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【 #エッセイ 】詩集を出版したい
いつか詩集を出版したい。
令和のこの時代では出版社に原稿を持っていったり、同人誌として発行し在庫を抱えたりする必要性は薄れてきている。
5000円ほどの初期費用を負担すればISBNコードを取得し、Amazonなどで1冊ずつ受注生産できるのだ。
もちろん原稿の体裁は自分で整えなければならないし、表紙デザインのデータもこちらで用意する必要がある。
しかし在庫を抱える必要がないというメリットはとても大きい。初期費用を抑えられるし、家に頒布品を置く必要もない。
また電子書籍を同時に発行できる点も重要だ。紙の書籍はどうしても高くなりがちだが、電子版なら発行費がかからないから安く提供できるのである。
そんなわけで、いつか詩集を出版したいと思っている。
上掲の「MyISBN」にはすでに登録済みであるから、あとは世に出すための質と量を備えた詩篇たちを用意するだけだ(それが最も高いハードルであるのはいうまでもない)。
まだまだ時間はかかりそうだが、どんなものにしたいかを考えておこうと思う。
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書籍の大きさはいくつかの決められたサイズから選べる。大きいのは私がイヤだから、B6か新書かな。自分だったら手に取る(かもしれない)という感覚は大切にしておきたい。
タイトルと装画は決まっている。
『脈動』
そして同題を付けたイラスト。
![](https://assets.st-note.com/img/1722147050022-KmhFzLE05T.jpg?width=1200)
一番最初に載せる詩は、これまた同じタイトルのものだ。
私の心音の共感覚は□かったのに今は□い
どうやらこの心臓はハリボテになったようだ
こんなものはもう磔にしてしまおうか
──ああ、血の色なんて知りたくなかった
傷つけなければ気づかずにすんだことだろう
それはまるであなたがくれた薔薇だった
あの花束は疾うの昔に手放したはずなのに
私は血液の奔流を見ている、ずっと見ている
耳をつんざくような悲鳴、鉄の味
なまぐさい臭い、降りそそぐ棘の雨
クオリアに司られた心象風景のなかで
ハリボテの心臓は苦しそうにもがいている
今からでも遅くはない、花束を拾いに戻ろう
鮮烈な薔薇をこの胸腔に仕掛けよう
血の味、匂い
暗転する視界
停止する脈動
消える共感覚
あなたの手の感触
□い糸が切れる音
□く澄み渡った空
『脈動』というタイトル、イラスト、詩はなんとなく気に入っている。なぜかはよく分からない。
![](https://assets.st-note.com/img/1722149895121-HHlqzyaVkb.jpg?width=1200)
釘はかなり頑張って描いている。私はこういったトロンプルイユ(騙し絵)の技法が好きなようで、他のイラストでも同じような遊びを施したことがある。
![](https://assets.st-note.com/img/1722149824226-1ZIqq8COxH.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1722149824262-zUrNcRJZL7.jpg?width=1200)
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絵画でも文学でも、「虚構」が好きだ。
現実に即した写実的、自然的なレアリスムも悪くない。
しかし作家が創り出した概念的、虚構的なレアリスムにも惹かれるものがある。
『脈動』をはじめ私が生み出してきた作品の多くは、その世界観の依拠するところを現実に求めないものだ。よってその世界にこちらの現実の真理を希求することは難しい。
ならば虚構のなかに真理はないのだろうか?
否、探せばあるはずだ。
それはきっとこちらの尺度では測れない。
別世界を味わってもらえるような、私が生み出した現実に引きずり込むような、そんな詩集にしたい。
私は虚構に生きるレアリストなのだ。
『脈動』を気に入っているのは、その世界観が現実世界と比較して明らかに虚構であるから、なのかもしれない。
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表紙のデザインには自信がないため、どなたかに有償で依頼を出したい。
120~150ページくらいが理想かな。少なすぎると折れそうだし、多すぎると読む気が起きない。
構成は
○前書き
○自由詩・散文詩・定型詩
○自動記述による詩
○視覚詩
○詩論/私論
○後書き
こんな感じだろうか。ここは変わるかもしれない。
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うーむ……。これ以上はいまのところ思いつかない。とりあえずこれからも詩を編んでいこう。