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<料理>気温が上がったら、「もやし」を育てる

「もやし」を自分で育てるようになって、どのくらいになっただろう。

「自分で『もやし』を育てる」ということは、魚柄仁之助さんのご著書で知った。

作り方はいたってかんたん。
道具も、ひとつしか要らない。

緑豆を蓋つきの土鍋などに入れて、一晩ほど水につけておき、翌日に水を切る。
それに
蓋をして、そのまま風通しのよいところに放置する。
1日に1回、水で全体をすすいでやり、鍋の蓋やざるを使って再び水切りして置いておくと、数日で根が出てくる。

それが「もやし」だから、買わなくても自分で作れる。

と。

市販のもやしは、緑豆や黒豆(ブラックマッペ)を発根&発芽させたものだから、それは「もやし」と呼んで差し支えないだろう。

ただし、鍋にそのまま入れて育てると、「つ」の字に曲がった感じの「もやし」になる。
食べる分にはまったく差し支えないし、味も変わらないが、市販品のようにはならない。

真っ直ぐにしたいときは、深めの植木鉢にふんわりと土を入れ、その上に浸水した豆を乗せるようにして育てる(植木鉢にはアルミホイルなどをかぶせ、光が入らないようにする)。

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上の写真の、ボウルに入っているものが「植木鉢で育てた緑豆もやし」。
そのうしろの面々は、再生野菜。

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「もやし」づくりは、アメリカに来てからもずっとやっていた。

そのうち、アメリカに「発芽豆」のブームが来て、スーパーでもちょろっと根を出した豆たちがパックされて売られるようにもなった。

発根&発芽した豆はGABAやアミノ酸も増えていて栄養価が高く、しかも柔らかくなっているので、ものによってはそのまま生でも食べられる。
サッと茹でたりスープに入れたり炒めたりと、使いみちもたくさん。
スパイスで炒めれば、カレーに合う副菜にもなる。

その中でも、わたしが気に入っているのは「レンズ豆」の「もやし」。

根っこと芽は細いが、豆ごと生でもいける柔らかさなので、サラダにトッピングしたりする。
豆の部分のポリポリサクサクした食感が、楽しいのだ。

半カップほどの豆を一人前用の小さな土鍋で育てると、わが家の食べきりにはちょうどいい。

寒い時期は、仕上がるまで一週間ほどかかったりするのでちょっと手がかかるし、腐敗する可能性も高くなるけど、夏場は2〜3日で食べられるようになる。

なので、わたしは暑くなってくると、「もやし」を作る。

デッキやベランダに相当する部分がない今の家では、小さな小さな、家庭菜園と言っていいかもしれない。

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根がちょろっと出た段階でも食べられるが、芽が伸びるまでしっかり育てると、意外に食べごたえがある素材になり、炒めものなどにも使えるのだ。

サッと茹でたものを、麺類のトッピングや和えものにしてもいい。

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1日1回ケアするだけで、新鮮な「もやし」が手に入る上、使う豆の量もそんなに多くはないから、一袋の豆で何度も楽しめる。

だから「非常にリーズナブルでよろしい」…と魚柄仁之助さんはおっしゃっていた。
世話は「1日1回すすいで水切りするだけ」なので、子どもでもできるから「お小遣い稼ぎ」で手伝ってもらったり、自由研究のネタにするもよし、と。

わたしは過去、ひよこ豆と大豆で失敗しているので、この夏は再び挑戦してみようかと思う。

ひよこ豆は炭水化物部分が多いので、ぬるみが出やすく、失敗しがちなのだそう。
大豆はもしかしたら、天然ものではなく「発芽(発根)しない処理」をほどこしてあった豆だったかもしれない。

今は、手元に自然農で育った大豆があるので、やってみようかと思っているところ。

暑い時期は、あっという間に育ってひげ根が出てくるので、いい感じに育ったら、冷蔵庫で保存すると成長が止まる(正確には「非常に遅くなる」)。

いい感じのものはすぐに食べたほうがいいけど、翌日まで保たせたいときの対策だ。

もし、お手元に豆があったら、「もやし」を育ててみて。
結構、可愛いものだよ。


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