庭にあったお皿の上の魔法
本業でも趣味でも、円形の作品が多い絵描きです。
インスタ(https://www.instagram.com/mauart8888/)にもいつか書いたのですが、幼少期の思い出が、多分に影響しているようなので、そのお話を書かせてください。
近所のお姉さんが、「おままごとに使ってね」と、スープ皿をくれたので、その日は真ん中に、近くに落ちていた実を置いて、庭先に置いたままにして
家に帰りました。
すると、翌日お皿の上に、小さな実や、葉・花々が並べられていたのです。
別の日には、小石やビー玉、ビーズなどが並べられていたりして、
絵本やファンタジーが大好きだった幼い私は、
「これは・・・誰かに言ってしまったら、解けてしまう魔法かもしれない」
と思い、誰にも言わずに、毎日の楽しみにしていました。
ちょうどその頃、体調を崩していたので、
スープ皿の上のアートは、ご近所さん(おそらくお皿をくれたお姉さん)のユーモアのある、優しさだったのではないかと思います。
その後しばらく庭に出ることが叶わず、久しぶりに庭に出ると、
そのお皿はもうなくなっていて、お姉さんも引っ越された後でした。
素敵な思い出をくださったその方に、心から感謝しています。
お皿がなくなって落胆した私を見かねて、
母が代わりのお皿をくれたのですが以前のようなことはありませんでした。
ただ雨が降れば、水が溜まるだけですが、
雨や空を映している様子もまた心惹かれるものがありました。
雨で外に出れない日や、夜ベッドの中で、
あのお皿の水に映る、月や流れ星はどんなだろう・・・
と想像していたのを覚えています。
やがて幼い私の体調も良くなり、元気に外で遊べるようになってからは、
お日様が映ってキラキラしているお皿に、自分で葉っぱを浮かべたりして遊んでいました。
そして、そこに映ったお日様をどうしても真正面(真上)から見たくて、
あれやこれや試したのを覚えています。
どうしたって、お日様の光ではなくて、自分が映ってしまう。
ということに、憤慨していたらしいのですが(母談)
そりゃそうだ(笑)
それで、仕方なく、いまだに・・・絵に描いています。
全てのもに宿る、源の光を。