カウンター1枚ぶんの壁の、心地よさ
飲食で働いた現場の数はおそらくざっくり20箇所くらいなのだけど、その中で一番自分が楽しかった現場のことを考えて今回のお店を作ることにした。
そのお店はカウンター中心の小料理屋スタイルだった。
当時の雇われていたタイミングやお客さんの質や一緒に働くメンバーだったり、幸運が重なったから余計に楽しかったということはあるんだけど。
小料理屋スタイルのいいところ。
お客さんが来てくれてから退店するまで、短くない時間を共有できる。
直接コミュニケーションが取れる。
コミュニケーションといっても親しく話がしたいというのとは少し違って(それもそれで好きですが)、何も話さなくてもただ時間を共有することだけでもコミュニケーションたりえる、と思ってる。
何も話さないけど常連さん、とか結構いたし。
なんで来てくれてるのかとか色々聞いてみたい気持ちはあったけど、そこ突っ込みすぎるのも野暮かなとぐっと飲み込む。
逆に、お客さんの様子がちっとも見えない厨房が私にとっては一番面白くない現場だった。
けどゼロ距離も怖いので、カウンター1枚分の壁がちょうど心地いい。笑
お客さんから、何かしらの反応をもらえることがやっぱり嬉しいんだと思う。
今回のお店は(色々制限もあり)小料理屋とは少し違うスタイルなのだけど、自分の気持ち的には小料理屋です。
あとは、守られた空間でひとりになりたい人のための場所でもありたい。
なぜなら自分がそういう場所を必要としているから。
頭の中のこんがらがりをほどけるような場所。
けど、東京ってどうしても人口が過密なので空間や人との距離感が、自分的には、うーんちょっと惜しい…という場所が多くて。
今回お店をひらく桜堤という場所は繁華街では全くない、静かな住宅街なのでひとりでぼーっとしたい人にもぴったりな場所です。笑
どうかのんびりしに来てみてほしい。
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