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『汝、星のごとく』凪良ゆう

※本文引用
「でもそれは誰と比べておかしいんでしょう。
その誰かが正しいという証明は
誰がしてくれるんでしょう。」
(引用ここまで)

2023年本屋大賞作品。
ヤングケアラーと言う言葉を聞くようになった。
メディアでは以前より時々耳にしていたが、
最近では、身近な人も口にするのを見て、
やっと定着してきたのかなという印象。

※ヤングケアラーとは
「本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこどものこと。 責任や負担の重さにより、学業や友人関係などに影響が出てしまうことがあります。」
(こども家庭庁より)

この作品は、
若くして親の荷物を背負い、
自分を生きることを躊躇う2人が、
大人になるまでを描いたものだ。
先日読了した「水車小屋のネネ」と同じように、
数年毎にエピソードが進んでいく。
地方特有の生きづらさや、
メディアやSNSの事実と異なる炎上についても、
触れていて、
読むにあたって、
辛い思いをする人も居るかもしれない。
でも、自分の持っている何かを、
言語化されることで少し楽になったり、
理解されたような気持ちになることも、
あると思う。
私はそんな思いを秘めている人にも、
こういう作品を読んで、
解放されて欲しいと思う。
完全な解放では無い。
ちょっといつもより多く酸素が吸えたらいい。

正しいは人の数だけある。
人の正しいに縛られる苦しさは、
私も理解している。
人は自分の正しいと違う人を口撃するものだが、
それに囚われるか、かわして生きるか、
それが自分を守れるかの決め手だと思う。

#日日是好日
#読書感想文
#凪良ゆう
#汝星のごとく

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