日本のパンの神様が米粉パン市場の未来の扉を開けた|グルテンフリー1兆円市場|遅れた日本の市場形成
こんばんは。良仁です。
年明けから投稿もできない慌ただしい日々が過ぎてゆきます。
ヘッダーの絶妙な生地具合に焼き上がった逸品は日本のパンの神様と呼ばれる天才パン職人福盛幸一さんの芸術品です。
帰って一息入れたところですが今朝トップページにお知らせがあった米粉パンの話をしましょうか…
昨年、2010年11月に三洋電機が発売して社会現象になった米粉パン自動焼成器「ゴパン」と福盛幸一さんとの関連について話しました。
2009年、福盛さんが開発した微細米粉を使用する福盛三洋電機共同開発の米粉パンホームベーカリーが発表されてから日本でも米粉パンが話題に上(のぼる)ようになり米粉パンに関する問い合わせも徐々に増えました。
それでも、日本市場では欧米のような米粉パンに対する大きな需要は喚起されませんでした。
欧米では多くの健康被害を引き起こして社会問題になっていたモダンウィート(現代小麦)について日本では一切報道されなかったために、欧米市場のような小麦粉パンの代替品としての米粉パンの潜在市場はまったく形成されていませんでした。
日本の政府・企業がマスコミ報道によって現代小麦(モダンウィート)を原料にしているインスタント麺類・菓子スナック類などの既存商品が売れなくなるのを恐れて欧米のグルテン健康被害に対してマスコミに箝口令を敷いたのが原因です。
北米市場では、HHS(アメリカ合衆国保健福祉省;Department of Health and Human Services)の下部組織、FDA(アメリカ食品医薬品局:;Food and Drug Administration)が2013年8月にグルテンフリー表示できる製品はグルテン含有量20ppm以下と規定して公表しましたが、 日本ではグルテンフリー表示に関する規定すらありません。そのため、日本のグルテンフリー市場形成は1兆円規模に拡大している世界のグルテンフリー市場に大きく遅れています。
日本とちがい欧米では、無農薬オーガニック食品、非遺伝子組み換え食品に続いてグルテンフリー食品についてマスメディアが取り上げるので関連商品の潜在市場が拡がり北米のグルテンフリー市場も2008年から急成長し、2008年から2012年までの期間中CAGR(カグル;年平均成長率compound average growth rate)は28%となり、2019年の市場規模は43億ドル(5686億円)、2020年から2027年までのCAGRは7.2%で2027年の市場規模は75億ドル(8625億円)と見込まれています。
『The Gluten-Free Products Market size was valued at USD 4.3 Billion in 2019 and is estimated to reach USD 7.5 Billion by 2027, registering a CAGR of 7.2% from 2020 to 2027.』
Gluten-Free Products Market Size USD 7.5 Billion By 2027 At A CAGR of 7.2% - Valuates Reports
2017年に設立されたJFOODOの調査でもチャート(JFOODO資料より引用)のように世界のグルテンフリー市場規模は1兆円に向かっています。我々が注目しているのはベーカリー製品が約3割を占めているという点です。
軽重症合わせて約1000万人いるという日本のグルテンアレルギー者の安全安心は無視され続けています。私共が管轄省庁へ問い合わせてもタライ回しの挙句に誰一人としてまともな返答ができません。嘆かわしい体たらくです。
世界中、ファストフードが蔓延し現代小麦(モダンウィート)摂取が増えたた地域では蔓延率に比例して遅性アレルギー症であるグルテン不耐症者やセリアック病者が増え続けています。日本では、1960年代後半から1970年代前半にかけての資本自由化によってファストフードが全国に蔓延しグルテン不耐症者やセリアック病者が約20倍に激増し現在も増え続けています。フランスでは国民10人に1人がグルテン不耐症というとんでもない状況になっています。
そんな中、福盛さんは、農林水産省の要請を受けて、2001年に小麦パンを超える米パンの製造を可能にするための研究開発に着手しました。
米粒は小麦粒にくらべて硬度が高く固いため小麦粉のように粉の大きさ・形・質を均一にすることができませんでした。そのため、ふっくらした食感の良いパンは作れないというのが常識でした。
試行錯誤の末、着手から8年後の2009年、福盛さんは加水して気流粉砕する加水気流粉砕製法で大きさ・形・質が均一な米粉粒を完成させました。
特許製品福盛シトギ米粉の完成によって米粉ベーカリー市場の未来の扉が大きく開きました。
日本には年間約500万トンの外国産小麦が輸入されています。その多くは古代小麦に比べてグルテン含有量が10倍の現代小麦(モダンウィート)と呼ばれる品種です。モダンウィート(現代小麦)による健康被害によって、日本でもグルテン不耐症患者数がうなぎ上りに増えています。潜在患者数を合わせると日本の小麦アレルギー患者は1000万人を超えると推測されています。
1兆円市場が目前の世界グルテンフリー市場。北米市場では既に6000億円市場に成長しました。その約30%がベーカリー市場です。大きく出遅れた日本のベーカリー市場。日本のパンの神様が、世界一美味しい米粉パンのパラダイムを示してくれることを期待しています。
パンを作るのが大好きだと仰る福盛さん。一日中パンのことを考えパンを作り続ける日本のパンの神様のお店はパンでいっぱい。その種類の多さに驚きます。その一つ一つがすべて極上です。作品の一つ一つから福盛さんのパンに対する愛情を感じます。
そんなパンの神様が作った100%新潟産米の米粉を使って焼き上げたフワフワの「完全グルテンフリー極上食パン」をエムケーマートで販売して日本全国のグルテンフリー志向者や小麦パンを食べることができない方々に届けて喜んでいただこうという計画が持ち上がりました。
他の米粉にくらべて福盛さんの「福盛米粉100グルテンフリー微細粉」が凄いのは、グルテン含有率がなんと1ppm以下だということです。
(工場分析結果:陰性;イムノクロマト法アレルゲン検査 )
上述したように、FDA(アメリカ食品医薬品局)の定めた表示規制(グルテンフリー表示できる製品はグルテン含有量20ppm以下と規定)に比べても20分の1という低さです。この数値は、重度アレルギー体質で僅かなグルテン物質に反応する方が摂取しても安全なことを意味します。
更に、「福盛米粉100グルテンフリー微細粉」の粉はパンを作る際に添加する必要があった増粘剤を使いません。
現在、市販されている米粉パンには、小麦粉・グルテン・加工でんぷんなどの増粘剤が添加されていますが「福盛シトギ米粉」で作るパンには、それらの添加物は入っていません。パンに詳しい方ほど、それがどれほど凄いことかが分かると思います。
情報を聞いて全国の販売業者の方々からも販売オファーと共に多くの問い合わせが入っています。どうやれば消費者や業者の皆さんのお役に立つことができるのか、喜んでいただけるのか、商品課を中心に知恵を絞っています。
近いうちに皆さんにパンの神様が愛情込めて焼き上げる世界一のフワフワの米粉100%食パンをお届けしたいと思っています。