【淫怪夢幻想郷物語】第四話 「運命に導かれて」
―田所浩治―
日もすっかり暮れて辺りは真っ暗になった。時計はもう十一時になろうとしていた。恐らく皆もう寝ているだろう。そんな中俺は縁側に座ってぼーっとしていた。何をする気も起きていない。だが不思議と寝ようとも思えなかった。
「…。」
「まだ起きていたの。」
「ああ蛮奇さんですか。」
素っ気なく返事をする。
「一体どうしたのよ、こんな時間だっていうのに。」
「いや、星ってこんな綺麗なんだなって。」
里の灯りは殆ど無い。地上は光を失い今では満天の星空が光を放っている。この景色は