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フトシタ想イトエトセトラ

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ふと窓の外を眺めながら、浮かんでは消える想いを何となく形にしていきます。お付き合いください。
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2023年7月の記事一覧

年間100社取材して「わかりやすさ」が大事という原点に立ち返った話

年間100社取材して「わかりやすさ」が大事という原点に立ち返った話

マルチタスク、シングルタスク、KPIにコンセンサス。

仕事をする上で大切にしているのは、極力、横文字を使わないことだ。以前、大学の権威とされる教授さんが「アディティブマニュマニュファクチャリング」という専門用語を記載したのを、「三次元光加工積層造形」と書きなおしたため、「日本語にするな!」と大目玉を食らったことがある。横文字も、和文字も、同じくらい難解な内容のため、損した気分だ。

もちろん横文

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捨て猫にミルクをあげる不良少年にお別れを言う

捨て猫にミルクをあげる不良少年にお別れを言う

そのエッセイを目にしたのは、「私にしかできないことなんて世界にはない。でも私だからできることは世界にある。」というタイトルで、私のエッセイを書いてみた直後だ。他の人はどんなエッセイを書いているのか、タイムラインを上から順に眺めていると、「私の代わりはいくらでもいる」というタイトルが目に飛び込んできた。

先ほど書いたエッセイと、似たタイトルではないか。

内容は、「昔かたぎの職人のおっちゃんが人生

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手紙を書くように仕事をする方法

手紙を書くように仕事をする方法

アグリ―、オンスケ、エビデンス。
安易に飛び交う横文字と、「常識的にわかってると思うけど…」という人や、「アメリカでは…」という人がとても苦手だ。

だから、古くからあるけれども必要とされ続けている「業界紙」という仕事と、それに関わる人が好きだ。業界紙の読者は、当然、その業界の人ばかりだ。しかし、狭い範囲だからこそ密度が濃く、念入りに読むと、世の中のことがわかる。…ような気がしている。

業界紙は

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私にしかできないことなんて世界にはない。でも私だからできることは世界にある。

私にしかできないことなんて世界にはない。でも私だからできることは世界にある。

は?溶接?なんで?

友人と話すと決まって、この反応だ。
もう100回目くらいなので、慣れている自分に気が付き、むしろ「驚かれる」のを期待している気さえする。進路が溶接の道だったことに迷いはなかったが、友人の言葉には「女の子だったらカフェとか」「製造業って危険なんでしょ」「男の仕事じゃん」…という疑問が満ち満ちている。ジェンダーレスだなんて、誰が言ってるんだか。

私は柔道を15年間も続けてきた。

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楽園のつくり方【小説/約2万字/実話ベース】

楽園のつくり方【小説/約2万字/実話ベース】

 ……早起きは三文の得だなんて誰が言い出したんだよ。

 ランニングをするわけでもなく、短時間しか眠れないというわけでもなく、朝5時に起きて仕事に向かうのは、何だか不自然だ。俺は外に出ると徐々に夜が明けるようで、空は青白い。はぁーと息を吐くと、吐く息も白い。
 とくに誰とすれ違うというわけでもなく、俺は工場についた。工場といっても、大がかりな設備が置いてあるわけでもなく、ロボットなどの目新しい機械

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