ドラマチックと多様性
多様性(たようせい)とは、幅広く性質の異なる群が存在すること。 性質に類似性のある群が形成される点が特徴で、単純に「いろいろある」こととは異なる。(ウィキペディアより)
人のものを奪いたがる人が居る。
そして、かき乱す事でドラマチックになれる人がいる。
性分なのか憑依型なのかはわからないけれど、後先考えず行動に走る人がこの世の中にはいるのだ。
友達だった年上女性は、酔うと「人のものが欲しくなっちゃうんだよね~。」と言ってしまうくらい自分をドラマチックな存在だと思っていた。
実際に、私の彼にタクシーで家まで送ってくれと言っていたことは今まで何度も目撃している。餌食になった元カレ談では、車中で指を絡めてきて「うちで飲み直さない?」と言われたらしい。タクシーのドアが閉まる時「あの子ばっかり、なんで私じゃないわけ?」と怒ってきたそうだ。
私はというと、言及もしなかったし、彼女はさびしいんだなと思ったくらいだった。
付き合っている彼がその誘いに乗ったら、やっちまったなと思うが、私のことを好きになってくれる男性は、誘いには乗らない自信がある。
綺麗で気持ちの良い行為ではないけれど、まあ彼女はメスだし仕方ないかと思っていた。
しかし、数年前に見方が変わってしまった。
私の職場の男性たちと一緒に食事をした際に、彼女が気に入った10歳年下男性と手を繋ぎ始めた。急にタクシーで帰ると言い、彼に送らせた後一旦バイバイをし、家に着いて数分後に「会いたい。やっぱり家に来て。」と連絡をした様だ。その手口恐るべし。そしてその夜に付き合い、ほんの数日で別れていた。
それって付き合っていた事になるの?
私はこれらの行為で、やっと人間性を疑った。
大人なので、ふたりの事は任せているけれど、後先考えず私の立場も考えずに行動し、相談という名の文句ばかり言っていた為、一気に呆れてしまったのだ。
正直、職場関係を荒らさないでほしかった。
それでもめげずに、ふたりが別れた後彼女から、私と彼女と年下男性の3人で食事をしたいと言ってきたのでセッティングをした。彼女には「2軒目でふたりになりたいから帰ってほしい」と言われ、私だけ帰宅。後日2軒目の話を聞いたら「あいつずっとあんたの話してたよ。気を遣わせちゃったかな?とか言ってたけど、大丈夫だよ、私達友達だし、そんな事気にしたりしないからって言っといた。だからなんか違ったんだよね。」と言っていた。彼女曰く、年下男性は彼女の事を『職場の〇〇さんの友達のきれいで大人な女性』と思っており、自分の事を見てくれていなかったから、別れて正解だった、時間の無駄だったと言っていた。
その年下男性が色々オブラートに包んで言った事もわかるし、その時の感情だけで生きているんだなと悲しくなった。そうだ彼女には、きれいや可愛いと言われたら猪突猛進になるスイッチがあるんだ。そんな彼女は魅力的なんだと思う。
会って数時間ですべてを理解させる事なんて無理だと思う。安定した結婚に急いでいたのは知っているが、スイッチを入れるのが早すぎる。そもそも、その飲み会は出会わせる為のものでもなく、ただ単に楽しく飲みましょうの会だ。いい感じになるのは自由だが、もう少し落ち着いてほしかった。
そんな私はというと、今までは、彼女のそれらの行為が平気だったのに、ここ数年でキャパオーバーになってしまった。実はものすごく狭くつまらない人間になってしまったのかもしれない。
彼女のキャラクターも、一種の多様性なのかな。