習誌『多聴多読マガジン』で連載している「多読のための読書ガイド」からのスピンアウト!
多読のプロたちによるおすすめの良書を紹介しているコーナーです。
ノンフィクション編 ~2023年12月号~
執筆:伊藤 晶子 (日本多読学会会員・公認会計士)
Equalityについて考える
今回は、カナダの子ども用ノンフィクションシリーズ Engaging Readers から、Equality(平等)について考える本2冊を紹介します。
1冊目は、What Is Ableism?です。
Ableism(エイブリズム)とは、障がい者に対する差別や偏見のことです。
日本語では「非障がい者優先主義」とも訳され、障がい者は「治す」必要があるという前提に基づいています。
しかし、この本では、社会環境が障がいを持つ人に対応していないこと、非障がい者を前提に作られていることが問題であると指摘しており、Ableismな行動を見かけたときに自分たちに何ができるか、この状況を変えていくためにどんなサポートができるかを、とてもやさしい英語で説明しています。
2冊目は、What Is Ageism?です。
Ageism(エイジズム)とは、例えば、高齢者は新しい物事を覚えられないと決めつける等、年齢に基づいた偏見やステレオタイプのことです。
Ageismに立ち向かうスーパーヒーローたちが紹介されており、ミッシェル・ヨー(2023年の映画、Everything Everywhere All at Onceで、アジア系女性初のアカデミー主演女優賞を受賞。この前年に還暦)がAgeismに立ち向かうスピーチをしたことが取りあげられています。
(1)『What Is Ableism?』(Engaging Readers Level 3)
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著者 Ashley Lee
出版社 Engage Books
総語数 1,200 語
Ableism(エイブリズム)とは、能力のある人が優れているという考え方に基づく、障がい者に対する差別と偏見を意味します。
このリーダーでは、子どもたちに、どのようにAbleismを認識するかを説明し、私たちがどのように行動すればインクルーシブ(包括的)になれるかを解説しています。
(2)『What Is Ageism?』(Engaging Readers Level 3)
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著者 Sarah Harvey
出版社 Engage Books
総語数 1,200 語
Ageism(エイジズム)とは、年齢、特に年齢が高い人々に対し、年齢を理由に無視したり排除したりするような考え方のことです。
このリーダーでは、子どもたちにAgeismの例を説明し、Ageismを認識したら、どのように行動すべきかを、やさしい英語で解説しています。
『多聴多読マガジン12月号』発売!
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12月号の特集は、「意味でつなげて広げる 最強英語ボキャビル術」です!
無理なく効果的に語彙力を増強する手段としておすすめしたいのが、単語ネットワークの構築です。
この特集では身近な話題やホットなトピックを選び、関連する単語をネットワーク化して語彙力拡充につなげる方法と実例を紹介します。