「手放す力」で去り際も美しく ー新年の目標に「やめる」を追加する
はじめに
「継続は力なり」「初志貫徹」など、物事を続けることを推奨する格言は数多く存在します。
一方で、「辞めること」を肯定する言葉は、意外と少ないものです。
しかし、選択肢が多様化し、変化が激しい現代社会において、辞めることや切り替えることは、むしろ生き抜くための重要なスキルと言えるでしょう。
辞めることに対する偏見
「辞める」という行為には、未だにネガティブなイメージが付きまといます。
「続けない=弱さ」という考え方
多くの人が「辞めること」を弱さや失敗と捉えがちです。仕事を辞める、趣味をやめる、人間関係を断つ…これらの行為には、どうしても罪悪感が伴いやすいです。
社会的なプレッシャー
継続を美徳とする社会の風潮も、「辞める」ことを躊躇させる要因です。途中で辞める人を批判する声や、「最後までやり通すべき」という圧力が影響します。
未知への不安
辞めることで生じる不確実性もまた、辞める決断を難しくしています。次のステップが見えない状態では、現状を維持するほうが心理的には楽に感じられるものです。
辞めることのポジティブな側面
辞めることには、前向きな意味がたくさんあります。それは単なる「放棄」ではなく、「次のステップを選ぶための準備」なのです。
新しい可能性を生む
一つのことを辞めることで、時間やエネルギーを新しい挑戦や学びに向けることができます。過去の拘束から解放されることで、新しい未来を切り開けるのです。
自己理解が深まる
辞めるという選択を通じて、自分にとって何が重要で、何がそうではないかを明確にできます。これにより、より自分らしい選択ができるようになります。
精神的な負担の軽減
辞めることで、ストレスや不満から解放され、心身の健康を保つことができます。特に、無理に続けることで消耗するよりも、思い切って辞めるほうが得策な場合もあります。
辞める練習の方法
辞めることに対する罪悪感を減らし、適切に切り替えるための練習を以下に示します。
小さな決断から始める
まずは、小さな辞める経験をしてみましょう。たとえば、不要なサブスクリプションを解約する、使わないアプリを削除するなどです。これらの経験を通じて「辞める」という行為に慣れていきます。
自分の価値観を見直す
辞める際には、自分の価値観や優先順位を明確にすることが重要です。「なぜこれを続けているのか」「これを辞めることで何が得られるのか」を考えることで、納得のいく選択ができます。
周囲の意見に惑わされない
辞める際には、他人の意見に左右されず、自分自身の感覚を大切にすることが必要です。他人の期待や批判に縛られることなく、自分にとって最善の選択を追求しましょう。
未来を見据える
辞めることは、終わりではなく新たな始まりです。辞めることで得られる時間やエネルギーをどう活用するかを考えることで、ポジティブなイメージを持つことができます。
辞める力が現状を変える
たとえば、仕事が10あるとします。自分が10の仕事でいっぱいの時は、新しい別の仕事を受け付けられません。満足していればいいのですが、不満があっても今の10の仕事にしがみつくしかなくなります。そう、何かを上手に手放す力が現状を変えていくのです。
辞めることは、あらゆる新しい可能性を受け入れるためのスペースを作る行為でもあります。現状に縛られず、余白を作ることが未来を切り拓く鍵になるのです。
始めることと辞めることの関係
始める事も諦める事も「選択」という行為のコインの裏表なのです。どちらも人生において重要な決断であり、互いに補完し合う関係にあります。
物事の始まりを大切にするように、去り際にも感謝の気持ちでむかえたいものです。辞めることは、ただの終わりではなく、新たなスタートのための準備でもあるのです。
辞めることを恐れない社会へ
現代社会では、変化や選択の自由がますます重要になっています。その中で、「辞めること」に対するネガティブなイメージを払拭し、辞めることの価値を再評価する必要があります。
辞めることは、決して失敗ではありません。それは「成長」や「挑戦」の一環であり、次のステップに進むための大切な選択なのです。
まとめ
「辞める」という行為には、罪悪感や恐れがつきまといますが、それは私たちの人生を前に進めるために必要なスキルでもあります。辞める練習を通じて、自分にとって本当に大切なものを見極め、より充実した人生を築いていきましょう。
新しい年が始まりました。本年の決意100のうち、いくつかは「辞める」目標があってもいいと思うのです。
ちなみに、わたしはあるSNSのアカウントを1つ削除してみました!
意外と大きな決断でましたが、別の事に時間を使えるようになっていると思っています。