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夏のホラー淫ク☆リレー企画2023 11日目【神秘の記憶】設定や裏話

この記事では夏のホラー淫ク☆リレー企画2023の11日目に公開した動画、神秘の記憶の設定や裏話ついてご紹介します。本動画を視聴した前提で行くので注意して下さい。また、それなりに長いので忙しいときに無理して読まないでくださいね。


動画の内容

怪事調査事務所として活動している水橋上華。彼女が居酒屋の帰りに依頼を受けるところからこの物語は始まる。既にX(Twitter)等で言及しているとおり、この話は夏のホラー淫ク☆リレー企画2022の「招き神」から三年後の世界となっている。

バスで目的の村付近のバスに着いた上華。天気予報では晴れだったと彼女は言っているが、あいにくの雨であった。そして突然、不自然に強まる雨…。依頼主の村長の元へ訪ねると、料理を振る舞ってくれた。どうやら寝床にも困らなくなったようだ。

ここで本題に入る。内容は村中で黒い影の目撃が相次いでいるとのこと。上華は早速調査を始めた。
一般人への聞き込みから開始、しかし有益な情報は得られず。雨も降り続け調査も難航した。そんな時、彼女は幼馴染みであった銭麻と翡翠に出会う。彼女らの家に移動し、談笑をする。そこで銭麻から雨が二週間以上も降り続けているという話を聞いた。上華はまさかこれも怪異の仕業なのか?と疑問に思いながら、ついでに調査を進めていくことになる。

再び村を周り調査をしていると、妙な人物から声を掛けられた。その人物目が布で覆われており、盲目のようだった。その謎の人物は上華に、さっさと村から出ろと言った後、詳しい内容も教えてもらえずに去ってしまった。上華は余計に気になったがその日の調査を終えた。
そんな矢先…事件が起こってしまった。人混みをかき分けて上華は向かう。そこには翡翠が無惨な姿で倒れていた。上華はここで翡翠の発言を思い出す。

翡翠が妖怪と言及したことで狙われてしまったのだろうか。上華は直ぐ様怪異の対策に取り掛かった。各地に特別な術をかけた御札を配って…。
その御札はシリマナイトという宝石を練り込まれたものだ。シリマナイトの石言葉は「危機回避」であり、持ち主に迫る危険を予知する効果があると言われている。何処から現れるか分からないその存在を察知するにはうってつけの代物なのだ。

銭麻の前に現れた怪異。実は随分と強い御札なのだが、その劣化速度はとんでもなかった。何故か結界が張られているが、上華はなんとか破ってギリギリの所で銭麻を救うことが出来た。
上華はまだまだ霊媒師としては未熟であり、いまの対峙で体に負担がかかり出血してしまった。でもこれで終わり…と思われたが、まだだった。

完全解明の為に寺に向かうバスの停泊所へ。そこでとある男性と出会う。彼の名前は裕典であり、村長である浪漫の孫のようであった。彼は怪異を信じないタイプであり、浪漫と考え方で対立していた。妖怪、悪霊、神様なんていないと発言。上華は縁が出来ないようにあえて同調した。そして上華は気になった。
「カミサマって何?」
「…。」

ここでようやく上華はことの異常さに気付いた。カミサマがなんなのか分からない。知っている筈なのに分からない。そこで上華は過去の記憶を思い出す。そういえば大学でオカルト研究部をやっていた時、神様の噂について調査したことがあった。そして神様が何なのかを思い出すことが出来た。上華は状況を整理したあと、直ぐに"神社"を探し始めた。
記憶からも忘れ去られていた神様。もしそれが全ての原因だとしたら、直ぐにその神様のいる神社を探さなくてはならない。かつて忘れ去られた摩多羅神によって沢山の大切なものを奪われた彼女は、事の重大さを人一倍知っていた。彼女は急いで村中を周るが、その最中にとんでもない事態が発生した。ダムが決壊したのだ。長く降り続けた雨の影響でダムの貯水量を超えて水が溢れ出し川が荒れていく。おかしなことに、ダムの管理がしっかりされていなかった。彼女は避難指示を村長へ頼んだあと、ようやく神社の入口をみつけた。だがまたもや結界が存在しており、上華の本気でも破ることが出来なかった。彼女は未熟であり、自分の弱さを攻めてしまった。そして自分の無力さ故、自分の負の側面のような何かが現れた。彼女自身は更に追い詰められていった…。

影がおかしい…。

その時、先程の眼帯をした女性が現れ戦意喪失した上華を助けてくれた。彼女も同じ様に"そっち側"の人物だったようで、難なく結界を破壊した。上華が名前を尋ねると、彼女は一楼と名乗った。上華は全ての原因の元へ向かう途中で一楼のことを思い出す。人間としての生気を感じなかった、すなわち彼女は人間ではないと考えられた。

上華は遂にその忘れ去られた神様の元へたどり着いた。その神様の存在は消えかかっていた。神様自身もその存在と名前を忘れていた。上華が言うには、とっさに思い付いた御釈訪神という名前を神様に与えることによって神様を救ったと言っている。そして神様から直接聞いたのか、ことの経緯を彼女は知ることが出来た。事態を遂に解決した上華だが、長く雨にうたれ続けていたせいで体調を崩しその場に倒れてしまう。

動画時間内だけでも10分以上雨に打たれ続けた上華

気がつくとそこは村長の家であった。彼女が何故自分が戻ってこれたのかと聞くと、裕典が連れてきてくれたという。傘も持たずに急に走り出した上華を心配し、追いかけていったという。上華は一息つき、ことの全てを話すことにした。

黒い影や降り続ける雨、その原因は忘れ去られた神様。ダムや水道のインフラが整備されていき、雨の恵みを神様のものと人々が思わなくなった。それによって信仰が薄れてしまい、神様は再び力を取り戻す為に現代科学では解明出来ないような現象を起こすことで再び認知してもらおうとした。だが事態は悪化し神様という概念そのものが村から失われてしまった。そして黒い影を人々は悪影響を及ぼす妖怪や化け物と定義し、神様の"一部"だった存在は危険な怪異へと変異してしまったのだ。

一仕事終えた上華は、銭麻と再び出会う。感謝の言葉を貰ったが、翡翠を護れなかったことに責任を感じ、暫く銭麻の傍で過ごすことを決意。だが理由はそれだけでは無かった。彼女は一応霊媒師であり、幽霊を視ることが出来る。彼女は…幽霊としてこの世を彷徨っている翡翠のことも確認したかったのだ。案の定未練が残り幽霊となっていた翡翠。悪霊になりかけていており、本来除霊すべき存在だが、上華は翡翠に守護霊としてこの世に留まることを許した。

様々な裏話

先程も述べた通り今回の動画「神秘の記憶」は去年のリレー企画で出した「招き神」の、言わば続編となっています。なので招き神に関連する小ネタや裏話が存在しています。
冒頭の文字だけのシーンで一瞬だけ映る青い空間…上華が酒を飲んだ数の89"3260"杯という数字…1年も前のことですから分かる人はあまり居ないかもしれませんね。

飲みすぎィ!

調査の為村へと向かう上華。物語の関係上、村に着いてからはずっと雨が降り続く描写がされています。当然怪異の影響を受けている範囲内なので、25分辺りの気付くシーンまでずっと"神"という単語が全く出てきません。代わりに妖怪や悪霊,化け物という単語が多く使われるようになっていって、状況がどんどん悪い方向へと進んでいきます。

上華は調査中に幼馴染の銭麻と翡翠と出会うことになります。最後に会ったのが七年前と言及しており、また中学三年が最後と銭麻が話しています。このことから彼女らの年齢は22-23歳だと分かります。この話は招き神から三年後の世界なので、上華は19-20歳…。大学二年生でオカルト研究部の部長をやっていたことになりますね。

上華が銭麻と翡翠の家に急いで向かうこのシーン。見ての通り沢山人がいますが、ちらほら見覚えのあるキャラクターがいます。皆さんは誰が居たか気付いたでしょうか?

バス停に向かうこのシーン。実はこのバス停の名前は単なる背景都合でこのような名前になっているわけではなく、しっかりと名前が改変されています。恐らく高御谷なんて調べてもそんな地名はでないでしょう。となるとこの村の名前は高御谷という可能性が…?

よく見ると中戸尾⇔上高?谷とも書いてある

更にバス停のシーンでは裕典と会話するシーンがあります。そこで神様について思い出すのですが、きっかけを作る人物としてHRNRを登場させています。HRNRは秘神サグメ(淫夢)と呼ばれることがあります。サグメとは東方projectで登場するキャラクターの一人で、言葉を発することで事態を逆転させる能力を持っています。この能力は説明するのが難しいので省略しますが、兎に角私はこの設定をうまく使いました。本動画でも事件の解決の手助けになるような立場となっていますね。ほんへでの学生というキャラというのも、村長の孫としては丁度良かったかもしれません。

ダムが決壊しているシーンがあります。ここで怪異による被害の大きさを物語っているのですが、普通は人の管理があり放流等も調整されるはずです。でもそれが無かった…。本動画ではダムの決壊についてそこまで謎を追求せず、不可解なままとなっていますね。

度々上華の目の前に立ちはだかる結界。何故こんなものが存在していたのかはしっかりと明らかにはなっていません。銭麻が襲われている時、上華を近づけさせない為にあった結界ならまだ理解できる部分があったが…どうも鳥居の場所にあった結界は理解できないと思います。その忘れ去られた神様は、寧ろはやく助けてもらいたい筈なのに…。

水色のこの御札はよく見ると宇治神社のものではない。

上華が後に御釈訪神と名付ける神様と出逢うシーン。気付いた方もいると思いますが、メッセージウィンドウの名前欄がしれっと消えていることが分かります。動画の雰囲気作りというのも有りますが、何故このシーンでは消えているのか…。本動画では心の中で語るときは名前を表示させません。上華はこの時、本当はどのようなことをしていたのでしょうかね。

御釈訪神と呼ばれるようになったこの神様の元ネタは東方projectのキャラクターである洩矢諏訪子と八坂神奈子です。その元ネタも辿るとミシャグジさまとなっています。ミシャグジさまとは大蛇や龍神等の姿をしている土着神と言われています。土着神とは古くからその土地に棲み着いている神様のことで、この御釈訪神も4つの蛇の頭の様なものが描かれており、生まれた設定こそ改変されていますが古くからその土地で雨の恵みを与える神様となっています。ですがこの神様は東方projectの諏訪子、神奈子のように現代社会で信仰を失っていきます。諏訪子、神奈子、そして早苗等は幻想郷に移り住み事なきを得ますが、この世界ではそういった手段は存在しておらず神様としての存在を失っていくことになります。

動画制作について

私はこれからもホラー淫ク☆リレー企画に毎年参加するつもりで居 るので、冬リレーが始まる前からもう脚本を考え始めていました。ただ、招き神の動画で"シリーズ化して"や"続編が欲しい"等のコメントが沢山あったせいで、続きの話で尚且つ単発動画として成立させなければならなくなりましたね。ほんとユルサナイ視聴者ドモヨ。

先ずは大まかな内容を考え始めます。今回は招き神よりも太いストーリーにする為に長い月日をかけてどんどん脚本を作っていきました。半年位はずっと構成を考えて調整していったかもしれません。それで誰を主人公にするかなんですが、これは直ぐにもうJOKER姉貴で決定しました。一応オカルト研究部で唯一の生存者で、招き神の終盤でも霊媒師になっていましたから、作りやすかったですね。ですがその他の登場人物がかなり困りました。レギュラーキャラはほぼ使えないので、場所は田舎にして基本はマイナーなキャラを使用することになります。

NKTIDKSGとロマン爺はまだ使えるキャラの中でホラー淫ク☆によく合うキャラなので惜しみなく使うことにしました。
次に挙がったのはダーク食パンです。2021年からリレー参加者が密かに一つの画像と名前のインパクトで流行らせようとしてたみたいなんですが、なかなか上手くいかず。私も流行らせたいとずっと思っていました。ですがほんへインタビューが発掘された為、BB素材と語録が少し充実したので、これは普通に使いこなせると考え登場させることにしました。

次に挙がったのがZNM姉貴とHSI姉貴です。続編を作ろうと思い始めた頃から鍋メンバーを出したいと考えていて、田舎でのんびりと暮らすような旧友的存在としてこの二人が良いかなと思い登場させることにしました。

鍋メンバーなことを忘れがちなJOKER姉貴

次に挙がったのがHRNRです。HRNRは某兄貴がずっと流行らせたいと言っていて、その音MAD合作も投稿されたりして、自分も流行らせたくないけど流行らせたいから登場させて知名度をあげたいなんて考え登場させることにしました。HRNR自身の特徴等も含め、登場させるに相応しいというのも理由にあり、大活躍もさせてます。

一通り登場キャラも考え、脚本もどんどん作っていきました。前回は摩多羅神という東方絡みの話だったので、今回も同じ様に妖怪や神様の話を作り上げていきました。メインは忘れ去られた神様にしたい…その神様が暴走して雨がずっと降る…ダムの決壊…そもそもダムを原因にしていこうか…認識がなくなるのならそれを妖怪と考えるように…とやりたい演出や脚本をうまい具合に繋ぎわせて全体の流れを完成させました。



そして4月。脚本は1/3程進み、この時点でエンディングテーマ曲になる「神秘忘滅の理」も完成させました。動画編集は自分のアカウントのシリーズもあったのでまだ始めていません。そしてここでまさかのキャラが脚本に付け足されます。某兄貴がICR姉貴を流行らせたいと言っていて、更にまだ霊媒師として未熟な上華を後押しするような強キャラが欲しいなと考えた為、急遽ICR姉貴を登場させて活躍させることになりました。

このシーンは考え始めた頃は予定して無かった

そして6月になり、動画も本格的に制作を開始します。脚本上立体空間を作る予定は無かったので、1日に一分とか進めることも出来ました。まあ…バイトとかもあって、徹夜することにもなったんですがね。完成したのは7月19日で締め切り前日ですし…。オマケにゼルダの伝説ティアキンというゲームがあったせいで、なかなかピリピリしました。「ゲームやりてぇ…でも編集進めないと…。」って。

それはともかく編集の話なんですが、丁寧にはしているけど労力をそんなかけなかったって感じですね。会話シーンは背景に人物を映すだけで結構適当な感じです。時間があればもっとしっかり動きのある絵になったような気がします。でもストーリーの関係上、雨の編集を入れ続けないと駄目なのは本当に大変でした。分かる人には分かると思うんですが、傘をさすようにするだけで2つオブジェクトを増やさないといけないんですよね。だからメッセージウィンドウで持つ部分を大体隠しています。まあかといって傘を無くせば今度は服の表面で雨が跳ねるような演出をしないといけないので、どっちにしろ大変です。

傘が…!浮いている…!

編集で大変な部分はまだあります。それは上華の目です。霊媒師としての力ってを発揮するシーンでは殆ど目を光らせたかったので、目を切り抜き作業が必要です。それぞれの立ち絵ごとにやらなきゃいけなかったのでなかなか時間がかかりましたね。他にも上華の立ち絵そのものを新調することも…。術を唱えるシーンでは手を合わせます。そんなCB素材は存在せず、作ることになりました。

名前は結構適当

動画全体に言えることなんですけど、とにかく素材が少なすぎる!JOKER姉貴は滅茶苦茶あるから良いんですよ。HRNRもスターターパックがあったのでそれ程苦労はしませんでした。でもダー食とかロマン爺とかまるで無いんです!ダー食はちょっとだけなのでなんとかなりましたが、ロマン爺は全身画像がひとつもありません。あっても膝まで位…で、表情も5つもバリエーション無いと思います。
また、ZNM姉貴はともかく、HSI(ORN)姉貴はマイナーよりのキャラだったので基本的な表情と動作が最低限しか無かったですね。いくつか表情を新調しましたし、後ろ姿も作ることになりました。
ICR姉貴はスターターパックの中の素材も少ないし、動画も全然見かけなくて本当に大変でした。とある兄貴がバトル用として沢山ニコニコ静画に投稿していたので本当に助かりました。

色々ありましたが、なんとか編集を終えることが出来ました。招き神とはまた違ったベクトルで大変でしたね…。マイナーなキャラを使うことがこんなに難しいだなんて。長々と自分語りしてしまいましたが、ここまで見てくださってありがとうございました。また来年の企画でも、出来たら会いましょう。



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