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土曜日のコーヒーはすこし苦い
とてもとても、忙しい1週間だった。今週末から娘たちの通う幼稚園が冬休みに入るため、通常どおりお引き受けしていた仕事を早めに進めてきた。
その間、授業参観、PTAイベント、お弁当デーをはさんだので、さらにバタバタ。ついでに、今週中に仕事納めをしようと企んでいた。
早いものでもう24日(あ、クリスマスイブ!)。原稿をあと少し来週に持ち越すことになったので、仕事納めは叶わなかったけれど、ほとんどの案件は書き終えた。ホッ。
年内のご挨拶をくださった取引先の方もいらして「年の瀬感」がぐっと高まってきた。あと7日で、2022年は終わってしまうらしい。
そんなこんなで、今週はゆっくりコーヒーを飲みに出かける時間がなかった。喫茶店で一息つけたのは、年末年始に必要なものを手配しに街中に出かけたときくらいだろうか。ごく短時間の滞在だった。
今日は土曜日で、夫が自宅にいる。彼に娘たちをまかせて、喫茶店に行ってみた。
ひとりでのんびり心を休める時間が、私には必要だ。それがわかっているから、私はときどきあえてひとりになる。喫茶店で過ごす時間は、私にとってとても大切。
読みかけの文庫本をバッグに入れて、ストールをぐるぐる巻きにして自宅を出る。娘たちを伴っているときには履けない、ちょっときれいなパンプスの出番だ。おひとりさま時間ならではのいで立ち。
なのに、濃いめのマンデリンを飲みながら、ほんのりとした寂しさを感じた。出産以降、私の生活には、いつも娘たちの存在がぶら下がっていて、それが当たり前になっている。だから、楽しい時間に彼女たちがそばにいないと、そわそわしてしまう。
ひとりの時間の楽しみ方が、子どもを産む前とは違ってきた。ひとりなのに、ほんとうにはひとりになりきれていないような感覚がある。夫に気をつかうのも一因かもしれない。自分で時間をやりくりして平日に味わうコーヒーと、土曜日のコーヒーはちょっと違う。
なんだか落ち着かないので「クリスマスイブだし!」と早々に帰宅した。
深夜にはサンタクロースにならなくてはならない。娘たちがその存在を信じてくれるのも、いつまでだろう。きっとそう長くはないはず。コーヒーを飲みに行こうとする私に「ママ、出かけるの?」と聞いてくれるのも。
心おきなくおひとりさま時間を堪能できる日が、楽しみなような、もうすでに寂しいような。