〔5〕《中間管理職も必見!》決断するのが苦手…プレッシャーの中で冷静な判断をする秘訣
管理職以上のポジションになると、
日々の業務は数多くの決断をすることが中心になります。
CEO(社長)とはまた違った決断を強いられ、
管理職の決断は組織全体に大きな影響を及ぼすので、
プレッシャーは計り知れません。
CEOはやりたい方向を示す決断、
COO(最高執行責任者)はそれをどうやって達成するのか?
その為の決断を下し、
指揮をとらなければなりません。
現場の中間管理職は、
その意図を汲み取り、
COOよりもさらに先手を打って、
どのように自分のチームを動かしていくのか?
判断をしなければなりません。
CEOの意図、会社の未来に加えて、
社員の現状やモチベーション等も
考慮しなければならないので、
「決断する」というのは、
非常にセンシティブな仕事とも言えます。
そこで今日は
「決断力」がテーマです。
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このnoteブログ「COOエクスペリエンス」では、
現役のCOO であり、
COOの育成〜教育研修をしている
実際の経験に基づいた内容になっています。
厄介なマネジメント問題に立ち向かうための
活きた現場の知恵や戦術を、
お伝えしているので、
フォローして頂けたら嬉しいです。
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早速、テーマの本題に入っていきます。
重圧の中で、
いかにして冷静な決断を下し、
組織にとって最良の采配をしていけば良いのだろうか?
決断のジレンマ
組織内外の様々な要素を絶えず考慮しながら、
迅速かつ効果的な決断を下すことを求められます。
経営陣の意向、現場のリアル、市場の動向、
そして未来のビジョンまで考慮しなければなりません。
ところが厄介なことに、
これらの要素が常に一致するわけではなく、
しばしば矛盾や対立することがあります。
その結果、
複雑なジレンマに直面することになります。
◎良くある例→
【社長が新しい市場に積極的に進出することを決断した】
しかし、
現場チームはリソースやスキルの面で準備が整っていない…
結果、
社長からは「早くなんとかしてくれ!」と言われ、
現場からは「社長の暴走を止めて下さいよ!」と頼みこまれ、
板挟みの中で判断を迫られてしまう。
さらに、
市場調査をしてみたら、
その市場が予想以上のリスクを伴う可能性が示唆されていた…
それを社長に報告したら、
「だからやる意味があるんだ!」
と余計に火をつけてしまった。
現場は
「だから言っているじゃないですか!
どうせ失敗するし、今は忙しいから無理ですよ!」
という状況になってしまう。
COOに限らず、
中間管理職にとっても“あるある”の状況ですよね笑
このような状況で、
・社長の意向に沿って無理矢理にでも進めるのか?
・現場の懸念や市場データを重視して、
慎重に一旦保留にするのか?
難しい選択を迫られます。
◎会社内の異なる部門同士での矛盾も発生します→
営業部門はより高い売上目標を求める。
その一方で生産部門は品質を維持するために
現在の生産ペースを維持したいと考えている。
(生産部門)
「これ以上は無理だって言ってるのに
営業連中が勝手に仕事をとってきやがった!」
(営業部門)
「せっかく苦労して仕事をとってきたのに
生産部門がチンタラやってやがるせいで売上が!」
という生産部門VS営業部門の対立構造である。
両部門の要求をどのように満たし、
調和させるかもCOOの判断力に委ねられます。
場合によっては
中間管理職の力量に委ねられるでしょう。
これらのジレンマは、
重大なストレスになりますし、
決断のすべてが組織に大きな影響を及ぼすため、
間違った選択が出来ないという不安が常に付きまといます。
このような重圧の中で冷静かつ効果的な決断を下せるように、
特定の心構えとテクニックを身につけておきましょう。
決断力を強化するための心構えとテクニック
効果的な決断を下すためには、
特定の心構えとテクニックがないと、
メンタルが保てないでしょう。
今から紹介する方法は、
決断のプロセスを合理化し、
ストレスを軽減するのに役に立つでしょう→
◇心構え:情報と直感のバランス
決断力を強化するための最初のステップは、
情報と直感のバランスをとることです。
当然、
組織内外の多様な情報源、データに
基づいて意思決定を行うのが定石ではあります。
管理職以上の役職は、
経験が豊富かつビジネスセンスがある人が
任命されているポジションだと思います。
そういう方であれば、
案外、直感や過去の経験に基づく
「ガットフィーリング(直感)」も重要だったりします!
闇雲にカンだけで全てを判断するのは当然ダメですが、
熟考した後、最後に直感で「これだ!」と思ったら
案外、それが正解だったりもします。
※余談ですが、
なぜか、COOの多くは、
右脳型よりも左脳型が多い傾向にあるポジションで、
ロジックで説明が出来ないことを選択するのが
苦手という傾向があります。
『時には直感でも良いんだ!』
というのを頭の片隅にいれておくだけで
心が楽になることもあります。
そうは言っても、
ロジックで決断をしないと不安だ!
という方向けに決断の要素/テクニックを
分解してお伝えしておきます→
◇テクニック1:リスクとリターンの評価
決断を下す際には、
それぞれの選択肢のリスクとリターンを
慎重に評価することが重要です。
まずはExcelでもノートでもいいので、
選択肢を書き出します。
その横に「リスク」「リターン」の欄を作り、
”点数”及び”どうなるか”を言語化して書き出します。
書き出したら
5分ほど小休憩をしましょう
(この小休憩がめっちゃ大事です!)
小休憩を挟み、
書き出したExcel /ノートを客観的に見つめます。
(小休憩を挟まないとどうしても客観的な視点になれません)
冷静に客観的な視点で、
「リスク」「リターン」の数字をみながら、
合理的な選択肢を選びましょう。
テクニック2:意思決定の優先順位付け
どの決断が最も重要であるかを識別し、
優先順位をつけることは極めて重要です。
やり方はテクニック1と同じで、
まずはExcelでもノートでもいいので、
選択肢を書き出します。
その横に「優先度」の欄を作り、
優先度が高いものを10。
低いものを1として書いていきます。
数値が高いものから
選択していくという方法です。
テクニック1と似ているようですが、
違うのはリスクではなく、
優先度で判断していくという方法です。
『今、何を優先するのか?』というのは
現場の状況によって変わってきます。
基本的に優先度が高いのは、
お金になるまでのスピードが
速いものを選ぶのが商売の鉄則です。
ですが、
状況によっては、
各部門の成果を優先させたり、
社員のモチベーションを優先させる方が
結果として成果が上がるというケースもあります。
いずれにしても
「なんとなく」ではなく、
優先度を数値化して可視化する。
これをするだけで、
自分の決断に自信が持てるようになります。!
テクニック3:ステークホルダーとのコミュニケーション
COOの決断は多くのステークホルダーに影響を与えます。
その為、
決断を下す前に、
関係するステークホルダーとの
コミュニケーションを大切にし、
彼らの意見や懸念を理解することが重要です。
一見、決断とは関係ないように思えますが、
彼らとのコミュニケーションを円滑にしておくと、
入ってくる情報量と質が向上し、
解像度の高いシュミレーションが可能になります。
その結果、
自信をもって決断が出来るようになります。
日常で出来る”決断力アップ”実践法
決断力を鍛えるためには日々の習慣が大切です。
そこで、
日常で出来る”決断力アップ”実践法を紹介します↓
実践1:シナリオプランニング
これは、
異なる未来のシナリオを想定し、
それぞれのシナリオに最適な戦略を考えるプロセスです。
未来の不確実性に対する準備ができ、
柔軟かつ効果的な決断が可能になります。
空き時間などに
「この場合はこうなってこうなるなー」
「あれはこうなるから、次は…」
みたいに
簡単でもいいので
常にシナリオを考えて、
シュミレーションする習慣をつけるだけで、
決断力は鍛えられます!
実践2:フィードバックループの確立
過去の決断から学ぶことも、
決断力を高める重要な方法です。
自分の決断がもたらした結果を定期的に評価し、
どの部分がうまくいったか、
何が改善されるべきかを考察します。
また、
チームメンバーや他の経営層からの
フィードバックも積極的に求め、
自己反省と成長につなげましょう。
選択したことが、
「当たってたのか?」「間違っていたのか?」を
確認しない方が意外と多いですが、
これを習慣にするだけで選択の精度は上がっていきます。
実践3:ストレスマネジメント
ストレスが溜まっている状態では
決断力が大幅に低下します。
経験がある方も多いと思いますが、
イライラしている時、
焦っている時の選択は大体、間違えていて、
大きな失敗を招きます。
だからこそ、
定期的な休息、
趣味や運動などを通じて
ストレスを管理することで、
メンタルを保ちましょう。
冷静な判断が可能になります!
メンタルヘルスを意識したライフスタイルを送ることで、
日々の決断にもポジティブな影響を与えることができます。
そんなこと言われなくてもわかっているけど、
「この立場だから、
ある程度ストレスが溜まるのはしょうがない!」
という声もあるでしょう。
「どうしてもストレスが解消出来ない!」
という方は
これだけは実践するようにして下さい↓
◉決断しなければいけない会議がある前には、
外に出て軽く散歩するとか、
一服するようにして、
とにかく心を落ち着かせる。
◉話すとイライラするのが予めわかっている社員や
エネルギーを消費するクライアントとのアポを
会議の前にはいれないスケジューリングを
組むなどの工夫をしましょう。
とにかく
決断前にストレスが溜まることはしない!
実践4:知識と経験の拡充
決断力を鍛えるためには、
継続的な学びと経験の蓄積は必要です。
新しい知識を得るために
業界のトレンドや最新の研究に目を向けること、
また異なる業種や分野の知識に触れることで、
視野が広がり、多角的な判断が可能になります。
これは当たり前ですよね。
基本なので一応、お伝えしました。
実践5:意思決定のための時間の確保
重要な決断を迫られたときは
十分な時間をとって考えるべきです!
急いで決断を下すことは適切ではなく、
十分な時間を確保して全ての情報を考慮する。
熟考した後に決断をしましょう。
その為に、
緊急ではないタスクは後回しにし、
重要な決断に集中する時間を作りましょう。
そうは言っても、
実際の現場では、
すぐに決断を迫られるシーンも多々あると思います。
ですが、
大きな決断をしなければいけない時は、
『即決禁止!』という自分ルールを心に決めて下さい!
とにかく、即決しない!
急ぎの案件であっても即決せずに、
一度、外に出る。
たとえ時間がないとしても、
1分でいいので外に出て深呼吸してから
決断をするようにして下さい。
これだけでも、
かなり違ってきます。
※会議中はどうするの?と思った方へ
「トイレ休憩にしましょう」
「大事な決断なので一旦、一服しましょう」
と言ってみたり、
とにかく空気を変えるようにしましょう。
どんな方法でもいいので、
即決しなくても良くなる空気を作りましょう!
「一旦、持ち帰らせて下さい」
と言うのも手です!!
コンクルージョン:決断の重圧を乗り越える
重圧の中で、
冷静かつ効果的な決断を下す能力は、
COOにとっては不可欠なスキルと言えるでしょう。
シナリオプランニング、
フィードバックループの確立、
即決禁止といった
実践的な方法は決断力を一層強化します。
何よりも大切なのは、
決断を下す際に「自分を信じること」です。
直感や過去の経験も大切な指針であることを忘れずに。
今日のnoteがCOOや経営者、リーダー達が
職務を果たすために少しでもお役に立てたら幸いです。
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