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「眠れぬ夜」にはアートを|ニュイ・ブランシュKYOTO

皆さん、こんばんは。
今、京都では「ニュイ・ブランシュKYOTO2024」が開催中です。

夜風もずいぶん心地よくなってきたので、ふらりと出かけてみました。


ニュイ・ブランシュKYOTOとは、毎年秋に京都市と関西日仏学館(フランス外務省の文化機関)が一緒に開催している現代アートの祭典です。
市内31会場で約1ヶ月にわたり、フランスゆかりのアーティストの作品が展示されます。(*会場によって開催期間が異なる)

最大の特徴は、夜の開催
開幕日の9月28日(土)は夕方から夜にかけて、オープニングステージや展示、フォーラムなどが行われます。
(*開幕日以外は昼の開催。)

このイベントは、フランス・パリで毎年開催されているものがモデル。
「ニュイ・ブランシュ」はフランス語で「徹夜をする」という意味で、パリでは6月の第1土曜日の夜から翌日の朝にかけて、夜通し呑みながらアートを楽しむんですって。

さすが芸術の国フランス!

京都市とパリ市は最も古い姉妹都市。70年来の親友です。
そんなご縁で始まったそうです。

ヴィラ九条山へ

いろんな会場で展示などが行われていますが、せっかくなので日頃は入れない場所に。

京都市山科区、地下鉄東西線「蹴上駅」から徒歩10分。
市内を見下ろす山のてっぺん近くに「ヴィラ九条山」はあります。

鳥居をくぐり登っていく。フランスの施設に行くのにちょっと妙な感じ
ヴィラ九条山。設計は建築家・加藤邦男さん。
32年前に建てられたとは思えない素敵なデザイン

ここはフランス政府機関が運営する、アーティスト・イン・レジデンス施設。
フランス国籍のアーティストなどが長期滞在して、日本文化のリサーチや作品制作を行っています。

ねぶた!?がお出迎え

普段は非公開ですが、ニュイ・ブランシュの時(9/28と10/3)だけ公開。
滞在中のアーティストの作品を見たり、直接お話を聞いたりすることもできます。

アーティストのお部屋に入れていただける

今年はフランス伝統工芸の最高技能者に授与される称号「メートル・ダール」制度ができて30周年。
なんと日本の重要無形文化財保持者(人間国宝)の制度に倣ったそうです。

ここで滞在制作したアーティストの作品

その節目にちなんで今回のテーマは「伝承」
滞在されているアーティストの方は、日本の伝統的な文化や産業のリサーチをされているそうです。

部屋の中には、カンナ削りの木屑。お習字も多数。
日本の文化や技術を熱心に吸収しようとされているのを感じた。

日本の職人さんの高い技術やスピリッツに学ぶことや刺激を受けることがたくさんあるんだとか。

日本の匠の技をリスペクトしていただき、フランスの文化にも影響を与えてるとは、日本人として誇らしいですね。私も着物で行ったら良かったかな。

テラスにはブランコも。ここでブラリと景色を眺めていたらステキなことがヒラメキそう
京都のまちを眼下に一望

フランスの方に日本の文化の素晴らしさを教えていただいた気がします。
私も恥ずかしくないように、何かお習い事でも始めよっかな。

帰りのエレベータ横。
バイバーイ(オ ルヴォワール)

関西日仏学館へ

続いては左京区百万遍の「関西日仏学館」へ。
京都で開設されて約100年になる、フランス政府機関の文化交流拠点です。

今夜はライトアップ。白亜の美しい建物

こちらでは、デザイナーの遠藤絵美さんの作品展が開催されています。

10月26日まで 10:00-17:00 日・月は休館

遠藤さんがフランスに滞在してリサーチを行い、制作した作品です。

《Kinks Cushion》

フランスの工房で「ゴブラン織」の色彩リサーチから生まれたクッション。
隣り合う色次第で、色調が異なって見える視覚現象を取り入れているとのこと。
色そのものではなく、色の組み合わせで色を増やすと言うもの。

服でも色の組み合わせ次第で、見え方が大きく異なりますしね。
色って不思議。

《Yarn Dolls》

日本各地の織物工場にある残糸で作った糸人形
同じ製法で作っても、産地によって糸が違えば形や大きさも違ってくる。
地球上には誰ひとり同じ人間はいないことを表現しています。

それぞれに個性があって、躍動感すら感じる糸人形。
なんだか会話しているみたいでした。
私はこの青いのが好き。

《Vinyl Chloride Basket Bags》

15色ほどのピースを注文を受けてから組み立てるカバン。
生産・流通ロスを無くしながら、100種類以上のパターンを可能にする、新たなプロダクトの提案になっています。

環境のためにただ我慢する、のではなく知恵と工夫で環境と産業を両立する。
素晴らしい発想(発明?)です。


また、「ニュイ・ブランシュKYOTO」では2020年から、アーテイスト・川俣正さんの鴨川にアートの橋をかけるプロジェクトに取り組んでいて、その構想模型が展示されています。

向こう側に立っているのは京都タワー?
つながっていない。飛び越える?
渡るのに求められるのは、体力か想像力か

こんな橋が実際の鴨川に架かったら面白いな。

今日のおやつ

涼風の夜といえど、歩きまくってさすがに疲れた。
私はいつも「インスタ映え?」的なお店を避けがちですが、前を通っては気になっていたお店が。

背徳感たっぷり

エイヤっと、思い切って飛び込んでみました。

えっ…怪しい

選んだのは「ラムレーズン」のアイス
気づけば白玉をトッピングしていた(和が欲しくなった?)

上はちょっと粘り気のあるソフトクリーム
ちょっとだけシリアルを挟んで、下は硬めのアイスクリーム
クールダウンにもってこい。
ラム酒の味が程よく効いてて甘すぎず、とても美味しかったです。

えっ…美味しい。

店内のBGMは絢香さんの歌声で「真夏の果実」が。
どこか夏の終わりを惜しむ今の気持ちにマッチして、なんだかゆるゆるとした時間を過ごせました。

アートな夜を

思いっきりフランス気分でアートな「夜あそび」を楽しみました。
歩き疲れたから「眠れる夜」ですけどね。

今年の「ニュイ・ブランシュKYOTO」は10月26日(土)まで。
市内各所で、フランスゆかりのアート作品が楽しめます。

会場や開催日時はバラバラです。
行かれる方は、必ずホームページで事前に確認してくださいね。

たまには、フレンチな京都もいかがですか?

おやすみなさいませ…zZ

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