見出し画像

雪を踏みしめ神おわす頂へ。そこには光が満ちていた|滋賀

正月明けの3連休に“ちょい旅”。
前回は琵琶湖の西を走る京阪石山坂本線をご紹介しました。
終点「坂本比叡山口駅」に到着。
石垣が美しい参道を歩いて、日吉大社に向かいます。


旧竹林院

駅から山に向かって歩くこと約10分。
日吉大社の少し手前に元里坊「旧竹林院」があります。
素晴らしいお庭があるのは知っていましたが、立ち寄るのは今回が初めてです。

拝観入口

「里坊」とは延暦寺の僧侶の隠居所のこと。
旧竹林院もそのひとつで、見学できる貴重な場所です。
3,300平方メートルもの広さがある庭園(国指定名勝庭園)には、大正時代に建てられた茶室と四阿あずまやがあり、2階建ての主屋から見学ができます。

入り口をくぐると受付まで、夜に降った雪で真っ白に。
これはもしかして、とっても良いタイミングに来たのでは!?
お庭への期待も高まります。

1階から順に見てまわります。
大きく開けた縁側から、お庭が見渡せます。
期待通り、雪が残って真っ白。
山の地形を生かした景色に見惚れます。

お庭に朝日が差し込む
雪、石、苔の共演
川の流れが清々しい

苔が見どころのひとつだそうですが、それは次回のお楽しみに。

広間にはきれいに磨かれた大きな机が配置されていて、お庭の景色を鏡のように映すことができるとのこと。早速挑戦!

ビミョー?(笑)

新緑や紅葉の季節だともっと鮮やかな反射(リフレクション)が楽しめるかも。

床の間に掛け軸。こうありたいと思う

2階からはお庭を見下ろす形に。
お庭が俯瞰で見えて、1階からとはまた違った景色が楽しめます。

お庭全体が見渡せる。茅葺屋根はお茶室
苔と雪

日吉大社

続いては、日吉大社へ

比叡山延暦寺に向かう道と分かれる。

隣の階段を上がれば延暦寺に。ケーブルカーのりばにつながる。
昔々、ここから根本中堂まで歩いて登ったことがある。

お正月も過ぎて、本日は人もまばら…と言うより誰もいない。
雪景色を独り占めです。

今日はこちら側

日吉大社
およそ2100年前、崇神天皇7年に創祀された、全国3800余の日吉・日枝・山王神社の総本宮。平安京遷都の際には、この地が都の表鬼門(北東)にあたることから、都の魔除・災難除を祈る社として、また伝教大師が比叡山に延暦寺を開かれてよりは天台宗の護法神として多くの方から崇敬を受け、今日に至る。

公式HPより引用

東西本宮と山王七社を中心に、境内には約40のお社があり、全ての神様を総称して「日吉大神」と呼ぶそうです。

方除け、厄除け、縁結び、家内安全、夫婦和合、商売繁盛…お稲荷さんから恵比寿さん、天神さんにお地蔵さんまで、まさに“やおよろず”の神や仏がおわします。
なので、ここにお参りする際の事前準備は、お賽銭(小銭)をたくさん用意することです。


参拝

参拝受付

西受付から階段を上がっていくと、三角を頂く「山王鳥居」に。
神仏習合の信仰を表わす独特の形です。

合掌鳥居とも呼ばれる
神猿(まさる)さん。ここではお猿さんが神様のお使い。
しまった…ピントが格子に合っていた

その先の山道をまっすぐ進んでいくと西本宮に辿り着きます。

西本宮楼門(重要文化財)

立派な檜皮葺の社殿は、1584(天正14)年に建てられた国宝。

日吉造ひえづくり」と言われる、正面・側面と背面で屋根の形が異なる全国で日吉大社だけに見られる特殊なものです。

本殿の両脇に「獅子」「狛犬」が鎮座するのが特徴
こちらは「獅子」。大きい

ひとつひとつのお社に手を合わせながら境内を進みます。
社殿の周りには水が流れていて、清浄な雰囲気が漂います。

屋根が重なる風景が好き
社殿の周りを水路が囲み、ヒョイっと乗り越えて参拝する

東本宮に向かって境内を進んでいきます。
八王子山に鎮座する奥宮に続く階段が見えてきました。

奥宮の入り口

この急坂を上がれば、日吉大社はじまりの地とされる金大巌こがねのおおいわに辿り着きます。

スタートは階段

行くのか、行かないのか…しばし沈思黙考
高校生の時、先生が言っていた。
「2つの道に迷ったら、困難な方を選べ」と。
ここで自分を甘やかしては、この1年がダメな気がする。

行くっ!


いざ!神のおわす頂へ

すぐに山道!大きい石がゴロゴロする急な山道が続く

この道、あまりナメてはいけません。
大きめの石がゴロゴロ転がり、しかもかなりの急角度。
登るのは結構大変です。

きつい…

 朽ちた大木の株に新たな命の芽生え

空が見えてきた

暗い林の先に青空
希望と裏腹にゼーゼーいうてる

ここまで来たら、もうすぐ…
運動不足を痛感

目的地が見えてきました。

最後は階段。雪に滑らぬよう慎重に

金大巌

登り始めて約20分で到着しました。
「三宮」と「牛尾宮」の2つのお堂が建っています。

清水の舞台のように斜面に張り出す

その奥には、高さ約10mの金大巌こがねのおおいわ
日吉大社の始まりの場所と言われます。
とっても神威を感じます。

金大巌

手を合わせたのちに回れ右。
この景色が御利益です!

お堂の間から眺める景色

光さす、さらなる頂を目指して

いつもはここで折り返します。
でも、この日は違いました。
たまたま通りがかった80歳ぐらいの方から
「お社の後ろ側に登ったら、もっと景色が開けるよ。あんた若いから行ける」と声をかけられたのです。

「若い」
ムフ、ムフフフ
絶賛反応した私は、登っていきます。
ブタもおだてりゃ何とやら…

そして辿り着きました、さらなる頂へ

その風景がこちら!

神様の上に行くのは畏れ多いですが
近江大橋が見える。奥は宇治から奈良につながる山並み

神よ

目の前に遮るものは何もなく、琵琶湖の景色が一望できます。
光に包まれる感じ
しばしキラキラ輝く湖面に見惚れていました。

翁のお導き。ありがとうございます。
頑張った先には、必ず明るい光がさす。
そう信じて生きていきたいと思いました。

滋賀の平野部が見渡せる

ちょっと冷えてきたので、下山します。
下りの方がしんどい…なんせ急坂に雪積もってますからね。

見下ろした方が勾配が分かる

そもそも私は腰痛持ちです。
これ、一番あかんやつです。
滑った拍子に変な体勢でグキッてなりかねない。
なんで今、気づく…
こういう向こう見ずなアホな体質は一生治らないでしょうね。

無事に下山し、すぐ脇の東本宮へ。
こちらの建物も国宝です。

東本宮
東本宮のさらに後ろにも

いい1年になりますように。

おみくじもお猿さん

周辺も散策

この後は、明智光秀ゆかりの西教寺まで。

道中には古墳(横穴式石室)も

この辺りには、群集墳(比較的小さな古墳が密集してある)が多数あります。
考古学を専攻していた学生時代、この地域をフィールドに調査していたのを懐かしく思い出します。

お師匠さんに、埋もれた古墳の見つけ方を尋ねたら「それは匂いだね」と。
たくさん見ているうちに、私も何となくピンとくるようになりました(笑)

道中には石仏も

琵琶湖の景色を眺めながら散策して今回の旅は終了です。

西教寺さんの門

結構歩いて足パンパン。
明日、足上がるかな…
あ、明後日か

筋肉痛 少し遅れる 40代(涙)

でも心は満たされた1日でした。

下から見上げた八王子山
あのテッペンまで登りました

*八王子山に登られる際は必ず、運動靴で。
ランニングシューズでもちょっと危ないぐらい急で滑りやすいです。
私も軽トレッキング用の靴を履いて登っています。お怪我のないように

いいなと思ったら応援しよう!