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ふるさとが寂しく思えた日

大阪の実家に帰った。
少し時間があったので、
久しぶりに生まれ育ったまちを
ブラブラしてみる。

都会の真ん中で、
時を押し留めたように、
昭和のにおいが残っている。

私の35年間の思い出も、
路地の角かどに染み付いている。

昔はもっと活気があった商店街
お店は変わり
アーケードは変わらず残る

子どもの頃、
走り回っていた場所
居場所だった図書館
家族で行った馴染みのお店

久しぶりに立ち寄ったラーメン店「豚吉」さん
塩辛いからとスープは絶対飲まない母が、ここでは飲み干し家族をびっくりさせた店。
「コッテリ」と言いながら結構あっさりしている。
私はあまりラーメン店には寄らないが、
ここのラーメンは好き

改めて歩いてみると、
昔からあったはずなのに、
知らなかった風景に驚く。

当たり前で、見過ごされるもの。
私がよそ者になった証でもあるのか。

高さ1.5mほどのガード下。上はJR線。
昔から思うが、低すぎる…
地元民は巧みに体を伏せて、自転車に乗ったまま走り抜ける。

そして、

かつてお世話になったお店は抜け殻となり、
通い慣れた場所は、過去を脱ぎ捨てていた。

一見変わってないようで、
目を凝らしてみると、着実に時は流れていた。

子どもの頃、毎日のように通っていた図書館…
はもう跡形もない。
8年前に建て替えられた
随分お綺麗になられて…

私が少し目を離した間に、
私の知らないまちになっている。

思い出が洗い流される。
そんな寂しさが込み上げてくる。

いつしか文化の香りがするまちになっていた。
2022年、ここに移転開館。
ホテルモントレ株式会社の創立者が、50年以上に渡り収集した600点にも及ぶコレクションを収蔵。
同時期にパリで活躍した日本人画家、藤田嗣治・佐伯祐三・荻須高徳の作品83点を展示。
描かれた約100年前のパリの街角は今どうなっているのか。
自分の故郷の変化に気持ちを重ねてしまった。
3者の作品を比べて見られたのが良かった。
私は、同じく白が映える作品の中でも、荻須高徳の白はより明るく輝いていて印象的だった。

今は父がひとり暮らしているまち。
このまちとつながる糸が細くなっていく。
そして、いづれ切れてしまう時がくる。
やむを得ないが、切なくもある。

これもまた地元の光景
ビルが増えたような気が…
まちのシンボル
私にとっては「児童公園」
かくれんぼや鬼ごっこ、石垣もよじ登った

「ふるさと」と呼ぶには、
懐かしさを留めてくれないまち。
今いる場所に、私は根を張るしかない。

ドブ川べりにアサガオが群生していた。
可憐でたくましい。
ケーキ店「コカルド」さん。
私のとってはふるさとの味
イチオシは「エレーヌ」
ラム酒風味が濃いカスタードとサクサクのパイ生地が、めちゃくちゃ美味しい

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