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"怒り"について

不機嫌ママを卒業したい。分かり合えるコミュニケーションを考える、すーこです。

久々にめっちゃんこ怒ってる人に出くわしました。
とにかくもう、めっちゃんこ頭に来てるんでしょうね。
大声で怒鳴って、何を言っても火に油状態。
幸運にも?怒りは私に向けられたものではなかったのですが、それでも怒っているというのは嫌なものです。

普段ね、「この人、今ムッとしたな」とか「イラついてるな」くらいの事にはちょくちょく出会うけど、あんなに怒鳴ってる人は久々でした。
顔は見えなかったけど、まぁ真っ赤っかにしてたでしょうね。

今日は「怒り」について考えてみます。

あなたは怒りますか?

突然ですが、あなたは怒りますか?
最近怒りましたか?
どんな事で怒りましたか?

心が凪いでおります。私は怒りません。
なんて方もいらっしゃるでしょうか。
そんな仏みたいになれたらいいけれど、
大抵の人が怒ることはあるのではないでしょうか。
やぁー毎日怒ってます。夫に腹が立ちます!子どもに怒鳴ります。義母と話すとイライラします。
同僚の仕事ぶりを見てると怒りが込み上げます。
そんな方もいらっしゃるかもしれません。

私も怒ります。

かく言う私も勿論怒ります。
怒ります。残念ながら。
怒ってる事が嫌で、怒る事がダメな事に思えて
何年も前に『怒らないこと』(アルボムッレ・スマナサーラ著)を読んだこともありました。
できれば、怒りたくないです。
だって、怒っててもいい事ないから。
怒ってるとますます腹立ってくるし、何にでも腹たってくるし。
怒ってる相手に対して怒って話しても、状況が好転する事は、まぁない。
相手も怒り返してきたり、
落ち込まれても「こっちが悪いみたいやんか!」と腹が立ったり、
「ごめん」を聞いても後味わるかったり。
めちゃめちゃエネルギーを使うし、相手も自分も傷つけるし、その割に生産性がない。

「怒り」とは何か

では、「怒り」「怒る」とはそもそもなんでしょうか。
広辞苑で「怒る」をひくと以下の通り。

いか・る【怒る】《自五》①不愉快・不満を感じて気持ちがあらだつ。また、その気持を表に出す。腹を立てる。おこる。
ー以下略ー

『広辞苑 第七版』 岩波書店

また、心理学用語では次のように説明されています。

「怒り」とは、様々な要因・理由で起きる情動で、他者からの侵害に対する積極的な防衛反応と言えます。 また、直接的な攻撃行動が抑制される時ほど、強く怒りを感じます。 恐怖と怒りには混在が認められ、脳の研究でも、近接や重なりがあることがわかっています。

『心理学用語の学習』https://psychologist.x0.com/terms/132.html

いずれも述べているのは、「怒り」とは何らかの要因により不快や不満な状態になった時に感情が大きく揺り動かされること。そしてそれを表に出す事。さらに、恐怖に似た感情で、防衛反応であるとも言える、と。
一般的にそういった理解で相違ないことと思います。

ゴードン・メソッドでは「怒り」は第二次的感情である

次にゴードン・メソッドの視点から「怒り」について考えてみます。
ゴードン・メソッドの生みの親であるトマス・ゴードン博士は著書の中で次のように述べています。

私は、怒りとは、その前になにかの感情を経験した後に、親自身のなかからうまれてくるものではないかと考えている。怒りの前になにか別の感情を抱き、その感情の結果として怒りを造るのではないかと考えている。
ー中略ー
第二次的感情として、怒りはほとんどつねに「あなたメッセージ」となり、子供に対する判断、評価、批判を伝達する。私は、怒りとは、子供の行動が親に怒り以外の感情(第一次的感情)を引き起こしたがゆえに、子供を非難し、罰し、教訓を垂れるというはっきりした目的をもって、親が意図的、かつ意識的にと取る姿勢であるというふうに考えるようになった。

『親業』トマス・ゴードン著 近藤千恵訳 大和書房

つまり、「怒り」は面に現れた感情(第二次的感情)で、第一次的感情は他にあるはずだということです。

同著にも例として出ていますが、車の運転中、前の車が急ハンドルを切ったので、あわや事故という状況。瞬間的に「こら!ちゃんと見ろ!」とか「危ないだろ!この下手くそ!」とか荒々しい言葉を言うことってないでしょうか。これは明らかに「怒り」という形で表に出された言葉ですが、怒る前に「びっくりした」「ヒヤヒヤした」「焦った」「怖かった」という思いがあったのかもしれない、ということです。
子どもが約束の時間に帰らず、連絡もなく、帰宅をした時。
「何時だと思ってるの!」「約束が守れないなら、次友達と出掛けることは許しません!」と怒る。
これも第一次的感情として「心配した」「不安だった」「戸惑った」などといった本当の気持ちがあったのだろうということです。

怒りの根っこに気づくと

ゴードン・メソッドで考えると、怒りが湧いてきたときにはその根っこにどんな感情があるのか、まず自分を見つめてみようということです。
怒りは怒りのまま伝えると、わたしメッセージで「私は怒っている」と言ったところで、相手には非難や脅迫などが伝わってしまうため、結果的にあなたメッセージになるというのです。

つまり、怒りを覚えたら、その根っこにある感情を掴もうとします。そうしている間に、「あぁ私は、大事な娘の身になにかあったのではないかと不安で怖かったんだ」ということ気が付くかもしれません。
それをそのまま伝えれば、相手には非難ではなく本当の気持ちが伝わるのです。つまり、怒りをぶつけなくて済み、相手を傷つけることなく、自分の真意がぐっと伝わりやすくなります。
怒りをぶつけるよりも、ずっとお互いに重い気持ちにならずにすむでしょう。

怒るのはいけない事ではない

ですが、なにも、怒りの感情が悪いと言っているのではありません。
人間ですから、怒ることがあって当然です。
でも怒りとして表現すると、自分で自分の本当の気持ち(第一次的感情)に気付くチャンスを逃してしまいます。それでは相手に自分の本当の気持ちは伝わるわけもなく、ただ怒っていることや非難や批判などが伝わるだけです。「あなたの事を思って言ってるの!」と怒って言う人がいますが、相手はそれで「自分は思われている」と感じるか、ということです。

自分に怒りのサインを感じたら、
(例えば、顔や耳が熱くなる感じだったり、頭に血が上る感じがしたり、心拍数が上がってくるなどの体の変化があるかもしれません。むくむくと相手への非難の言葉が胸いっぱいに広がって喉元まで出てくる感じ、であることもあるでしょう)
「あ、自分は今怒っているな。」と感じ、気づけばいいのです。
気付いたらこっちのもの。自分の怒りの根っこにあるものは何か見つければいいのです。

自分でいよう

ゴードン・メソッドでは「率直でいること」を大切にしています。

今日出くわした怒り心頭で怒鳴っていた人は、相手を猛烈に非難していたわけですが、第一次的感情は一体なんだったのでしょうか。それは相手に伝わったのでしょうか。

怒りよりもその更に奥にあるリアルな気持ちに気付いて率直に表現して行けたなら。あなたの周りはもっと穏やかで居心地のいいところになるかもしれません。

分かりあえるコミュニケーションを実践したくなったら

私がインストラクターを務める親業訓練一般講座では、
この様に、自分のままで分かりあえるコミュニケーション方法を学んで、体験的に落とし込むことをやっていきます。
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最後までお付き合いくださり、嬉しいです!ありがとうございます。

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