金継ぎチャレンジ #4(最終回)
金継ぎチャレンジ第4回、今回で最終回です。
第1回から第3回まではこちら。
第7工程 塗りの研ぎ
第6工程で、接合部分を弁柄漆で塗ってコーティングしました。まずはこの弁柄漆を研いで、滑らかに美しく仕上げます。
上では接合部分の一部にしか弁柄漆を塗っていないけど、本当は継ぎ目全体に塗るはずです。弁柄漆が継ぎ目を水分などから保護する役割になるはずなので…。やってるときは良く理解してなくて、後から気付いたんですが。
僕はそのまま進めちゃったけど、ここの研ぎが完成品の美しさに大きく影響するので、塗り→研ぎは何度か繰り返した方がよいとのこと。
第8工程 金粉蒔き
さて、ここまでやってきていよいよ金粉蒔きです。
「蒔き」と言ってもやることはシンプルで、継ぎ目にごくごく薄く弁柄漆を塗って、その上に金粉を「乗せる」というイメージです。
ここで塗る量が多くなってしまうと、金粉を乗せたときに漆の中に沈んでしまって、綺麗に金のラインが出ません。とにかく、かすれるぎりぎりで塗るのがポイント。筆の乗せ方に全てがかかってくるので、手が震えそうになって難しいです。
塗った後30分程度乾燥させてから、金粉を蒔いていきます。
綿でなでるとパッと金の継ぎ目が現れて、めちゃめちゃ楽しいし魔法みたいで感動的ですらあります。ただの土のようだった金粉が、一瞬で紛うことなき金に変わるのも面白い。ここまでやってきた苦労が報われる瞬間…。
弁柄漆の下塗りに触れてしまった影響で、金粉が広がってしまった部分。失敗だけど、まあこれも初めての金継ぎのご愛嬌です。逆に愛着が湧いて良いですわ。
この状態で、3,4日しっかり乾燥させます。
第9工程 金粉固め
最後の工程です。いまのままだと漆に金粉が乗って乾燥しただけなので、金が剥き出しの状態です。これを保護するために、透漆を塗ってコーティングします。
余分な金粉を拭き取った上から透漆を塗ります。塗って→ティッシュで拭って、を何度か繰り返して定着させます。
完成!
おおよそ2か月かけて完成しました。
期間はかかってるけど、作業は毎回30分程度で、基本は塗って→乾燥させての繰り返しなので、週末に少しずつ進めることができてそんなに負担感はないです。むしろ、ちょっとずつ器が直って美しくなっていくのを実感できて、次の作業が楽しみになって良いくらい。作業をする中で器を観察していると、より親しみが感じられてきて愛着が湧くので、その点でもやってよかったです。
ほかにも、金継ぎを進めるうちに器それ自体にも興味が湧いてきて、焼き物の本を読んだり陶器市にも行き始めるというおまけもあったのだけど、それはまた別の機会に。
Before
After
世界で一枚の、自分だけの器になった瞬間です。
金継ぎ、とても楽しいのでおすすめです。機会があればぜひ。