見出し画像

【微積分】 〈6〉 極値

 数学の歴史上、「三角比」「図形の性質」などは紀元前から使われていま
すが、「微積分」は、比較的最近の技法のようです。たいへんスマートで、体系的に確立されており、代数と幾何の一対一対応の美しさを味わうことのできる分野です。


[Method]  導関数:f’(x)=0→極値

・f’(x)=0 を満たす、x=a がある
つまり、(接線の傾き)=0のところがある ……①
・f’(a)=0であるとき、x=a の前後で、f’(a)が異符号
つまり、増加と減少が起こっている=山や谷がある ……②
①、②の両方が成り立つとき、
x=a で極値を持つ

さらに、
山=極大値:f(a)、谷=極小値:f(b)
と呼ぶ

 方程式、判別式、微分係数、内積など、数学には、「=0とおく」解法がよく出てきます。ですから、「とりあえず、何でも0とおいてしまう」なんてことも起きてしまいます。
 なぜ、0とおくのか。
場合によって、整理して理解しておくことが肝要です。

 関数のグラフを描く場合、曲線の曲がり具合を見つけて、書こうとしているので、曲がり角が重要ですよね。ただし、高校数学で扱うグラフでは、滑らかな曲線であることがほとんどなので、曲がり角ではなく、x軸に平行な平らなところを見つけていきます。
 ですから、
「平ら」=「接線の傾き=0」
とおいてみるのです。

 ただし、f’(x)=0 のところで100%極値かというと、そうではないところが、「つまずきポイント_1」です!
 単調に増加、単調に減少しているときは、極値とは呼ばないルールなのです。ですから、ちゃんと山か谷になっていることを確認しましょう。 

〈例題1〉

この例題では、(1)のようであれば、x=1、3で極値をとる
(2)は、x=-1について、f’(ー1)=0 とはなりますから、一瞬、平らなのですが、増加から増加へと単調増加しているので、極値とは言わないのです。
(この点を変曲点と呼びます。詳細は別の項で!)

後半について、ここにも「つまずきポイント_2」があります。
ここで、f’(x)=0 の解がx=a、b などと求まったとしましょう。
すると、(上記の条件を満たせば、)
f’(a)=0 であり、f(a)=極大値(極小値)です。
”ダッシュ”の有無の違いで、「接線の傾き」となったり、f(x)の値となったりするので、明確に区別できるように整理しておきましょう。

[Method] 

 f’(a)=「接線の傾き」
 f(a)=(x=a のときの値)=(y座標の値)

特に、3次関数では、f’(x)=0について、
異なる2つの実数解があれば、
つまり、曲がるところが2カ所あれば、(1)のようになります。
(極値をもつ)
重解になれば、
とまり、曲がるところの2カ所が重なってしまえば、(2)
のようになります。(極値はなし)
虚数解になれば、
つぎのような曲線(「なで肩」)になって、平らになるところは1カ所もありません。(もちろん、極値はなしですね)

「なで肩」と呼んでいます!

以下の例題2・問題5で確認しておきましょう。


〈例題2〉

〈例題解答例2〉


〈問題3〉

〈問題解答例3〉


〈問題4〉

〈問題解答例4〉


〈問題5〉

〈問題解答例5〉

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?