秋田で輝く期待の新規就農者特集!星容子さん(秋田市)
今回は、秋田市河辺地域で活躍する女性新規就農者の星容子さんを取材しました。
容子さんは、出身地である秋田市旧河辺町で平成28年に就農。元々は市内の病院に勤務していましたが、転職し、両親が続けてきた「せせらぎ農園」を引き継ぎました。
現在はたまねぎ、ねぎ、なすといった様々な野菜を作付けしており、経営規模拡大や作付けの工夫等により、収量と売り上げが順調に伸びてきています。
その他にも、若手農業者による直売イベント「わかくさマーケット」を開催したり、市内小中学校の給食用食材を提供したり、いろいろなことにチャレンジしています。
そんな容子さんから、就農のきっかけや今後の取組などを伺ってきました。インタビュー動画をYouTubeにも掲載していますので、そちらもぜひチェックしてください。(動画:前半/後半)
就農しようと思ったきっかけは?
病院で勤務していた頃、人生このままでいいのかな?と悩んだ時期があったんです。そんな時、母から「畑に行って土でも触ってみたら?」と言われて。はじめは「何でそんなこと言うんだろう?」と不思議だったんですけど、実際に土に触りながら自分のことを振り返ってみたら、すごく元気をもらえたんですよね。それが1つのきっかけではありますね。
農家の両親の姿を小さい頃から見て育って、2人の仲がすごく良くて楽しい雰囲気を出してるなあと子どもながらに感じていました。野菜の話とか田んぼの話とか、父と母がいつも話し合っていた姿が心の中に残っていて、農業に対して良いイメージを持っていたんです。今聞いたらただただ忙しかっただけだと言われたんですけどね笑
他にも、両親が作った野菜を食べたお客さんが「すごくおいしい」と喜んでいる姿を見て、「自分もそういう野菜を作れたらすごい幸せだ」と感じたのが、就農したいと思うきっかけになりました。農業に対する印象は、「大変さ」よりも「雰囲気がいいなあ~」というのが強くて、だから大人になってから「自分も農業がやりたい」と思えたんです。
就農後ご苦労されたことは?
就農直後は「何からやったらいいんだろう?」と悩むところから始まって、いろいろな人に相談しながら進めました。
就農1年目は父親に借りた田んぼでじゃがいもとかぼちゃを植えたんですけど、大雨で水浸しになって全部浮いちゃって、「こんなことになるんだ」ってショックでしたね。
2年目もまた挑戦して、ねぎとか他の野菜も取り組み始めたんですが、今度は虫にやられました。毛虫とかマイマイガとか害虫が大変で・・・。
今は主にどんな作業をしているのですか?
河辺地域の黒ボク土に鶏糞堆肥を施用して、良質な土作りにこだわり、減農薬、減化学肥料にも取り組んでいます。
せせらぎ農園で栽培するねぎは、秋田県特別栽培農産物にも指定されていて、安心・安全なおいしい野菜を提供しています。「おいしい笑顔のために魂を込めて安心・安全な野菜をみなさまへ」をモットーに、お客様に喜んでいただける野菜を日々大事に栽培しています。
ほかにも、プロバスケットボールチーム・秋田ノーザンハピネッツが運営するこども食堂やプロサッカークラブ・ブラウブリッツ秋田のユース寮へ食材の提供もしています。
1日のスケジュールは、子どもを保育園に送り出すところから。その後、出荷作業、配達作業をこなして、夕方には帰ってくる感じです。
今度どのような活動をしていきたいですか?
今は手一杯なんですけど、今後も作付けを拡大していきたいと思っています。生産量は今年の倍にしたいくらいの気持ちで頑張ってます。
あとは、今も取り組んでいる食育プロジェクト「青空せせらぎレストラン」も続けていきたいです。地域の保育園で、じゃがいも・さつまいも・えだまめ等の植え付け・収穫・料理まで、子どもたちに体験してもらって、農業や料理にもっと興味を持ってもらいたいなと思っています。
新規就農を考えている方へのメッセージをお願いします!
構想はいろいろあると思うけど実際作物を作ってみないとわからない。私みたいに1年目で失敗したり。
何でも自分ひとりで抱えないで、地域の人たちだったり、農業委員、推進委員、振興局の方々もいますし、誰かに相談してほしいですね。
もちろん初めてやるので失敗もあると思うけど、そうなったときにも周りとつながりを持ちながら、農業を楽しくやってほしいなと思います。
秋田県農林水産部公式ウェブサイト「こまちチャンネル」では、秋田県の農林水産業のフレッシュな情報を随時発信していますので、ぜひチェックしてみてください!