第16章:やどやのあるじ の たーん
変えられないものを受け入れ、変えられるものを変える勇気を身につけること、僧侶はその言葉を反芻しながら、自分も変われるかもしれない、そんな高揚感に包まれていた。
僧侶「勇者さま、こんな夜更けまで本当にありがとうございました。昨日まで、いえ、数時間前までの自分は絶望感でいっぱいでした。でも、何か変われるような気がしてきました。」
勇者「それは良かったです。これで防御力、回避力は一段レベルがあがりましたね。残りは日を改めましょうか。」
僧侶「えっ?」
勇者「あれ、お忘れですか?」
勇者は僧侶の手元にあるメモを指差した。
僧侶「あ、、」
勇者「そうです。これまでのお話は、このメモの①のモンスターからの攻撃への対策でした。まだ、終わりではありません。」
僧侶「えぇ、とても充実感があったため、これで対策終わりと勘違いしてしまいました。」
勇者「一度、今日お話しした内容をセーブするといいでしょう。ただし、あなたはまだ深く傷ついた状態です、また、恐怖という名のゴーストにもつきまとわれています。宿屋で一晩泊まれば全快というほど、甘くはありません。」
僧侶「そうですね。では、後日改めてお願いできますでしょうか。次はいつ会うことができますでしょうか。」
勇者「では、明日この時間でいかがですか。」
僧侶「ありがとうございます、すぐにでも続きをお聞きしたかったので助かります。」
勇者「では。」
勇者達は席をたち、会計に向かった。勇者はお釣りを会計横の募金箱に入れた。僧侶もまねしておつりを募金箱に入れてみた。
たしかに悪くない気分だった。
[攻略の手引き]