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初めてアルコール専門医に診察を受ける

2014/5/21

今日は初めてアルコール依存性を扱う心療内科「醒ヶ井クリニック」へ行った。

ぎりぎり久里浜医療センターには行かずによくなって、心療内科にしたとは言えAAや◯◯断酒会などのパンフが置いてある場所に自分が行くことになるとは。過去には想像していなかった。

醒ヶ井クリニックはきれいで、患者さんたちもビジネスマン風の人、主婦っぽい人、OL風の人、お年寄りなど一般内科と変わらない。

先生が何人かいるらしい。

「嘉殿さん1番へどうぞ」名前を呼ばれて応接室のような診察室へ入った。

担当の先生は豊見先生だ。優しそうな男の先生。このクリニックに来ることになったいきさつを話すように言われてこれまでこのブログに書いた事を話した。

十数年前からワインを飲むようになった、
それは味が好きだったからであって、何かから逃げたいとか気を紛らわしたいからではなかった、いいお酒だった・・・。
十数年前から胃腸の調子が良くないこと、過敏性腸症候群と診断されたこと、しかしγ−GTは低いことを言い訳のように血液検査結果を見せながら話した。
そして、ここ数年酒量が増えて、飲むのをやめようと思っても飲んでしまうこと、お腹が痛くても夜になると飲むことが増えたこと、4月半ばに家で飲みすぎて急性アルコール中毒1歩手前というか、ほぼ中毒になったこと、かかりつけ内科で禁酒を命じられて、その後は2、3回しか飲んでいないこと、禁酒をしてから身体の異常な疲れ、ダルさ、腰痛があり困っているとはなした。
話している途中で腰が痛み出して声をあげた。椅子に座っているのが辛かった。

豊見先生は穏やかに相づちをうちながら聞いてくれた。

そしてやはり穏やかに話した。

まず、私が飲んでいたワインの量(1回グラス3〜4杯)は女性にしては多すぎる。私の周囲の女性がどうであろうが、アルコールの度数から考えて、
適量は150mlほどだと言った。

私にとって飲んだうちに全く入らない量だ。

先生は続けた。

このまま飲み続けたら、胃がん、大腸がん、喉頭がん、婦人科系のがんにかかる確率が高い。お酒はやけ酒のように飲まなくてもドラッグなので習慣性がある、耐性もできる。
お酒には麻酔の作用があるので、これまではその麻酔の効果で痛くても辛くても頑張れた、今は麻酔が切れた状態だ、だから身体の色々な部分が不具合起こして当たり前だ、本当に身体依存がある人は止めてからもっともっと身体が悪くなって入院しなければならなくなる。


「貴女はそこまでではないですが、アルコールの影響を身体が強く受けていたと言うか、お酒をガソリン代わりに頑張っていたので、ガソリンが切れた今身体がダルくなったり悪くなる反応が出ているのではないんですか?」

先生は関西訛りのある優しい口調で説明した。私はやるせない気持ちと腰の痛みで泣きそうになった。

そしてしばらくの禁酒と月1回ほどのカウンセリングをすることにしてこの日の面談は終わった。


専門医に禁酒と言われても、まだあまり実感が湧かなかった。

私、そんなに依存があるとは思えない、現にこうしてお酒の量を減らすことができてるし、月に2回ぐらいは飲んだって‥‥と気楽に考えていた。

診察室を出ると、やはり、まっとうに生きていそうな老若男女が静かに腰をかけていた。

アルコール依存性の人、というと、汚れた服を着た肉体労働者の男性で、ワンカップ大関を片手にドヤ街をうろついている‥‥‥

そんな偏見をわたしもどこかで持っていたのだ。

心療内科なので患者全員がアルコールの問題で来院しているのではないと思うが、この中の何人かは、表向きは真っ当な生活者でも、人知れずアルコールのことで苦しんでいるのだろうか。

私はどう見えるだろう。

私だって酒量が増えて安いワインばかり飲むようになったのだから

ワンカップ大関と何も変わらない。

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嘉殿エリサ
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