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【創業111周年】 シャープ株式会社
今回は、「シャープ」をリサーチしました。
今年で創業111周年を迎えた日本を代表する家電メーカーです。
私は気づけば身の回りの家電がSHARP製で揃っていました。
ただ、最近は台湾のメーカーに傘下入りしたりとニュースになる機会も多い会社です。
それでは、さっそく見ていきましょう〜
①概要
基本データ
事業内容:電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売
設立:1912年
上場市場:東京プライム市場
時価総額:6400億円
従業員数:単体5290名(平均年齢45.6歳)※
平均年収:708万円※
※会社四季報 2023年4集 秋号より
シャープは1912年に発明家の早川徳次さんが18歳の若さで創業した金属加工会社が元になっています。
社名の由来は、
1915(大正 4)年 金属文具の製作技術の研究改良を進め、金属製の繰り出し鉛筆を発明。 さらに改良を重ね、1916(大正 5)年 エバー・レディー・シャープ・ペンシルと名づけて一世を風靡、これが現在の社名および商標である“シャープ”の由来となった。
とのことで、文房具のシャープペンシルを発明したのも、早川徳次さんだったのですね。
②事業内容
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スマートライフ&エナジー:白物家電など
スマートオフィス:プロジェクターなど
ユニバーサルネットワーク:テレビ・通信など
ディスプレイデバイス:スマホ/PC用ディスプレイなど
エレクトロニックデバイス:センサーモジュールなど
家電以外にも、オフィス向け製品や産業用のディスプレイ、センサー事業にも参入しています。ざっとtoC:toB=3:7位の割合でしょうか。
特にスマホ向けディスプレイ事業とオフィス向け電化製品の割合が高いようです。
③業績
直近の決算
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営業利益:本業で稼いだ利益
経常利益:営業利益+本業以外の損益の合計
純利益:税金などを引いたあとの最終的な利益
売上高はほぼ横ばいながら、利益が2022年以降激減しており、2023年には営業赤字となりました。
要因としては、物価高による白物家電の苦戦、円安、スマホ・PC市況の悪化が挙げられています。
特に売上比率が大きいディスプレイ事業が、中国や韓国のメーカーとの競争にさらされており、大苦戦しているようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1700105730837-BJ6da1FbDT.png?width=1200)
また、2022年度には堺・三重の液晶工場を減損処理したことから通期でも6年ぶりの最終赤字となるなど、苦境が続いています。
貸借対照表(B/S)
続いて貸借対照表を見てみましょう。
貸借対照表(バランスシート=B/S)は、その会社が持つ資産を可視化したものです。
![](https://assets.st-note.com/img/1700102227276-8D7d0H2xXW.png)
流動資産:現金にしやすい資産(現金・受取手形など)
固定資産:現金にしにくい資産(土地・建物など)
流動負債:1年以内に返済が必要な負債(短期借入金・引当金など)
固定負債:1年以内に返さなくても良い負債(長期借入金・社債など)
自己資本比率:総資本のうち自己資本が占める割合。高いほど健全。
自己資本比率が15.5%と低い水準です。
シャープは現在、台湾の鴻海グループの傘下にて経営再建中であり、多額の借り入れなどをして事業の立て直しを図っています。
財務上は不安定と言わざるを得ませんが、今後の再起に向けての先行投資の意味合いも多いかと思います。
損益計算書(P/L)
続いて損益計算書です。
損益計算書(P/L)は、その会社がどう稼いで、何にお金を使ったのかを可視化したものになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1700102545704-J2aEXfcfVl.png)
売上高:本業で稼いだ収益
売上原価:売上を上げるために直接かかった費用
販管費:商品の販売や管理にかかった費用(広告費や賃料など)
営業利益/損失:本業で出た利益/損失
営業利益率:売上高のうち営業利益が占める割合。高いほど効率よく稼いでいる。営業損失の場合は算出できない。
営業損失が出ていますが、同社は通期では黒字を達成する見込みを出しています。
また、製造業なので売上原価が多くなっております。
シャープは各種経費の削減を進めていますが、赤字のディスプレイ事業が立ち直らないとなかなか見通しは難しくなりそうです。
株価の動向
最後に、直近5年間の株価推移です。
![](https://assets.st-note.com/img/1700104601091-Zdi4eggFh9.png?width=1200)
直近では若干上向いているものの、一時10年来安値をつけるなど、長期的には非常に低迷しています。
業績の悪化と、赤字のディスプレイ事業をどうするかの目処が立たない状況で、株価の上値は重い展開が続いています。
④まとめ
以上、「シャープ」についてリサーチした結果、
・日本を代表する家電メーカー
・しかしディスプレイ事業の失敗で台湾企業傘下に。経営再建中
・2Qでは営業赤字に。財務状態も不安定続く
・株価は低迷中。業績の改善が急務
でした。
今後も個人的に気になった企業についてどんどんリサーチしていこうと思います。