ⅠからⅫ②
前回の記事で脳神経について軽くお話ししましたが、今回は脳神経の1番から順番にひとつずつお話ししていきます!
〈Ⅰ 嗅神経〉
分布:鼻腔上部
匂いを感じるための神経です。鼻腔上部の嗅粘膜にある感覚細胞に繋がっていて、この場所で匂いを感じます。なので、鼻の穴全体で匂いを感じているわけではないんです。
〈Ⅱ 視神経〉
分布:眼球の奥
眼球に向かう神経はいくつか存在しますが、これはモノを視るための神経です。眼球の網膜に向かっています。
〈Ⅲ 動眼神経〉
分布:外側直筋と上斜筋以外の眼筋
眼球を動かす6つの筋肉のうち4つの筋肉と眼瞼(まぶた)を引き上げる筋肉へ向かう神経です。目にある組織のひとつである毛様体を動かして遠近調節を行います。また、副交感神経線維も含まれています。
〈Ⅳ 滑車神経〉
分布:上斜筋
眼球を自由自在に動かすために必須である上斜筋に向かう神経です。
〈Ⅴ 三叉神経〉
分布:眼神経→眼球、上眼瞼結膜、涙腺など
上顎神経→頬、鼻腔後部、口蓋、上顎の歯槽、歯など
下顎神経→咀嚼筋、側頭筋、下顎、下顎の歯、下唇、舌の前側など
三叉神経は眼神経、上顎神経、下顎神経の3つに分かれて皮膚の感覚を司ります。眼神経は眼より上の皮膚、上顎神経と下顎神経は口のあたりの皮膚と粘膜の感覚&歯の感覚を担います。また、下顎神経には運動神経線維が含まれており咀嚼筋や側頭筋を支配しています。
それぞれもう少し詳しく説明していきます。
〈眼神経〉
三叉神経の第1枝で眼窩内や前頭部などの知覚を司る神経です。また、涙腺や鼻腔の感覚も支配しています。
〈上顎神経〉
三叉神経の第2枝で鼻の後部や口の粘膜、歯の感覚を支配しています。「歯が痛い」と感じる神経です。
〈下顎神経〉
三叉神経の第3枝で咀嚼筋や側頭筋を支配しています。食べ物を「モグモグ」するときに必要不可欠な神経です。
〈Ⅵ 外転神経〉
分布:外側直筋
動眼神経や滑車神経と同様に眼球を動かすために存在する神経です。外眼筋のひとつである外側直筋に向かいます。
結構長くなりそうなので、脳神経の7番以降は次回にお話しします!