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経済産業省、人権尊重ガイドラインを公表
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経済産業省、人権尊重ガイドラインを公表
2022年9月13日、経済産業省は「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を公表した。
同ガイドラインでは「ビジネスと人権」に関する国際的なスタンダードを踏まえ、企業に求められる人権尊重の取組みについて、日本で事業活動を行う企業の実態に即して、具体的に解説している。
同ガイドラインによると、企業が人権尊重責任を果たす取組みは、(1)人権方針の策定、(2)人権デュー・ディリジェンスの実施、(3)人権侵害のリスクから生じた被害への対応(救済)の3つに分けられる。
その上で、人権尊重の取組みには全社的な関与が必要なため、経営陣による人権尊重の取組みを実施していくことへのコミットメントが極めて重要であることや、潜在的な人権侵害のリスクは常に存在することを踏まえて、それらをいかに特定し、防止・軽減するかの検討が重要であることなどが示されている。
▼Keywords
人権デュー・ディリジェンス
企業が事業活動における人権侵害のリスクを調査・特定し、予防や軽減、救済のための措置をとることや、対処方法に関する情報発信なども含めた一連の取組みをいう。
人権侵害のリスクとは、差別、ハラスメント、賃金の不足・未払い、過剰・不当な労働などで、サプライチェーン等も対象となる。そのため、取引先で強制労働や児童労働などが発覚した場合は改善を要請し、その結果も追跡しなければならない。リスクに関する情報開示も求められる。
事業活動における人権尊重は、社会的に求められる責務であるだけでなく、経営上のリスクへの対処に資するものであり、さらには国際社会からの信頼を高め、投資家等の高評価を得ることにもつながるとされている。
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